小沢グループよ、岡田をうつなら俺をうて

 「掃溜の草も弥生のけしきかな」(はきだめの くさもやよいの けしきかな)。

 内藤鳴雪

 「掃き溜め」といっても小沢グループのことではありません。

 天皇陛下が2012年2月18日、東京文京区本郷の東大病院で心臓バイパス手術を受けられました。皇室医務主管によると、「生活の質を向上するための手術」だそうです。2週間ほどご入院なさるようです。弥生3月とは、「いやおひ」という大和言葉から派生したそうです。「弥生」とは「多くの草木が生い出る時候」という意味です。

 昨年から、3月の意味が変わりました。3月上旬と、3月中旬では意味が違います。陛下も3月中旬からご公務に復帰されたいと思っていらっしゃるでしょうが、ぜひ、掃き溜めの草木が生い出るように、生活の質を向上されるように、リハビリでどんどん歩いて頂きたく存じます。

 東大病院からは、上野公園の不忍池がきれいに見えるそうですが、東大病院の道路1本隔てたところは、「文京区弥生」です。弥生にある東大農学部キャンパスから出土した土器が弥生式土器。言うまでもなく「弥生時代」の由来です。

 
[写真]道路の左側が東大農学部(文京区弥生)、手前は文京区立第六中学校(文京区向丘)=筆者撮影。

 狩猟民族だった大和民族は、ユーラシア大陸から稲を持って渡ってきた人のおかげで、定住生活をはじめ、ムラ、クニが生まれました。すなわち日本誕生です。稲によって文明を得た私たち。弥生時代自治体のリーダーは一部は朝鮮半島から来た人ですが、大和民族もいます。陛下も百済への「ゆかり発言」をなさったことがあります。それは我が国の成り立ちにおいては些事です。弥生は、いわば日本誕生を発見した場所です。というわけで、鳴雪の「弥生のけしき」の弥生は3月という意味ですが、時間と空間の両方の意味を含めて、陛下には「弥生のけしき」に思いを馳せて頂きたい。生まれながらにして皇太子殿下でいらっしゃった陛下に、「公務をお控えください」というのは、かえって酷です。時間と空間のせわしない現代においてのご公務のあり方を本質的に考えるときです。

 【鳩山由紀夫氏が消費税増税に関して重大な事実誤認か】

 昭和63年12月30日、日本国憲法第7条により公布された法律が「消費税法」です。昭和はこの後、8日間あまりしかありませんでした。憲法第5条による摂政(摂政の宮さま)を置くことができますが、この法律は昭和天皇が皇太子殿下の国事臨時代行により公布された法律です。

 鳩山由紀夫さんは昭和61年1986年の衆参ダブル(死んだふり解散)の第38回総選挙で初当選し、連続8回当選しています。ここから7年間、経世会自民党竹下派)の竹下系で活動します。総裁派閥として竹下内閣を支える上で、消費税法案の可決・成立をめざして「直間比率の是正」という言葉をくりかえしくりかえし会議で聞いて、聡明な鳩山先生のことですから、鸚鵡のようにくりかえしくりかえし「直間比率の是正のためにも消費税導入をお願いしたい」と選挙区で言っていたのではないでしょうか。

 一方、岡田克也さんは平成2年の1990年第39回総選挙で初当選。経世会自民党竹下派)金丸・小沢系でしたが、消費税法が施行されてから初めて衆議院議員になっています。

 ここで、ぜひご紹介したいのが、2009年5月の民主党代表選。これは任期満了まで4ヶ月、実際の総選挙まで100日間というまさに「日本の総理大臣」を選ぶ選挙でした。


[画像]テレビ朝日さんニュース映像から。

[画像]テレビ朝日さんニュース映像から。

[画像]TBSさんニュース映像から。

 鳩山さんは「今日の格差社会の中で消費税アップの議論すらすべきでない」と発言しています。「現状は格差社会(経済)である」→だから「消費税アップについて議論すべきでない」というのが鳩山さんの論法です。

 公平を期すため、岡田さんの発言も見てみましょう。

 
[画像]中川正春さん(右)の司会で代表選の公約を述べる岡田克也さん、2009年5月。


[画像]TBSさんニュース映像から。

[画像]TBSさんニュース映像から。

[画像]TBSさんニュース映像から。

[画像]テレビ朝日さんニュース映像から。

 岡田さんは「年金制度を抜本改革する1階部分つまり基礎年金については今の保険料方式から税方式に変えるそのために将来消費税を3ポイント上げさせていただきたい」としています。これは先週金曜日の閣議で決定した「社会保障・税一体改革大綱」とまったく同じことを言っています。

 で、これは竹下内閣時代の議論を覚えている方は、この2人の認識が根本から違っていることに気付くでしょう。

 鳩山さんは、高所得者により多く課税される所得税などの直接税の負担を減らし、その代わりに所得階層に関係なく広く課税する消費税の増税は、「格差社会」では認められないという趣旨を言っています。すなわちこれは「直間比率の是正は格差社会では認められない」ということだと考えられます。つまり鳩山さんは直接税と間接税のバランスを考えていて、国庫の歳入の増減は念頭に置いていないのだと思います。

