ひとつひとつ、乗り越えていく。玄葉光一郎外相、日米地位協定の刑事裁判権の運用で前進

  • 2011-11-28
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[写真]玄葉光一郎外相とクリントン国務長官、2011年11月11日、ハワイ、外務省ホームページから。

 玄葉光一郎外相(衆院福島3区)は2011年11月24日、日米地位協定の運用の見直しで、日米政府が合意したと発表しました。

 日米安保条約日米地位協定という書き方しかされませんが、実際には、「日米相互協力および安全保障条約」であり、その第6条に基づき「(在日米軍の)施設および区域ならびに日本における米国軍隊の地位に関する協定」です。いわば、法律と政令のような組み合わせになっています。

 私もていねいに読んでみたら、日米地位協定の第17条に刑事裁判権の規定があります。このなかで、1の(b)に「日本国の当局は、合衆国軍隊の構成員および軍属ならびにそれらの家族に対し、日本国の領域内で犯す罪で日本国の法令によって罰することができるものについて、裁判権を有する」となっています。

 今回の運用見直しにつながった、ひき逃げ事件は当然にして、日本の領域内で犯した罪です。

 しかし、第17条の3に「裁判権を行使する権利が競合する場合には、次の規定が適用される」(a)「合衆国の軍当局は、次の罪については、合衆国軍隊の構成員または軍属に対して裁判権を行使する第1次の権利を有する」()公務執行中の作為または不作為から生ずる罪」とあります。すなわち、今回は基地から家に帰る途中なので「公務執行中」であり、「軍属に対して」「合衆国の軍当局」が「裁判権を行使する」ことの「第1次の権利を有する」ことになります。しかし、第1次の権利を持つ、ということですから、今回はアメリカがこれを放棄し、日本の検察・裁判所が裁判権を持ったという意味なのだと思います。

 玄葉外相は26日(土)、沖縄県を訪れ、仲井眞弘多知事と会いました。仲井眞さんは「県民の中には地位協定の抜本的な改定という要求が強くある」としながらも、「一歩一歩解決していただくのは大変ありがたい」と述べました。

 それにしても、上の日米地位協定、「()」という記号どうやって打つのかなと思ったら、ワープロで案外と簡単に変換できるものですね。

 ところで、日米安保条約の前文をみなさんは読まれたことがあるでしょうが。私もこの機会に初めて読みました。日本とアメリカという空間軸、50年間の平和と繁栄という時間軸を大きく感じさせる物でした。

 日米相互協力および安全保障条約

 日本国及びアメリカ合衆国は、
 両国の間に伝統的に存在する平和及び友好の関係を強化し、並びに民主主義の諸原則、個人の自由及び法の支配を擁護することを希望し、
 また、両国の間の一層緊密な経済的協力を促進し、並びにそれぞれの国における経済的安定及び福祉の条件を助長することを希望し、
 国際連合憲章の目的及び原則に対する信念並びにすべての国民及びすべての政府とともに平和のうちに生きようとする願望を再確認し、
 両国が国際連合憲章に定める個別的又は集団的自衛の固有の権利を有していることを確認し、
 両国が極東における国際の平和及び安全の維持に共通の関心を有することを考慮し、
 相互協力及び安全保障条約を締結することを決意し、
 よって、次のとおり協定する。

 これが日米相互協力および安全保障条約の前文です。

 まあ、何か押しつけ憲法といわれる日本国憲法前文と似ています。憲法制定の1946年から14年後の1960年発効の二国間条約ですので、日本語はこなれています。

 TPP(環太平洋パートナーシップ条約)の交渉の事前協議に野田政権は参加しています。それは太平洋を隔てた永遠の隣国であるアメリカと日本の一層緊密な経済的協力を促進し、経済的安定や少子高齢化に悩むわが国の福祉の助長につながります。例えば、日米同盟(日米安保条約)がなくて、わが国のバブル経済がありえたはずがありません。そのころ、日米では日米構造協議がありました。これは、Structure Impedement Initiative であり、日本語に翻訳するなら、「日米構造障壁協議」とすべきですが、「日米構造協議」となっています。おそらく当時の通商産業省がそう訳したのでしょう。しかし、今はそのようなごまかしは利きませんから、TPPに関しては国民的な議論が必要な情報を公開しないといけません。またオールジャパンで人材を活用しないといけないです。

 わが国は幕末から不平等条約に悩まされてきました。しかし、日米安全保障条約はわが国ないし極東の有事の際に米軍が平和を維持するのに対して、アメリカの有事において自衛隊の義務づけがない、わが国にとって有利な不平等条約、片務協定、片肺同盟です。日本列島の防共の砦、太平洋の防波堤としてのプレゼンスは薄くなりました。しかし、太平洋をこれからも世界でイチバン平和で豊饒の海にしていくためには、変わるときは変わらないといけません。つまり、何事も程度問題です。TPPに関しては、JA全農がハチマキをしめたのが運動論としていけなかったという指摘があります。そして、TPPに参加する政治家は、やはり政治とカネの問題がない、国民が安心して委託できる政治家ではないといけないでしょう。その点では、日本の伝統的な名家である、造り酒屋の息子である玄葉さんは適任者だと考えます。それにしても、ミッションスクール卒業生の外相が初めてとは驚きです。内田康哉外相が同志社で英語を学んだようですが、東京帝大卒です。日本が今までいかに人材の配置が下手な国だったか。それが政権交代で改善され、反動はあるかも知れませんが、2大政党間での政権交代を繰り返すことで、スピード感のある人材活用ができるようになるでしょう。

