パート待遇改善へ道 改正労働契約法成立 小林正夫・参院厚生労働委員長

  • 2012-8-4
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【2012年(平成24年)8月3日(金) 参院本会議】

 改正労働契約法が成立しました。

 参議院は本会議で、小林正夫・厚生労働委員長の報告を求め、議案番号第180国会閣法71号として法案審査してきた「労働契約法の一部を改正する法律案」について、「可決」とする委員長報告を聴取。押しボタン式で採決した結果、投票総数234、賛成222、反対12の賛成多数で、政府提出原案通り可決しました。平成24年法律○○号として近く天皇陛下が公布します。

 

  これを受けて、4日付日経新聞は「パート待遇改善へ道」との横見出しで大きく報じました。

 法律は有期雇用が5年続いた人が、本人が希望した場合は、企業が無期雇用に切り替えることを義務づける内容。逆に言うと、有期雇用が5年近くなった人が雇い止めにあう可能性もあるので、この法律への理解をしっかりと持ち、もしもの場合は、連合、厚生労働省、弁護士に相談する必要があるでしょう。

 日経新聞によると、2010年の雇用者5111万人のうち、有期雇用である契約社員、パートは1200万人。そのうち、勤続年数が5年以上の人は360万人だそうですから、かなりの数になります。

 日経新聞だけに、基本的には使用者側の声が載っており、「ある大手ハンバーガーチェーン店」の場合は、5年以上働く契約社員・パートが多いので、「店舗売上高が減ったとしても、その店の従業員数を減らしにくくなる」と人員配置の硬直化を懸念しているとのこと。ちなみに、おそらくこのハンバーガーチェーン店は契約社員・パートの使い方がうまく、ボーリング大会を開いたりしている。高校時代にアルバイトをしていた人はそこで恋人を見つけたけれども、お店のなかでみんな付き合っていて、男性1人、女性1人だけ残っていたので、「付き合わざるを得なくなった」とのこと。しかし、昔のように「正社員のはない自由がほしくてパートをやっている」という話は聞かない雇用不安の時代になりました。ご存じのように、連合は3年前から非正規雇用の問題に取り組んでいます。1日の「友愛会創立100周年記念祝賀会」で小宮山洋子厚労相が「ディーセント・ワーク」という言葉を使っていたのだけど、知らない言葉なので調べてみました。そうすると、友愛会創立者である鈴木文治(すずき・ぶんじ、後に衆院議員3期)が政府代表として設立総会に出席した国際労働機関(ILO)の、21世紀における目標として提案された物。 ディーセント・ワークは、Decent Workで、「働きがいのある人間らしい仕事」ということだけれども、最近のはやりで行けば「まともな仕事」という言い方もできるでしょう。

 さて、民社協会ウィークということで、小林正夫参議院議員について、触れたいと思います。あまり馴染みはないでしょうが、電力総連・東京電力労組の働く仲間の推薦で、2010年の第22回参院選で参戦した当選2回生勤続8年ということになります。政権交代により、厚生労働大臣政務官を務めました。現在はハウスにおいて、参議院厚生労働委員長、党においては企業・団体委員長を務めています。ちなみに、選対委員長が高木義明さん(基幹労連)、党内の地方組織を担当する組織委員長が古本伸一郎さん(全トヨタ労連)、党外の支援組織を回るのが企業・団体委員長ということで絶妙な配置になっています。

 東電労組の働く仲間がこの1年余り、大きく傷つき、自信を失っているようです。東京地検特捜部は東京電力福島第一原子力発電所事故の捜査を開始しました。私は、勝俣会長、清水社長、武藤副社長(すべて事故当時)を逮捕して、徹底的に調べるべきだと考えます。そのうえで、立件が難しくても、自民党政治家と東京電力企画部の関係について、よく調べるべきでしょう。世論は支持するでしょうから、特捜部の信頼回復にはもってこいの事案だと考えます。

