かんぽの宿71軒のオリックスへの一括譲渡に関してですが、私は世論と少し違う認識を持っています。
「かんぽ」(簡易保険)は、小回りの利く郵便局員(国家公務員・特別職)が、営業していました。民間の生命保険商品と比べて、保険料が安く、収入が不安定だったり、低かったりする人でも入れました。
その人気ぶりは、その保険料収入で郵政省が「かんぽの宿」を71軒も作れたことが証明しています。
ではなぜ「かんぽ」は気軽入れたのか。それは「かんぽ」は絶対に潰れないから。政府がかんぽを保証しているのだから、潰れるわけがありませんでした。
西川善文・日本郵政社長は自著(インタビュー形式による書き起こし)の「挑戦-日本郵政が目指すもの」(幻冬舎新書)の109頁で次のように述べています。
(引用はじめ)
私たちに対する批判では、もう一つ、「暗黙の政府保証」ということが言われています。郵貯・簡保には暗黙の政府保証があるから、民間金融機関と対等な競争にならないということのようです。
しかし、この「暗黙の政府保証」ということ自体、実体がないものです。
民営化後は政府保証はすべてなくなります。定期性の貯金ならび簡保についての9月30日までの既存契約は「独立行政法人郵便貯金・簡易生命保険管理機構」へと移管されます。実務的な運用・管理業務は、新たにできる「ゆうちょ銀行」ならびに「かんぽ生命保険」に委託されます。この部分については、政府保証が続きます。
(引用おわり)
このように、かんぽ(簡易保険)には政府保証があったことを認めています。意図的に回りくどい言い回しをしていますが、間違いなく政府保証の存在を認めています。
私たちの税金に支えられた「政府」が保証した「絶対につぶれない保険商品」で集めたお金で作った「かんぽの宿」をオリックス不動産へ売却するというのが、今回の契約だ、と私は認識しています。
そして、入札における重大な問題。71軒をまとめて引き取るのですから、入札への資金繰りのハードルが極めて高くなります。
しかし、オリックスにとって、そのハードルは低いです。簡単な理由です。
オリックスは金融業者だからです。オリックスは関東財務局登録貸付業者で、登録番号は関東財務局長 (8) 00152。
オリックスの商品はお金(マネー)。食品スーパーの社長が飢えないのと理屈は同じ。オリックスが自分に融資するわけにはいきませんから、別会社の「オリックス不動産」にやらせている。オリックス不動産はオリックスの100%子会社です。
そうなると、この問題の本質は僕には、
住友バンクの頭取だったゼンブンが、三和系の宮内会長に、政府の財産を横流ししている構図にしかみえません。
「郵便貯金は民業圧迫だ」と批判していた元全銀協会長が、「ムラ」の友人に対して、“協同組合”の財産を理事会の決議も経ないで安く売ったという行為に過ぎないのではないか。
私はそう思います。
輿論(世論)の形成に若干のお役に立てればと思い、書きました。






