なぜ?国民新党が「2対6」でも亀井さんが勝つホントウの理由とは?

  • 2012-4-5
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小沢グループの党役職辞任届29人はうち、参院議員はわずか2人だった]

 小沢グループが集団で党役職の辞表を出しています。鈴木克昌・幹事長代理(衆院愛知14区=豊川市蒲郡市など)が2012年4月2日(月)の定例役員会の後に、29人の辞表を提出しました。なぜ役員会中ではなく、役員会後なのかよく分かりません。英国与党では、補選敗北の直後に、1人が辞表を出し、すぐに「誰々さんの行動に共鳴した」として2、3人が辞表を出し、もうしばらくして「私も賛同だ」とさみだれ式に続いていきます。その過程で執行部や世論の反応を見ることができます。まあ、そうはいっても、ある程度シナリオがあるんでしょうが。その点、小沢グループは29人同時ということで、「安売り」の感が否めません。

 その29人のうち、「ねじれ」で一人の欠けも許されない、参院議員はわずか2人だけだったことが分かりました。5日付読売新聞が一覧表(事務所確認を含む)を載せました。これに先だって辞表を出した三宅雪子さん(群馬4区=高崎など=比例復活)を含めた30人のうち、参院議員は中村哲治・政調副会長(奈良選挙区、来夏改選)と友近聡朗政調会長補佐(愛媛選挙区、来夏改選、当選時は無所属)の2人。

 文科副大臣を辞任した森裕子さん(新潟選挙区、来夏改選)、総務政務官を辞任した主浜了さん(岩手選挙区、2016年改選)と中村氏、友近さんの合計4人が仮に離党すると、参院会派「民主党・新緑風会」は100人(議長除く)ちょうどになります。これに国民新党自見庄三郎さん、森田高さん、浜田和幸さんの3人。これに公明党の19人が加わると、過半数「122」になり、ギリギリ土俵際で踏みとどまっています。

 今週の参院予算委員会のテレビ入り集中審議では、月曜日の午前9時から、小沢政治塾出身の大久保潔重さん、非小沢グループ民社協会)ながら増税反対・リフレーション派の金子洋一さん。水曜日は小沢・鳩山系の植松恵美子さんが登場しました。「民主党・新緑風会お得意の、非主流派、来年1人区で改選を迎える大久保さん・植松さんらをテレビ入り質疑に起用することで、不満を抑え込む輿石流「心合わせ」が功を奏したようです。

 衆院比例単独議員35人のうち、辞表を出したのは、笠原多見子・政調副会長(比例東海単独、事務所は岐阜市)、大山昌宏・広報副委員長(比例東海単独、事務所は豊川市)、石井章・企業団体対策副委員長(比例北関東単独、事務所は取手市)の3人にとどまりました。この3人は、地元に有力な小選挙区現職がいます。一方、小沢グループの会合に出席する傾向が強かった比例単独の他の議員が辞表を出さなかったのは、「造反組の選挙区への刺客」に登録された可能性があります。

[なぜ国民新党は「亀井系2人vs下地・自見系6人」なのに、亀井系が強いのか]

 民主党分裂より先に国民新党が分裂しました。最近の政治記者は国会・法案中心となっています。4月1日付で、小沢番記者が意に反して大阪支社橋下番記者に「栄転」する人事がありました。この会社は東京創業で主筆らが議論を集約し、消費増税を社論としています。政局デスク、政局記者は震災後日本、ねじれ国会で冬の時代を迎えています。

 政治資金収支報告書によると、国民新党の代表者は亀井静香さん、会計責任者は党本部事務局長の非議員・党職員が務めています。私は下地幹郎幹事長と思いましたが、違いました。「代表者と会計責任者」については、自民党谷垣禎一総裁と石原伸晃幹事長、公明党山口那津男代表と井上義久幹事長になっています。民主党は代表(首相)と財務委員長(国会議員)です。 