 2011年11月27日の大阪府知事選で松井一郎さん、大阪市長選で橋下徹(はしもと・とおる)さんが当選しました。ともに40歳代で、おととし末に「大阪維新の会」を結党した3人のメンバーだそうです。もう1人は大阪府議会議長だそうです。大阪市長は57歳ぐらいがこれまでの最年少だったそうなので、42歳の橋下さんは当然最年少市長。府知事と市長が40歳代コンビになったのは初めてでしょう。これは、インターネットの登場により、傑出したリーダーが自らの政治理念を「説得」し、構図を設定することで、既存の各種団体の総攻撃に勝ったものでしょう。日本では、バブル崩壊とテレビの影響などの社会化で、地方経済が停滞していますが、大阪経済は死んでいます。ここまで追い込まれなければ、橋下さんのような傑出したリーダシップが各種団体の猛攻に勝てなかったのでしょう。大阪都構想の統合検討本部(松井本部長、橋下副本部長)ができるそうですから、「国と地方の協議の場」のほかに、「国と維新の協議の場」を設けて、地方自治法改正案ではなくて、大阪都構想特別措置法案を民公自3党合意で、第45期衆議院に提出し、成立させるのが賢明でしょう。そして、各種団体の会合でスピーチすることが日常活動であり、小選挙区に勝つ方法だと勘違いしている民主党の1期生はどうにかならないものでしょうか。私には各種団体の会合でスピーチすると小選挙区に勝てるという論法がまったく理解できない。きょうの朝日新聞で、渡邉恒雄・読売新聞主筆も「1党の人数は280人~300人が限界」と述べています。衆院小選挙区比例代表連用制(比例80人削減)、参院を11ブロック大選挙区1票連記制にして定数42人削減すると、そのくらいが政権党としてもちょうどよくなります。何事も程度問題です。良い塩梅が繁栄につながります。きょうから会期末(12月9日金曜日)の前週のスタートです。すなわち仕上げる法案を仕分けなければいかません。メドがついている復興財源確保法案など第3次補正予算関連5法案、復興特区設置法案。そして、未提出の衆議院選挙区区割り画定審議会設置法改正案(1人1枠方式の廃止)までで限界でしょう。

 民主党本部が模様替えしました。

 ご覧のように、会見台の後ろに「ひとつひとつ、乗り越えていく。」という野田佳彦首相のポスターが張られるようになりました。

 

 今回の日米地位協定の運用の見直しもその一つです。

 ひとつひとつ、乗り越えていく。

asahi.com(朝日新聞社):地位協定の運用見直しを評価 沖縄知事、玄葉外相と会談 – 政治

玄葉光一郎外相は26日、沖縄県庁で仲井真弘多知事と会談した。玄葉外相は、在日米軍に勤務する民間米国人(米軍属)の公務中の犯罪で日本が裁判権を行使できるよう日米地位協定の運用を見直したことを説明。仲井真知事は「感謝する」と歓迎した。

 会談では、仲井真知事が「県民の中には地位協定の抜本的な改定という要求が強くある」と指摘。そのうえで、今回の運用見直しに「一歩一歩解決していただくのは大変ありがたい」と評価した。玄葉外相は「これからも事件事故、環境騒音の問題で全力を尽くしたい」と伝えた。

地位協定改定訴え 支援団体「米兵、軍属、日本で裁判を」 – 琉球新報 – 沖縄の新聞、地域のニュース

 今年1月に沖縄市で交通事故を起こし、男性(19)を死亡させた米軍属、ルーフェイス・ラムジー被告(24)が、事故から10カ月過ぎて在宅起訴された。息子を失った一人の母親の怒り、悲しみが世論、日米政府を動かした結果の起訴。支援者は「ほっとした」と一定の評価をしたものの、「抜本的な解決はされていない」と運用改善でなく日米地位協定の改定をあらためて求めた。
 起訴を受けて支援団体は25日午前、県庁で会見を開いた。男性の母親は「一応はほっとした。しかし公務中であろうが公務外の事件であろうが、日本国内での米兵、軍属の裁判は当然日本の裁判所で裁くよう、地位協定を変えていかなければならない」というコメントを池宮城紀夫弁護士を通して発表した。池宮城弁護士によると母親は日がたつにつれ、悲しみが深くなり夜眠れない日もあるという。
  男性の高校の同級生で、支援団体共同代表(21)は「起訴になったことは良かったが、これは本当は当たり前のこと。日本政府の動きが遅い。10カ月何をやっていたんだ」と怒りをぶつけた。
  支える会には過去に米軍絡みの事故で家族を失った人も。1950年ごろ、父親を米軍車両の事故で亡くした女性(75)=北谷町=は「復帰して40年たとうとしているのに、いまだにこんなことが起こる。この間、泣き寝入りしてきた人は多い。不平等な地位協定を改定してほしい」と訴えた。
  支援団体は地位協定改定を求める署名活動を展開。現在までに6万2千筆が集まっており、来月上旬ごろ国に届ける予定。団体事務局長は「主権国家として自国民を守る立場をしっかり持ってほしい」と話した。

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