日米マレーシアなど環太平洋12か国の自由貿易条約「TPP」=大筋合意、来月にも署名か=の関連法案第一号は、どうやら財務省になりそうな気配です。
ほぼ毎年3月31日に成立する関税定率法(明治43年法律54号)=リンク先は国立国会図書館の日本法令データベースの法律沿革の情報=の暫定措置を定めた別法律の改正法案を、政府が、早ければ第190回通常国会(今週召集)に提出する見通しとなりました。
TPP条約(案)の第3章は「原産地の証明やその手続きのルール」を定めています。とくに、第3章では、その第27項で、「輸入品の情報に関する要求や、税関が証明のために輸入国を訪問する手続きを盛り込んでいます」。
2016年1月6日付日経新聞4面の報道などによると、日本とマレーシア、日本とインドネシア(大統領が13カ国目としての参加意思を表明)との二国間自由貿易条約では、日本税関職員の原産地証明には「相手国政府の同意をとったうえで相手国の生産者や輸出業者に立ち入り調査する、という条項があるようです。ただ、実務上は、数カ月の期間がかかることもあったようです。
上記日経報道の例示では、「例えば、TPPに参加していない中国で製造したTシャツをTPP参加国のベトナムで製造したことにして日本に仕入れれば最大10・9%かかるはずの関税がゼロになる」とのケースが示されています。
このようにTPP発効後は、今まで以上に原産地の確認の必要性が高まることになります。
「関税暫定措置法」=リンク先は政府のウェブサイト=の第8条などには、オーストラリア、ニュージーランドなどを原産地とする輸入への特恵関税を定めています。これ以外のTPP12か国も加えるといった技術的な改正条項が入る、ということなのかなと、私は推測しています。
例年日切れ法案として3月中に処理されることが多いことから、今週暫定日本語仮訳を政府が発表したTPPの発効を見越しての国内実施法律第1号ということになるかもしれません。
一つ付け加えると、「TPPで日本の国民皆保険が壊れる」という噂が出回っています。私が英語全文を読む限り、どう考えてもそういうことはないと考えます。インターネット上でそういう情報を流している政治家、ジャーナリストに対して、そもそも英語版を読んだのかたずねていただきたいし、さもなければ信用しないことをおススメします。
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