今週、衆議院農林水産委員会は、農業の直接支払いの継続をめぐる政府提出の「日本型直接支払法案」と民主党提出の「農業者戸別所得補償法案」「ふるさと支払い3法案」を審査。
参考人質疑、地方公聴会とも、民主党政権の農業者戸別所得補償(政権交代で予算書では「経営所得安定対策」に改称)について
「中長期的な経営戦略のためにも(民主党政権時の)制度を変えないでほしい」
「規模集約の機能がビルトインされている」
として、継続を求める声があがりました。
木曜日の審議で、林農相は直接支払いの継続を求め、自民党の宮越光寛筆頭理事と民主党の大串博志筆頭理事の修正合意に期待する旨を答弁し、「(法案の修文などで)農水省としても協力を惜しまない」と明言しました。
あいだに、トニー・アボット豪首相の来日を期した「日豪EPAの基本合意」があり、国政調査をしましたが、ふたたび直接支払の審議に戻っており、来週にかけて「静かな構造改革」が大詰めを迎える可能性が出てきました。
最大のポイントは米(コメ)の主食用米への直接支払いの恒久法制化になります。
【2014年4月8日(火)衆議院農林水産委員会 参考人質疑】
大学教授合計3人(専門外含む)と、若手農場経営者(全国組織役員)1人の合計4人が参考人として意見を述べました。
谷口信和東京農業大学教授は民主党案の全販売農家を対象にしたコメの固定払い(10アール1万5000円)について、「大規模経営ほど有利。構造改革に促進的だ。変えるのはもったいない」と発言。
このほか、「担い手集中の支援には賛成」、農業者の高齢化により「改革のスピードを上げないと間に合わなくなる」、「主食用米、外食、加工など日本の消費の縮図がそのまま(大規模農家の)経営に入り、バランスよくやるのが大事」といった意見が出ました。
(参考 2014年4月9日付日本農業新聞2面)
【2014年4月9日(水)衆議院農林水産委員会 地方公聴会(佐賀県、新潟県)】
翌日の委員会で派遣委員は次のように報告しました。
佐賀会場に出向いた坂本哲志委員長(自民党)は「急激な農政転換は好ましくなく、農家の死活問題になる」、「規模拡大の好機だ」「農業者戸別所得補償が分かりやすくていい」といった意見が出たと報告しました。
新潟会場に出向いた宮越光寛筆頭理事(自民党)は「コメ農家に大きな経営判断の転換を求めないでほしい」「法制化して担い手の将来を見通したうえで農業に専念したい」との声があった、と報告しました。
佐賀会場にいった大串博志筆頭理事(民主党)は、「行政関係者、農業関係者、あわせて4名の意見陳述人に、現在委員会で議論されている農政改革に関し、政府与党案、野党案について意見を述べてもらい議論を行いましたが、農業の現場を踏まえた議論ができてよかったと思います。戸別所得補償政策を継続して欲しいという意見もしっかりいただきました」とブログで振り返りました。
このような声を受けてか、林農相は「農政を大きく変えるのは望ましくなく、昨年の農地中間管理機構(農地バンク)法のように、与野党でご修正いただかればありがたいし、農水省としても協力も惜しまない」と答弁しました。








