
先の通常国会で成立した第4次地方分権一括法(地域の自主性及び自立性を高めるための改革の推進を図るための関係法律の整備に関する法律案)をもって、2006年から始まった「第2次地方分権改革」が「集大成した」と安倍首相(自民党総裁)が打ち止めを宣言したことが分かりました。2014年6月30日(月)の内閣府・地方分権改革シンポジウムで、語りました。14日付日経新聞の月曜恒例の地域総合面(33面)が報じました。
第1次地方分権改革は、地方分権一括法にもとづき、2000年に「国から地方へ上下関係による機関委任事務」から「国と地方が対等な関係で契約する法定委託事務」へと画期的にかわり地方分権元年となりました。
小泉内閣の片山虎之助初代総務大臣は、「三位一体の改革」という大胆な命名の改革をしました。国庫補助金(4・7兆円)削減、地方交付税(5・1兆円)削減、税源移譲(3兆円)というかなりきつい改革で、片山虎之助・現参議院総務委員は、今でも審議中に名指しで悪口を言われています。このときは、自民党お得意のプレーで、河村建夫・文部科学大臣が「公立学校教員の給与の国、県折半を、県2、国1に改める」と表明。これに対して、ミリオンセラーを出しているような評論家が、「義務教育の水準は全国一律であるべきで絶対反対だ」との論陣を張りました。私には、国費負担が2分の1から3分の1に下がることで、著しく教員の質が下がるような県が47都道府県中にあるとは思えず、自民党お得意の論理のすりかえに引っかかった人が多かったようです。その後、文部科学省は、少子化により、一学年105万人時代になりながらも、少人数学級や非正規雇用教員の活用で、定員はけっこう確保できていますし、麻生首相、河村官房長官ら、文科族が官邸をしめるようになって、景気対策による学校耐震補強などいろいろ得しているように思えます。
少し話はそれましたが、第1次地方分権改革では、オーナー創業者の子息であり、また、作曲家・諸井三郎さんの甥でもある、諸井虔・秩父小野田(太平洋セメント)社長がぐいぐいリードしました。第2次地方分権改革では、サラリーマン社長ですが、丹羽・伊藤忠商事社長がぐいぐい引っ張りました。
第2次地方分権改革は、内閣府の地方分権改革推進会議と全国知事会(おもに会長は山田啓二・京都府知事=昭和52年自治省)の調整がよく、法案提出後はあまり国会でもめなかったように思います。ただ、当初民主党政権は、第1次地域主権一括法案の名前で出したのですが、自民党が衆参ねじれ後つるしてきて、地域主権という名称を法案タイトルから削除するという3党合意により、成立させてきました。この段階的な国から都道府県への権限移譲も、第1次法案から第4次法案まで、4通常国会連続で総務委で審査・可決しました。
日経記事によると、全国知事会は今後も「農地転用やハローワークの移管を求める」としています。全国市長会は「権限委譲で生じる財政需要に見合った財源措置を確実に講じる」という、これは至極ごもっともとしかいいようがありませんが、そういう要望が6月30日のシンポジウムで出たようです。
今後は、「提案募集方式」と「手挙げ方式」による地方分権ということになるようで、分権のかたちそのものが、自治体の力次第ということになりそうです。
国会閉会後、地方議会が話題になっています。東京都議会ではみんなの党女性新人都議が自民党ベテラン都議からセクハラ野次。兵庫県議会では、無所属新人県議が政務活動費の不正使用と、独特のキャラクターによる号泣会見で、辞職しました。私としては、「中選挙区と二元代表制の地方議会なんてこんなもんだろ」という意識でしたが、多くの人が地方議会に興味を持って、来年4月の第18回統一地方選に向かうのは心強い感じがします。私自身は地方議会改革については、これまでも、これからも発信するつもりはありませんが、中選挙区制度の廃止、歳費の適正水準の2点がポイントになるでしょう。
自民党と公明党の連立政権合意文書の11番目にある「道州制の導入」はあまり研究が進んでいないように思えます。地方分権改革というのは永遠に未完です。正直言って、本当に優秀な人は、地方議会を目指すべきでないと考えます。直接、衆議院、参議院に立候補すべきです。国会において地方議員の経験はまったく無駄どころか、マイナスでしかありません。地方議員としてやりたい、という人は、まずは足もとを見つめ、日々の生活を改善することから始めなければならない。今の日本には余裕がないのですが、いずれにせよ、物事を投げ出さない、粘り強い人にしかできない仕事だと考えます。