 電力総連や東電労組も反省が必要です。「当選後に原子力発電に否定的な発言をしてはいけない」との政策協定を結んでいた民主党議員は多くいます。しかし、本当に追及されるべきは、東電企画部と自民党エネルギー族議員の関係です。会社四季報、あえて「3・11」前に発行された2011年春号の会社四季報によると、東京電力の社員数は連結で5万3241人、単体で3万6825人。平均年齢は40・6歳で、平均年収は757万円。平均年収がずいぶん高い気もしますが、これは、旧同盟系で自動車総連と双璧の集票力を持つ電力総連で、関西電力労組とともに政治的影響力をもつ東電労組の力があったからでしょう。

 小林正夫さんは、物静かな方で、正直、私も詳しくは存じません。先代の長谷川清さんも物静かで、キッチリと七三分けをした紳士でした。うるさ型でやり手の、関西電力出身参院議員とは、動と静ということで、ハッキリ分かれています。

 東電労組の中で、「動」といえば、亡くなった笹森清さんでしょう。電力総連会長、連合事務局長を経て、電力総連初の連合会長を務めました。

 そして、小林参院議員、長谷川元参院議員、笹森元会長には共通点があります。高卒だということです。

 友愛会創立者の鈴木文治さんは、東大法学部卒のクリスチャンという経歴で社会的信頼を得て、労組非合法の時代に、友愛組合から労働運動を始め、政府からILO設立総会に派遣されました。連合の歴史においても、政治好きだった山岸章初代会長(全電通、現在の情報労連)は、電電公社日本電信電話公社)内の教習所の出身。そして、2代目会長で旧同盟系初の連合会長、UIゼンセン同盟芦田甚之助さんが早大卒。自民党橋本内閣の行革会議の委員となりましたが、実は橋本首相は初当選前はUIゼンセン同盟の組合員だったんですね。その後3代目の会長として東大卒の鷲尾悦也さん(基幹労連)がコワモテの武闘派、高卒の笹森清事務局長とコンビを組みました。私はこのコンビは最強だと考えています。そして、産別ごとに新進党社民党の股割きに悩んでいた連合は再び政治に近づき、民主党結党、直後の1998参院選大勝へと導きました。

 
[写真]笹森清・第4代連合会長(電力総連会長、東電労組委員長)、友愛労働歴史館、筆者撮影。

 友愛労働歴史館に掲げられた、在りし日の笹森さんの写真、私の知っている限り、イチバン柔和な表情かなあという感じがします。

 学生時代に選挙の事前運動のバイトで、日常活動用のポスターをはらせてくださいと、自転車や徒歩で街を歩いたことは何十回もあります。そのとき、新進党を支持しているけれども自宅にポスターを貼らせたくない人が、とっさに「そこの電信柱に貼っちゃえば」ということがありました。ただし、少なくとも東電管内では電信柱に政治活動用のポスターは貼れません。電信柱は東電の財産だからです。そして、そうやって街を歩いている中で、東電の社員が、車をハザードランプにしながら、電信柱の求人、金融、風俗などのポスターをヘラのような物ではがしていく姿を何度も見ました。そういう人も含めて、電力の安定供給を実現しているんだなあと実感しました。ですから、原発事故の責任を問うため、勝俣前会長や武藤前副社長を逮捕すべきですが、給料が良いということは労組が頑張っていたからであって、以前のことを攻めるべきではありません。

 弱い立場で働く人に言いたいことは、やはり安くて簡単な本が出ているので、ある程度体系的に労働法制を理解するということです。ただし、労働基準監督署はあまり頼りになりません。私は労働監督行政は強制捜査や逮捕ができる警察に移管すべきだと考えています。川人先生のような弁護士との関係をつくるのもいいでしょう。そして、何よりも団結することです。今はインターネットもあります。団結することによって、初めて労働者は奴隷から解放されます。必死に経営者との関係をつくっている民主党議員など相手にしないで、労働者団結と労働協約締結権で労使交渉にのぞむべきです。くどいですが、労働基準監督署には経営者を逮捕する権限がありませんから、頼りになりません。働くことはすなわち人生です。泣き寝入りは自殺と同じことです。

 笹森さんのような卓越したリーダーの下、高卒の働く仲間が1人ずつ参議院議員(旧貴族院議員)になっている、東京電力労働組合のみなさん。元気出してください。私はあなたたちを偏見で見ることは絶対にありません。

 ガンバロー!

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