【衆議院本会議 2014年1月29日(水) 国務大臣の演説に対する代表質問2日目】
安倍晋三首相(自民党総裁)が、「最低賃金」の意味合いを理解していない答弁をしました。
安倍首相は次のように答弁しました。
「最低賃金についてのおたずねがありました。最低賃金は賃金のセーフティーネットとして、地域や産業の実情を考慮して、適切に定められているものと認識しています。平成25年度は対前年度15円の引き上げが行われたところです。最低賃金をさらに引き上げていく環境整備のためにも、企業の収益を向上させ、雇用の拡大や賃金の上昇につなげる経済の好循環を目指していきます」
最低賃金制度は、憲法25条の「健康で文化的な最低限度の生活を営む権利」など、資本主義に対して福祉国家的な要素を加味した、修正資本主義をとる我が国経済の根幹をなすものです。
労働組合に入れない労働者を救うのがねらいです。第1次安倍内閣が提出した改正最低賃金法で、都道府県別の最低賃金が必置規制となり、産業別の最賃は付随的なものとして明文化されました。ですから、経済の循環とは分離されたものと考えるべきです。
仮に企業の収益を向上させることは、平均賃金の上昇につながっても、最低賃金の上昇にはあまり関係ありません。むしろ経済の好循環とは、インフレによって、最低賃金を引き上げる環境になると考えるべきでしょう。
安倍首相は先の臨時国会で、海江田万里・民主党代表に対する答弁で「ことしの春闘について、連合の集計結果によると、ベースアップを行う企業の割合が、五年ぶりに二桁になりました」と話しています。これは、連合の集計で「賃金改善分獲得分企業については594組合、10・7%」とあるまとめを、春夏一体闘争における夏季一時金をちょっと上げただけの企業・組合を含めて10・7%なのに、「ベースアップ2桁」と誤答弁したものです。
これについて、民主党の山井和則ネクスト厚労大臣が「ベースアップという言葉についての安倍総理の理解に対する質問主意書」(185質問11号)
ベースアップの誤答弁ならば、まだ大企業正社員の話になりますが、最賃となると、労組に入れず、日雇いなどの、底辺の労働者の最低限度の生活にかかわる話です。これを経済の好循環とつなげるのは、憲法25条と最低賃金法の趣旨に反しており、安倍首相の労働問題に関する理解は決定的に不足していると言わざるをえません。
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