NHK日曜討論で恒例の与野党国対委員長による終盤国会展望 安住淳さん、逢沢一郎さん、水野賢一さんら

  • 2011-5-29
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 2011年5月29日のNHK日曜討論は、恒例の、与野党国対委員長による終盤国会展望でした。討論というよりも、ここでの発言自体が、あす以降の国会のかけひきになります。

 議題は、
東日本大震災の対応、
原子力災害に関する東京電力の賠償スキームとその法案提出、
③復興基本法案(閣法と自民党案が衆「復興」特別委で審議中)の修正協議と可決の見通し、
民主党自民党公明党の3党政調会長による2011年4月29日付の「3党合意」と平成23年度の赤字国債発行法案と税制改正法案など財源問題、
⑤会期の延長、
⑥内閣不信任案ーーの6点でした。

 出席者は、

 NHK解説委員の島田敏男さん、
 与党から、
 民主党国対委員長安住淳さん
 国民新党下地幹郎さん

 野党から、

 自民党国対委員長逢沢一郎さん、
 公明党国対委員長の漆原良夫さん、
 みんなの党水野賢一さん(参院議員)、
 社民党照屋寛徳さん、
 日本共産党国対委員長穀田恵二さん、
 たちあがれ日本園田博之さん

 でした。

 内閣不信任案の提出時期について、自民党の逢沢さんは「今週かも、来週かもしれない」「「谷垣総裁のハラは決まっており、そう遠くないうちに提出する」と煮え切らない態度でした。公明党の漆原さんは「今回は会期末のセレモニーではなく、早く出していいのではないかと自民党にオススメしている」と述べました。報道によると、6月1日(水)にも提出する、となっています。私は新聞社に属していないので、夜回り取材メモは読めませんが、どうやら、漆原さんが「今週に提出」というアイディアを出しているようです。

 内閣不信任案の可決の見通しについては、自民党の逢沢さんは「菅首相に国を託せないという思いに基づいて出す。むしろ、与党・民主党の中から菅さんを降ろす動きが出て来ないといけない」と述べ、可決の見通しがない可能性が高まりました。安住さんは「自民党の長期政権では、毎日のように非主流派は総理降ろしをしていた。私は憲政の常道にしたがい、かならず否決することができると確信している」とし、安住さんは否決できると断定しました。みんなの党の水野さんは「自民党が提出すれば賛成する」としたうえで、「民主党の(非主流派の)人も、国のために不信任案に賛成するのか、自分たちの(ポストや利権の)ために言っているのか、覚悟が問われるところだ」としました。穀田さんは「提出されれば賛成する」、社民党の照屋さんは「慎重に見極めて対応する」、たちあがれ日本の園田さんは「賛成します。(これからも)民主党政権でいいが、(内閣は)出直したらどうか」と述べました。この後、与党・国民新党の下地さんが「そもそも(衆参で)410議席を超えている政権政党に不信任案が出てくるわけがない。岡田幹事長や安住国対委員長は反省して欲しい」と釘をさすと、安住さんは「反省すべき点は多々ある。国民からして、『党内がしっかりしていない』とみられている。ただ、そのことと不信任案とは次元が違う話だ」としました。

 また、仮に内閣不信任案を提出する場合の趣旨となるであろう、大震災後の菅内閣への評価について、逢沢さんは「菅内閣は組織はたくさんつくったが、スピード感がなく、指揮命令系統が混乱している」、漆原さんは「①東京電力の賠償スキーム、②小中学校の被爆量の毎時20ミリシーベルトの問題、③SPEEDIの非公表、④原子炉への海水注入をめぐる情報の混乱ーーが遅い」としました。

