
岡田外相は9月16日深夜(9月17日未明)の外務省初登庁直後に日米間の過去の密約4つについて、11月末までに調査結果をまとめるよう、藪中外務事務次官に対して「大臣命令」を発布しました。これは「指示」ではなく、「命令」で、国家行政組織法などに基づき、従わなければ事務次官らがクビになる、という大変重いものです。もちろん、藪中次官らは快く命令に従い、15人以上の職員によるチームを設置し、3200冊以上のファイルを読み込み、精査することを決めました。
岡田外相は「外交というのは国民の理解と信頼に裏付けられたものでなければならない」と語りました。デモクラシーの出発点である公文書管理・情報公開によって、外交への国民の信頼の基盤を整え、民主党政権による“日本の夜明け”を演出するねらいだと思います。
なお、マニフェスト・政策インデックスには、この案件はありません。大臣命令発布は、“何事も初めが肝心”という闘いの鉄則に基づくものでしょうが、「(自民党の)大臣が『密約はない』と国会で答弁しているのに官僚が『ある』と答弁することはできない」として、外務官僚の“若気の過ち”の免責を約束すると同時に、来日した旧知のカート・キャンベル国務次官補から「米国ではすでに公開された周知の事実も多い」「日米関係に悪影響はない」との認識を述べてもらい、右手で官僚、左で米国と握手しながら“綱渡り”をすることになりました。ここ3日間、ずっと岡田さんの狙いを考えていましたが、中間的なとりまとめとしては、こういうことだと考えています。
“綱渡り”というのは、外交の継続性がある以上、自民党政権とはいえ、日本外交の機密が明らかになったときに、どのような影響があるか? 岡田外相は20日朝のテレ朝「サンデープロジェクト」で、「(密約の背景に)苦渋の選択があったかもしれない」とし、調査報告書ができてから1ヶ月程度で外部の有識者会議を設け、密約の背景について、話し合ってもらうことを明らかにしました。
4つの密約のうち、3つめ、佐藤首相が非核3原則「核を持ち込ませない」を発表した後の、1969年1月の日米首脳会談で、「核持ち込み」の秘密文書に、ニクソン大統領とサインしたとされる決定的証拠が出てきた場合にも、それが必要な密約(外交機密)だったかどうかを、調べる方針を示しました。
米国公文書館(アーカイブ)のホームページには「(デモクラシーは公文書から始まる)Democracy Starts Here.」と大きく書いてあります。11月末の「密約報告書」は、まさに民主党デモクラシーの出発点になります。
なんだかワクワクしてきました。欧米と比較して遅いか早いか--はいいです。私たちの国のデモクラシーをしっかり歩いていけばいいのです。
関連エントリーです。
公文書管理法案の審議に影響か?核兵器持ち込み密約を外務事務次官が情報を独占していた 共同報道
以下のエントリーに書いたように、岡田外相は党副代表だった3月14日に、密約の公開を予告しています。
【岡田発言】「記者は国家公務員法111条違反で逮捕」「会社は倒産」を惹起させるねらいか?
岡田外相(岡田克也)、藪中三十二・外務省事務次官、佐藤栄作首相







