鳥取前知事「道路より教育におカネを」文藝春秋で強調


 あす(10日)発売の「文藝春秋 2008年6月号」で、鳥取県前知事の片山善博さんが、「道路を作る予算で子供の学力低下を食い止めよ 道路国家より教育立国を」という9頁に及ぶ論文を寄せています。

 片山さんは「現下の日本において、いったい教育と道路のどちらが大切なのだろうか。」との書き出しで、「今回のガソリン税暫定税率問題をめぐる政府や国会議員、そして地方自治体の発言を聞いていて、この国には教育より道路が重要だと考える人間がいかに多いか、改めてわかった」との感想を書いています。

 片山さんは鳥取知事や自治省官僚としての経験をふまえ、「実際のところは道路に関する予算が固まった後に、どこに道路を作るかを決めている状態である」と暴露しています。

 これが「どう見てもムダとしか思えない道路ができてしまう」結果を招いているうえで、自民党政府が作成した10年間の道路財源について「65兆円が突然59兆円に減らせるのなら、もっともっと減らせるのではないか」との考えをしめしています。

 「一般財源化には私も大賛成である」としたうえで、「本来ならば、自治体が使うお金は自治体自身が何に使うかを決めるべき」「道路特定財源のようなお金は使い勝手が悪い」と知事8年の経験を披露しました。

 9年前、鳥取県知事に就任したときに、「自治体の行政の中で何が一番重要かと考え、それは“モノづくり”ではなく、“人づくり”だと思い至った」としています。

 ちょうど、きょうの参院財政金融委員会で、鳥取選挙区選出の田村耕太郎さん(自民党)が「鳥取にはまだまだ道路が必要だ」と熱く語っていましたが、鳥取県内でも考え方の違いがあるようですね。

 鳥取県知事として

 少人数学級の導入→教員を増やす→教員の給与をおよそ5%カット

 という施策を「おおむね納得してくれた」が、「こんな理不尽な制度はおかしい」として、義務教育費などの教育に関する予算を柔軟な制度にしたうえで増額してほしいと要望しています。

 片山さんは教員に会うと「忙殺されすぎ」だと感じているそうで、教員の人件費拡充の必要性を訴え、「いまこそ、自ら考え、自ら判断する、自立した人材が必要」との考えを「現代版学問のすすめ」として主張しています。

 これを考えると、道路財源の10年間で59兆円というのは、高すぎるなあ、と感じます。片山さんの文章は読み応えのある面白い記事だと思いました。

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