
野上耕太郎農相は、きょう令和3年2021年1月19日(火)の定例閣議後記者会見で、現在の農林水産事務次官らが、当時の生産局長や生産局畜産部長と、吉川貴盛農相=昨年末議員辞職=や「アキタフーズ」代表との会食に参加していたと発表しました。事務次官らは「政治家の負担だと認識していた」と語っていることを明らかにしました。人事院庁舎近くの国家公務員倫理審査会に連絡したようです。
このニュースサイトでは、先月8日付で「農林水産省、吉川貴盛元大臣の500万円から風向き変わる西川公也内閣官房参与ら豪華クルーズ船に現役官僚も乗船か、「国際機関への意見に反映」アキタフーズ社」との見出しで報じました。「豪華クルーズ船に現役官僚も乗船か」は正直詰め切れていませんが、西川参与辞任・元職としての衆院選出馬断念と、吉川氏の議員辞職と補選の後継不出馬を道連が決定とあわただしく動いた中で、大筋で正しい報道が出来ていたようです。
そして、先月21日の令和3年度予算案で、農林水産省が9月の概算要求で求めた「畜産局の格上げ」の組織・定員要求が財務省主計局に認められました。
これは「農林水産省畜産局」が復活するもの。「生産局」が「農産局」に名称が変わり、2局が合併して「輸出・国際局」となり、大臣官房に1つの部「新事業・食品産業部」ができる、3局1部の新設です。が、局部の数は変わりませんので畜産行政の格上げということになります。1978年から22年間存在し、橋本行革で部に格下げされ、それから20年ぶりに「農林水産省畜産局」が復活することになります。これに大きく冷や水が浴びせられている格好です。
野党・立憲民主党の安住淳国会対策委員長は先週末の囲み取材で「畜産局を格上げしたいみたいなことを農水省は思っているようだけど、畜産関係予算の構造的な問題というものまでメスを入れないといけない。特定の機構にお金が行って、そこからどのように使われているか、本当に不透明だから」とし、きのうからの通常国会で問題視するかまえを示しました。特定の機構には、鶏卵の価格安定のために、税金とは別に民間の関係会社が負担している「保険料」について、農水省の「みかじめ料」のようなものに感じる業者も多く、畜産部以外の分野でも不満を感じている当事者も多いでしょう。「猫の目行政」と揶揄され数少ない当事者の中での独特の政策変更が相次ぐ農水省ですので、世論へのインパクトは限定的ですが、第2次安倍政権では、西川公也さん、山本有二さんら農相経験者の小選挙区での落選が相次いでいます。
「畜産局」の発足は動かないでしょうし、倫理審査会でも大きな処分はないでしょうが、省幹部が族議員に取り入って事務次官になるというルートが、菅義偉内閣の内閣人事局全盛時代でも、ポテンヒットのように残る農水省の改革の好機かもしれません。
但し、毎年の新しい耕作放棄地は農地の1%程度しか出ておらず、戦後農政の諸課題の多くが解決された、優秀な時代に農水省がいることは強調しておきたいところです。
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