
日本の新しい地平が見えてきました。
消費増税準備法案(第180通常国会の3月に閣法で提出予定)。
民主党代表で首相の野田佳彦さんは2012年1月5日(木)、「野党の皆さんには、2012年はより一層、政局よりも大局に立っての決断をお願いしたい。そうすれば必ずや困難を乗り越え、日本の政治は前進できる」としました。党幹事長代理の城島光力さんは、「(第46回衆院選後の与党が)民主党であれ自民党であれ、新しい政権が最終決定権を持つ」と語りました。
消費増税準備法案は、衆院財務金融委員会(海江田万里委員長)に付託されます。平成24年度の特例公債法案(第180国会に閣法で提出予定)とあわせて、政権の命運を左右する筆頭理事。与党側は、寺田学さん、野党側は山本幸三さんということになりそうです。
寺田学(てらた・まなぶ)さんは秋田1区(秋田市)選出の当選3回生です。元々寺田家は同じ県とはいえ、横手市の名門。前知事の息子とはいえ、寺田さんは世襲議員ではありません。
その寺田さんが4日付朝日の1面「カオスの深淵 壊れる民主主義」の第3回でインタビューに答えています。
[朝日新聞「カオスの深淵」第3回から引用はじめ]
民主党は前と次の総選挙に呪縛されて動けない。マニフェストにない消費増税に選挙に弱い民主党議員は抵抗し、参院で多数を握る野党は衆院解散を求める。菅政権は党内の反発と野党の攻勢が結びつき、命脈が尽きた。野田政権も同じ道を歩むのだろうか。
菅政権の首相補佐官だった寺田学衆院議員(35)は「民主党は集団討議をまとめるルールが根付いていないから厳しい」とこぼし、視線を下野後に移す。
「民主党が野党時代に最初に仕掛けたから、自民党がやり返す。どっちが先に水に流すかでしょう。次に民主党が下野してどんなルールをつくるか。そのときは真摯で前向きな野党をやりたい」
鳩山由紀夫氏、菅直人氏、小沢一郎氏ら、1990年代以降の政界再編や政権交代を主導した立役者の時代は終わった。バトンを継ぐ新世代の政治家たちは、別の地平を見始めている。
[引用おわり]
寺田さんは野党時代、総務委員会の理事を務めていました。総務委は地方税法改正案、地方交付税の総額を定める法案など、予算関連法案(日切れ法案)を扱う、前半国会では予算委、財金委につぐ重要な委員会です。野党時代の寺田さんは、衆院本会議散会後に、身長がおそらく187センチの大きな体躯で与党・自民党理事を追いかけて、委員会の設定の打ち合わせをしました。逆のパターンはまだあります。与党理事が野党理事を追いかけて、野党理事に逃げられ、審議拒否。しかし、寺田さんは責任感が強いようで、与党理事を追いかけていました。
今回の寺田さんの財金委筆頭理事起用には、いくら前総理補佐官とは、3回生だと、与党に居留守を使われるのではないかと懸念する向きが、他の重要委員会の筆頭理事周辺になくはありませんでした。しかし、第179臨時国会で、第3次補正予算関連法案に、3党協議にもとづく衆院段階での修正を加える姿に信頼感が大きく増しています。
財金委には、消費増税準備法案より前に、平成24年度の特例公債法案が付託されます。まずはこれをどうするか。一般質疑を含めて、まずは審議時間をしっかりと積み重ねていかないと、党幹部間で話し合いがあっても、現場で通せないことになりかねません。
寺田さんの名前は6日付朝日の3面にも登場します。昨年来ブログ界でも話題をよんでいる「プロメテウスの罠」の官邸5日間の第4回」です。ここでは、総理補佐官(当時)の寺田さんの回想が載っています。3月14日の午後8時過ぎ、官邸5階の官房長官執務室に行くと、海江田万里経産相の秘書官が、「東電からお電話です」。経産相が「もういいよ、それは。断った話だから」。寺田さんが「何の話ですか?」「東京電力が原発から撤退したいと言っているんだ」。寺田さんが「大臣、そんな大事な電話ならちゃんと断った方がいいんじゃないですか」と差し向けると、海江田氏が東電社長に「残っていただきたい」と言ったそうです。
海江田さんは団塊の世代で選挙が弱くどうしても八方美人的性格で、ハッキリと断ることができなかったのでしょう。この半年後、彼は小沢一郎氏の誘いに乗り、民主党代表選に出馬するという過ちを犯します。
その海江田さんは衆院財務金融委員長ですから、今国会では、野党議員にスーツを破られ、泣きじゃくりながら、強行採決で衆本、参院に法案を送ってもらいましょう。そのくらいの貧乏くじを引いてもらわないと、歴史に対する贖罪ができません。
そして、第46回衆院選に勝てば、野田総理は任期4年以上も見えてくるし、負ければ寺田さんが野党党首選に出ればいいでしょう。そう考えると、何もためらうことなどないわけで、二大政党デモクラシーというのは良くできていると感じます。
震災を乗り越えた寺田学さんの地平線に、二大政党デモクラシーはどのように見えているのでしょうか。
時事ドットコム:消費増税で足並み乱れ=甘利氏「協議拒否通らぬ」-自民
自民党の谷垣禎一総裁が消費増税に関する与野党協議に応じない考えを示していることに対し、同党内で5日、「逃げるべきではない」との異論が上がった。
谷垣氏は同日、仕事始めの会合で「一致団結して与党を追い詰め、衆院解散に持っていく」と述べ、野田佳彦首相が提案している協議を拒否する方針を重ねて示した。しかし、この後の役員会で、甘利明元経済産業相は「今まで10%(に引き上げる)と言ってきたのに、協議に応じないでは通らない」と谷垣氏を批判。塩崎恭久元官房長官もBS11の番組で、「まず選挙をやってからとの一点張りでは、国民にすっと入らない」と疑問を呈した。(2012/01/05-21:36)
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