 予算関連法案の今後の手順として重要な4月29日付の3党合意について、安住さんは、

 {国税の改正の与野党修正 }  → 子ども手当の見直し → 平成23年度の赤字国債発行法案
 {地方税の改正の与野党修正} → 

 というプロセスを経て、3つの当初予算関連法案を今国会中に仕上げたいとのスケジュールを示しました。かなりギリギリの日程のように、私には思えます。安住さんは「党内議論をしており、税制改正民主党自民党の政策責任者が話し合っているが、政局絡みで止まっている。衆・財金委は多くの法案を通してもらったが、予算関連法案については、理事会の協議もしてもらっていない」としました。そして、安住さんは「2次補正は必要ならば今国会に出したい」としました。これについて、逢沢さんは「必要ならば、など他人事だ。2次補正を出すべきで、協力したい。自民党は1次補正も赤字国債を発行すべきだ、とした(が、政権は赤字国債を発行しなかった)」として、2次補正には、学校と鉄道の復旧を盛り込むべきだとしました。これに対して、安住さんは「鉄道は長期的な基金が必要だ。(赤字国債を発行すべきだとする)逢沢さんは誤解しているのではないか」としました。これに先立ち、下地さんは「現地を見たら目を覆いたくなる。過去にない事態であり、1~2年間ではなく、(復旧・復興には)10年以上かかると思う」との認識を示しており、公明党の漆原さんも「さきほど(下地さんが)言った『10年かかる』というのは、そうですよね」としました。社民党は「2次補正を今国会に提出すべきだ」としたのに対し、たちあがれ日本からは「十分な補正は今国会ではムリだろう」という意見が分かれました。これらについて、安住さんは「いろいろなやり方がある。(第177通常国会は閉会して)例えば復興特別委員会で毎日、閉会中審査をやるということもあり、(すでに予算に盛り込まれている)特別交付税交付金で(内閣の判断で)対応することもできる」とまとめました。

 会期の延長について、安住さんは「今国会は(積み残しと新規提出の)90本のうち、60本の法案があがり(成立し)、30本残っている」として、「15年国会議員をやっているが、こんなに早い時期から延長論が出てくることに違和感がある」として、政局や利権狙いの野党を暗に批判しました。そして、番組の最後に安住さんは「不信任案を否決したら、菅内閣を信任していただいたのだから、その後は法案の成立にご協力頂きたい」と締めくくりました。

 番組の感想として、確定的には言えませんが私が「アレ?」と思ったのは、自民党公明党みんなの党の野党3党で不信任案にニュアンスの違いがあることです。

 上述のように、自民党は「今週か来週に提出する」、公明党は「会期末のセレモニーでなくすぐにでも提出すべきだ」としています。一方、みんなの党水野賢一参院議員は、「残念ながら、みんなの党では衆議院では、単独で不信任案を提出できる議席数がない」としたうえで、案が出れば賛成するとしました。実は、第176臨時国会での、参院での仙谷由人国務大臣問責決議案は、みんなの党が単独で提出し、自民党公明党があわてて、数時間後に、3党共同提出になったというエピソードがありました。ただ、7月の第22回参院選で躍進したみんなの党も、あくまでも「野党第3党」というタイヘン地味な存在です。そこで、参院議員である水野さんや渡辺喜美代表が、単独提出したというのは、小政党が生き残るうえで理解できる話です。まとめると、公明党、とくに漆原さんが6月1日にも出せと言っているが、自民党は「今週かも、来週かもしれない」「「谷垣総裁のハラは決まっており、そう遠くないうちに提出する」とのあいまいな発言に終始しました。そうなると、今週の内閣不信任案提出時期をめぐる動きは、最終的には、野党内、とくに自民党内の調整が焦点になるのではないかと考えます。そもそも今週内閣不信任が否決され、与党が会期の大幅延長に出た場合、会期末に参院菅直人首相問責決議をしたいようですが、「自公み」の足並みが乱れたら提出や可決できない可能性があります。そうしたら、政府は2次補正も出して、どんどん与党ペースで審議し、どんどん法律を成立させればいいでしょう。そうすると、おそらく公明党は2次補正の政党間協議などで民主党に歩み寄るのではないかと、期待も含めて予想します。そうすれば、ねじれ国会は解消です。