 岡田さんは「基礎年金を保険料方式から税方式に変えるための抜本改革の前提として、将来消費税を3ポイント上げさせていただきたい」としています。すなわち年金の最低保障機能を高めるための財源として8%にしたいと言っています。これは言うまでもなく、社会保障と税の一体改革であって、2014年4月に8%に上げるという段取りが「大綱」として閣議決定されています。

 ちなみに平成24年度予算案では国債整理基金特別会計の利払い費(手数料含む)は13・3兆円を見込んでいます。1年間で13・3兆円です。消費税の歳入は10・4兆円を見積もっています。ちなみに消費税5%のうち国庫に入るのは4%分です。すなわち消費税は累積800兆円の国債政府短期証券・借入金の利払いだけですべて消えている計算になります。だから日本中の商店街が息詰まる重苦しい雰囲気になっているのです。そこを年金の最低保障機能の強化と、医療、介護、子育ての4経費に充てることと引き換えに消費税を増税するというのが今の構想です。

 つまり鳩山さんは昭和63年の財政構造・人口構造と平成24年の財政構造・人口構造の違いを認識していないのではないか。そうでなければ消費税増税反対などという結論が出てくることはゼッタイにあり得ません。政治家というのは時間による状況(シチュエーション)の変化によって言動をふらつかせるのが仕事です。だからこそ、ぶれないしっかりとした本質的な知恵が必要とされることは言うまでもありません。

 人口1億2000万人(うち高齢者は1400万人)で赤字公債残高060兆円(建設公債とあわせて150兆円)が昭和63年の日本です。
 人口1億2800万人(うち高齢者は2500万人)で赤字公債残高420兆円(建設公債とあわせて680兆円)が平成24年の日本です。

 この認識の違いが鳩山さんにはないのでしょう。おそらく鳩山さんは国会議員になってからの四半世紀、予算書を読んだことがないのだと考えます。

 公平を期すために、鳩山さんの推薦人と岡田さんの推薦人の一覧をつけます。

[資料]2009年5月の民主党代表選の結果。

民主党代表選 開票結果 鳩山由紀夫 124票 岡田克也 95票
http://www.eda-jp.com/dpj/2009/suisen.html

鳩山由紀夫候補の推薦人は次の通り。
衆議院
赤松広隆さん、石関貴史さん、太田 和美さん、北神圭朗さん、楠田大蔵さん、小平忠正さん、小宮山泰子さん、筒井信隆さん、仲野博子さん、原口一博さん、福田昭夫さん、松原仁さん、山口壯さん。
参議院
犬塚直史さん(第22回参院選で落選)、
植松恵美子さん、大久保潔重さん、加藤敏幸さん、川崎稔さん、行田邦子さん、小林正夫さん、谷岡郁子さん、広中和歌子さん(第22回参院選で落選)、藤田幸久さん、牧山弘恵さん、水岡俊一さん。

岡田克也候補の推薦人は次の通り。
衆議院
大串博志さん、小川淳也さん、川端達夫さん、菊田真紀子さん、高井美穂さん、田嶋要さん、長妻昭さん、鉢呂吉雄さん、平岡秀夫さん、藤村修さん、細川律夫さん、松本大輔さん。
参議院
足立信也さん、大河原雅子さん、岡崎トミ子さん、金子恵美さん、郡司彰さん、高橋千秋さん、徳永久志さん、中谷智司さん、長浜博行さん、藤本祐司さん、松浦大悟さん、松野信夫さん、水戸将史さん。

[資料終わり]

 2009マニフェストをよく読むと、現時点の消費税増税法案の提出は理論上可能です。藤井裕久さんはインデックスがどうしたとか面倒なことを言い出していますが、マニフェストには矛盾はしていません。ただ、2009マニフェストは、2010年7月11日の第22回参院選有権者から否定されました。だから修正が必要であり、それが政治を国民の手に取り戻すことになります。

 子どものための手当の3党協議も先週から再開しました。ぜひ、責任ある野党、公明党自民党の協力も得て、消費税増税法案の審議を電車道のようにばく進すべきです。後ろから鉄砲をうつような奴もいますが、前をのみ見てばく進あるのみ。小沢グループよ、岡田をうつなら、俺をうて。私が「松尾伝蔵」になります。

 さて、衆院予算委員会は一般的質疑の2巡目に入っています。そして、地方公聴会の設定に成功しました。後は、一般的質疑の回数を重ね、中央公聴会、分科会の設定です。そして、2月29日(水)に党首討論があるようですので、ここで3月2日(金)の予算衆院通過、年度内成立が見えてきました。一方、予算歳入関連法案はあす2月21日(火)に審議入りできるようです。時間はギリギリですが、あくまでも予算案と同日に本会議を通すのが基本であり、口うるさい参議院に対する礼儀だと考えます。いずれにしろ、自民党は平成24年度特例公債法案を「人質」にとるでしょうから、今通常国会内の解散は避けられません。それまでに少しでも多くの一般法案を通して欲しいと考えます。

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[お知らせおわり]

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