安倍晋三首相(自民党総裁)は2014年12月1日(月)の第47回衆院選公示前日の日本記者クラブ主催の党首討論会で、年金のマクロ経済スライドを発動させる考えを語りました。
これは党首から党首への質問のコーナー。
「民主党はマニフェストに最低保障年金を盛り込んだ。(自民党と公明党の)平成16年年金改革法(平成16年6月11日法律104号)では、マクロ経済スライドが利いて、給付と負担のバランスが取れる。(民主党マニフェストの)最低保障年金にすると、新たに消費税5%分、(1年間の歳入)12兆円が必要だ」と質問をしました。
これに対して、海江田さんは「(国民年金か、厚生年金かという)働き方によって、年金の受給額が違ってはいけない」と応じました。
平成16年年金改革法の第4条は「この法律による年金の額は、国民の生活水準その他の諸事情に著しい変動が生じた場合には、変動後の諸事情に応じるため、速やかに改定の措置が講ぜられなければならない(略)政府は、少なくとも5年ごとに、(略)財政の現況及び見通しを作成しなければならない(略)財政均衡期間は、財政の現況および見通しが作成される年以降、おおむね100年間とする」
と書かれています。
これがいわゆる「100年安心プラン」とされるものです。前回の2009年前後には発動は見送られました。
2015年から発動するとなると、法律案の提出が必要になります。
すでに、50日前に、厚労省が審議会にその方針を示していました(当ブログ内関連エントリー◎マクロ経済スライド初発動へ国民年金法改正案提出か 100年安心プラン実現に問われる総理の胆力)。
ただ、現在はインフレですので、物価スライドをかけたうえで、マクロ経済スライドを発動すると、名目の年金支給額はプラス(月1000円ぐらい?)になりますが、実質ではマイナスになるとみられます。この場合は、厚生年金受給者よりも、国民年金受給者の困窮感が強まると予想されます。だからといって、発動しないと、公明党と自民党の100年安心プランが最初の10年間で根底から崩れることになります。
首相の発言がどこまで本気か分かりません。ただ、第47回衆院選で論戦になる可能性も浮上してきました。
最低保障年金は民主党マニフェスト2003から概念が入っており、2004から今の名称になっています。民主党マニフェスト2014発表の翌日の菅官房長官記者会見では記者の質問に答える形で発言があったようですが、マニフェスト2014では小さい文字の12ページに「少子高齢化・人口減少、非正規雇用が増加する中で、国民皆年金を堅持し、高齢者の生活保障を確保できるよう、公的年金制度の一元化、最低保障年金の創設に向け年金制度改革の実現をめざします」とあります。今回はカラーページなどでのハイライト(強調)はなく、「継続」しているという雰囲気です。
安倍首相は、ことし2月17日の衆議院予算委員会や、3月20日の参議院予算委員会でマクロ経済スライドに言及しましたが、発動を明言した発言は、きょうが初めてだろう、と思われます。








