衆院で、法案2本がようやく審議入り

29日午前中の衆院の2つの委員会で内閣提出法案(閣法)2本について、大臣から趣旨説明がありました。一般法案が、衆院で審議入りしたのは、今国会29日目にして初めてです。

 衆院国土交通委員会古賀一成委員長=民主党)では、馬淵澄夫国土交通大臣が「土砂災害警戒区域等における土砂災害防止対策の推進に関する法律の一部を改正する法律案(174国会閣37」について趣旨説明しました。これは第174通常国会に提出されていた積み残し法案です。政権交代後は、閣法の“宿題”が積み上がってきている状態になっています。召集日の10月1日付で、議院運営委員会が本会議を省略して、国交委に直に付託していました。

 衆院厚生労働委員会牧義夫委員長=民主党)では、細川律夫厚生労働大臣が、「独立行政法人雇用・能力開発機構法廃止法案(176国会閣9)」を趣旨説明しました。これは今週火曜日(10月26日付)に議運が本会議を省略して、厚労委に付託していました。

 これにより、法案が審議できる状態になりました。しかし、補正予算案の審議がスタートすると、国交相厚労相はまず衆参予算委員会に呼ばれますから、国交委、厚労委はやれません。衆院委員会可決→衆院本会議可決→参院送付→参院可決・成立となると長い道です。

 両委員会ともきょうは趣旨説明だけで、質疑や他の案件はなく、散会しました。とくに国交委は5分間で終わったので、古賀委員長が「本日の審議はこれまでとして、次回の開催日時は衆議院公報をもってお知らせします」と言うと、委員席から笑い声が上がりました。まさかまさか、笑い声の主は政権政党民主党)の議員じゃないでしょうね。参院可決・成立までは長い道だと書きましたが、ましてや国交に限れば、参議院国土交通委員長は自民党(小泉昭男さん)が獲っています。そのことは衆院国交委のヒラ委員もよく意識すべきだと考えます。

 ちょうどきょうの8時57分に、参院国交委の民主党側筆頭理事の藤本祐司さんが「藤本祐司メールマガジンvol.130 ねじれの中での筆頭理事はつらい」を配信し、「この臨時国会から、私は参議院国土交通委員会の筆頭理事を務めている。やってみてよくわかったことだが、与党でありながら参院では過半数を持っていないことは想像以上に辛い」と書いています。全文をエントリー最後に載せさせてもらいますので、笑い声を上げた人が仮に民主党議員なら、よく読んでください。

 私は、民主党は政策前のめりで、まずはしっかりと仕組みをつくるべきだと考えています。とある与党議員が「この臨時国会で郵政、派遣法、温暖化の法案を成立させない方が、野党は(審議を拒否する無責任政党だとして)困るんじゃないの」という発言を真顔でしていてぼう然としました。

 412人内閣であると同時に、「412人国対」という心構えを持って欲しいと思います。

 それと、小沢問題について、岡田克也幹事長が判断を下す時期が、だんだん迫ってきてます。

[参考]

(以下、藤本祐司さんのメールマガジンから全文引用)

藤本祐司メールマガジン  vol.130 ねじれの中での筆頭理事はつらい

 この臨時国会から、私は参議院国土交通委員会の筆頭理事を務めている。やってみてよくわかったことだが、与党でありながら参院では過半数を持っていないことは想像以上に辛い。
 衆院の場合、与党でなければ野党である。「何を当たり前のことを言っているんだ」と思われる方もいらっしゃるだろう。しかし、参院は与党でありながらも与党ではないような状況が生まれている。衆院参院とでは置かれている立場が全く異なる。これが、いわゆる“ねじれ”だ。
 政権は衆院での議席数で決まる。そのため、過半数を超えれば与党、超えなければ野党とわかりやすい。1党単独でなくても連立政権であっても、連立を組んだ結果において過半数を超えれば与党、超えなければ野党だ。一方、参院の場合、衆院過半数を持って与党になっても、参院過半数を取れなければ参院では野党みたいなものだ。
 つまり、衆院では与党であれば(いざとなれば、最後の手段として)数の力を借りることができる。野党であれば与党の要望を蹴飛ばしたければ難癖をつけていれば済む。衆院では与党であっても野党であっても結構強気で相手との交渉に臨むことが可能だ。
 一方、参院では与党であっても数が足りないので、いざという時でも数の力という手段は使えない。数の力を使える状況にあるのはむしろ過半数を持つ野党だ。また、与党は政府と一体で進むことが前提であるため、法案審査の際は野党に委員会開催や採決をお願いしなければならない立場にある。そのため、野党には懇切丁寧に臨むことになる。あまり強気で交渉はできない。
 少し複雑で分かりにくいかもしれないが、要するに衆院は与党であっても野党であっても相手との交渉は強気で臨めるが、参院では与党でありながらも参院過半数を持っていないねじれでの与党は立場が弱い。今は、その弱い立場が民主党であり、特に直接の交渉窓口となる国対委員長や各委員会の筆頭理事は、結構時間も余計にとられるし、精神的にもストレスを抱える。
 例えば、自民党の筆頭理事から、委員会の開催についての交渉の際、「今すぐであれば時間が取れる。今を逃すと明日夕方までは時間が取れない」と言われれば、私たち民主党の筆頭理事は、何をおいても(自分の予定を変更してでも)先方の筆頭理事に会いに行かなければならない。さらに委員長が自民党の場合、「野党の意見をのんでもらえなければ、やりたくないけど委員長に決断してもらわなければならない」と野党の筆頭から言われれば、妥協しなければならなくなる。
 あと3年間、この状況が続く。(2010年10月28日)

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  参議院議員 藤本祐司
  http://www.fujimoto-yuji.org/

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