 さて、長々と書きましたが、まとめると、今週も国会議員は一人一人がしっかりと持ち場の仕事をしていくべきです。私たちもしかり。なお、第177閣51号法案「自然エネルギーの全量固定価格買い取り法案」の審議入りが遅れているのが、自民党族議員で、若手中堅の西村康稔さんだという未確認情報がネットであります。引き続き、調べてみたいと思います。誰が味方で誰が敵か、よく分からない終盤国会になってきましたが、とにかく、残り30本以上の法律をきっちりつくっちゃいましょう。

【追記 2011年5月29日 午後11時】

 雨の日曜日のネット世論をみていると、きょうのNHK日曜討論のあと、「菅内閣不信任案の提出→可決→退陣を」とのぞむ世論を急速に失速したように思えます。やはり安住さんの毅然とした対応が良かったのだと思います。公明党は不信任案が否決されたあとの最終盤国会でも、野党第2党だから、フツーに審議に応じる構えのように感じられます。とはいえ、油断大敵、造反者の可能性は大いにあります。

内閣不信任案巡り 与野党討論 NHKニュース

 29日に放送されたNHKの「日曜討論」で、菅内閣に対する不信任決議案を巡って、自民・公明両党が早期に提出する意向を示したのに対して、民主党国民新党は提出されれば与党として粛々と否決する考えを強調しました。

 29日の「日曜討論」では、与野党国会対策委員長らが、菅内閣に対する不信任決議案などを巡って討論しました。この中で、民主党の安住国会対策委員長は、不信任決議案について「400人の政党になればさまざまな声があるのは当然だが、粛々と、憲政の常道に従って否決する自信がある。反省するところも多々あると思うが、それと野党が出す不信任決議案に同調するのは次元が違い、そういうことをする議員はいないと信じている。否決されれば信任されたということなので、重要な法案の成立に向けて協力してほしい」と述べました。国民新党の下地幹事長は、「不信任決議案には大義がないので、出てきてもしっかりと否決するという態度で臨みたい。そのために、民主党は幹部が胸襟を開いて党内をまとめるべきだ」と、述べました。自民党の逢沢国会対策委員長は、「菅内閣が出来上がって1年になるが、消費税の発言がぶれて参議院選挙で敗北し、中国漁船の衝突事件でも那覇地検に責任を押しつけた。東日本大震災が起こり、原発事故や被災地対応で、菅総理大臣に『この日本を託せない』という国民の声は多い。不信任決議案の提出を党として決めており、谷垣総裁が最終的に決める。そう遠くない時期に提出する」と述べました。公明党の漆原国会対策委員長は、「この1年間の菅政権を見て、あるいは震災復興や原発事故への対応を見て、野党として『菅政権には日本の将来は任せられない』という意志を明示する責任がある。自民党は早い時期に内閣不信任決議案を提出したほうがよいし、われわれは賛同する」と述べました。みんなの党の水野幹事長代理は、「会期末のセレモニーではなく、覚悟をもって臨むべきだ。菅総理大臣に任せられないということで、われわれは退陣を求めており、単独では出せる議席数がないので、自民党が出すなら賛成する」と述べました。共産党の穀田国会対策委員長は、「菅政権の震災対応は、被災者の現実に対して心を寄せている実情がない。原発事故の収束の見通しが立たず、原発の撤退も明確に決断しない。不信任決議案が出されれば、賛成するのが当然だ」と述べました。社民党の照屋国会対策委員長は、「震災や原発事故への政府の対応は不信任や問責に値する。一方で、不信任決議案の提出はセレモニーであってはならず、菅内閣を代えることが国民のためになると確信が持てるまで、慎重に見極めて最終的な対応を決める」と述べました。たちあがれ日本の園田幹事長は、「不信任決議案には賛成する。菅政権は、このままであれば震災対応で大きな過ちを犯す可能性があるので、菅総理大臣も、民主党全体も、一度今までのことに線を引いて出直したらどうか」と述べました。

【追記おわり】

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