寺田逸郎・最高裁長官が、先週末、8日、定年退職。大谷直人長官がきのう、平成30年2018年1月9日(火)に就任しました。これにあわせたのでしょうが、サイボウズ社の青野慶久社長ら4名が、作花知志弁護士とともに、外国人には選択的夫婦別氏(選択的夫婦別姓)を認めた戸籍法が、憲法違反(違憲)だとして、東京地裁に訴えました。
最も政治的な長官だった寺田時代に、平成27年12月16日(水)の大法廷判決「平成26年(オ)第1023号 損害賠償請求事件 平成27年12月16日 大法廷判決」で、現行民法を合憲だとされました。この日の最高裁は、相続での婚外子差別を書き込んだ、当時の民法900条第4項を違憲だとしており、違憲と合憲をセットにした、世襲長官で法務省に民事局長として出向したこともある寺田時代でも最も政治的な一日となりました。
寺田長官の定年をねらったのでしょうが、今度は戸籍法が違憲だと提訴しました。またこの日は、宮崎裕子判事が就任し、旧姓使用を記者会見で宣言しました。青野訴訟では「日本人と外国人の結婚では夫婦で別の性を選べるのに、日本人同士の結婚で別姓を選べないのは違憲だ」としているようです(朝日朝刊)。
戸籍法を読むと、その第6条で、戸籍は本籍を置く市町村の区域内の夫婦及び氏を同じくする子ごとに編製する、とあります。後段では、外国人と婚姻をした者又は配偶者がない者について新たに戸籍を編製するときは、その者及びこれと氏を同じくする子ごとに、これを編製する、とあります。他の条項もあるのでしょうが、外国人は婚姻時に、氏を選べるということになりそうです。
平成27年判決では、婚外子訴訟では嫡出児と婚外子の差別が憲法14条法の下の平等違反。夫婦別姓では、夫と妻の差別(妻ばかりとは限らない)は合憲となったわけです。今回は、日本人と外国人の差別(逆差別?)が法の下の平等に反すると訴える作戦のようです。
ただ、違憲となった場合の、立法事実としても、戸籍法の改正としては、夫婦が別々に戸籍を持つことができる、ということになりかねません。青野社長をはじめとする考え方は、選択的夫婦別姓ですから、仮に数年内に違憲だとする決定が出ても、家族法そのものの在り方が国会で問われることになります。
なので、選択的夫婦別氏は、法務省内で議論され、戸籍法の改正もマイナンバーに関して法務省内で有識者を交えて議論されていますが、国会内での議論で、法改正に結びつくまでは、まだ数年ないしそれ以上の時間がかかりそうです。
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(C)2018年、宮崎信行。
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