 4月20日(金)に新年度最初の政党助成金が振り込まれます。政治資金収支報告書は変な制度で、毎年会計責任者のサインと捺印が必要ですが、代表者は解散のときだけサインすればいい「政治家お手盛り」の制度になっています。このため、亀井さんは4月20日に政党助成金が入った後、ゴールデンウィーク前後で、政党名を変更することで「新党設立」ができます。亀井さんと党事務局長のサインだけでいいので、下地幹事長が反対しても国民新党は亀井さんの意のままになります。

 その受け皿政党に石原慎太郎さん、小沢一郎さんに入党してもらうことが可能です。しかしなんと言っても、政治団体大阪維新の会」(橋下徹代表)です。 維新の会は現状では政党ではなく政治団体なので、第46回衆院選に立候補しても新聞では基本的に「諸派・新人」と幸福実現党などと同じ扱いになります。さらに比例重複ができないので、小選挙区比例代表名簿には別々になります。またブロック定数の2割以上の候補者が要件になります。例えば、東海ブロック(比例定数21)は5人以上の比例単独候補を立てなければなりません。また単独名簿ですから初めから順位が振られます。このとき「東海で名簿5位」でも、雇用難が幸いして候補者はいるでしょうが、供託金(比例代表単独は600万円)は誰が負担するんでしょうか。それを考えると、維新の会は総選挙前までに「政党」に合併する可能性が高いと思われます。石原慎太郎さんは仮称で、「日本維新の党」という政党名を提案しているのは、その証左でしょう。

 国民新党の連立残留派の衆参6人は、民主党現職・新人と選挙区でのバッティングがありません。ですから、「党分割」に失敗しても、民主党入党という手があります。ただし、自見庄三郎参院議員(全国比例、来夏改選)は国民新党の名簿で当選しており、今の任期中は時間的に前に結党された民主党に入れません。自見さんは以前、旧会派「民主党・新緑風会・国民新・日本」に属していました。自見さんは無所属・統一会派で大臣を続けてもらいましょう。そして、来夏の参院選民主党公認の全国比例候補として、自見後援会、あるいは、日本医師会の一部地方組織の応援を受ければ、他の現職とバッティングしません。

 このように国民新党が「2人vs6人」になりながら、「2人」が勝ちそうなのはこういう背景があります。ただまあ、世論はうんざりという感じで、新聞社も法案、国会、選挙ができる記者を育てないといけないです。政治部デスクは、これからでもいいですから、当番中に衆議院参議院インターネット審議中継を見るようにすると、国会議事堂廊下、議員宿舎で聞いた話が「ああこれか」と分かるようになり対応できるのではないでしょうか。衆院外務委員会(田中真紀子委員長)が第180通常国会で一度も開かれてないという記事が出たのは評価します。ただ、政権交代後の第173臨時・第174通常国会でも衆院経済産業委員会が開かれない事態が続いていました。これは塩崎恭久・野党側筆頭理事の攻勢でしたが、全く記事になりませんでした。その後昨年の通常国会では「再生可能自然エネルギーの特別措置法案」をめぐって菅直人首相の「辞任3条件」の主戦場となりました。

 さて、きょうはようやく平成24年度本予算が成立する見通し。暫定予算は明日まで組んでありますが、きょう中成立と見られます。参院で否決された後、両院協議会で成案を見なければ、衆院本会議で横路孝弘議長が予算成立を宣言します。この間、両院協議会協議委員(各院とも10人ずつ)を選挙する本会議も衆参で開かれます。両院協議会後に協議委員の報告も衆参本会議であります。衆院本会議で予算成立を宣言した後、参院本会議は休憩のまま散会することになるでしょう。長い一日になります。ただし、ホントウは両院協議会でじっくり予算の手直しを数日間かけてやって協議案をつくり全会一致で手直しをするようでないと、一院制で十分ということになります。憲法改正よりまずは、今の制度のなかで、両院協議会を少しずつ変えていきましょう。両院協議会のインターネット中継も必要です。

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