
副総理の岡田克也さんは2012年5月21日(月)行政刷新会議(野田佳彦議長)の「規制・制度改革に関する分科会」を「力強く進めるためにバージョンアップ」して、「規制・制度改革委員会」(岡素之委員長)を設置しました。地方自治法などに設置根拠がある「農業委員会」や、農協法や農林中央金庫法などに基づく「JA全農(農業協同組合、農協)」やJAバンクの存在そのものを含めた改革を視野にみすえて、5月31日に農業ワーキングチームを設置しました。「規制」とはすなわち「法律と政令・省令」のことです。農業委員会などは存在そのものが「規制」(法律と政令・省令)ですから、その存在そのものが「仕分け」の対象になると考えられます。国民の意見を集約して、政治を国民の手に取り戻す、政権交代ある二大政党政治の醍醐味といえるでしょう。
ちなみに、「規制・制度改革委員会設置」「農業ワーキングチーム設置」は日経新聞がベタ記事で報じただけで、他の新聞には載っていないようです。
規制・制度改革委員会は、「農業委員会、JA、農業生産法人」をテーマにするほか、今後は「医療の自由診療と混合診療」もテーマにする方針。まずは社会保障と税の一体改革を実現して、年金の最低保障機能を強化し、子育て世代の負担を軽減。そのうえで、「ちょっと乱暴な副総理」として自民党政権の支持基盤に切り込み、農家や患者にやさしい、「岡田克也流やさしい新自由主義」がさあいよいよ幕が開けます。
日本再生のためには、例え狭い道でも、前に進むしかありません。私も全力で、まっすぐにひたむきに、追いかけていきます。
今後は農業生産法人をやりやすくすることで、高齢の農家が農地を宅地に変えずに、農地のまま農業生産法人に託し、JAローンを肩代わりしてもらったり、毎月賃料を受けながら先祖代々の田畑を残すことが可能になるような改革を目指している、と私は考えています。もともと直接支払いは岡田克也さんのマニフェストから登場した政策。小沢一郎代表により「農業者戸別所得補償」に改称しましたが、直接支払いを下支えにして、集荷業としてのJAなどの権限(規制)を和らげ、「平成の農民解放(農地解放)」を実現したい考えだろうと忖度しています。
JAバンクも80兆円の貯金を元にした資材融資や住宅ローン、営農ローンのほか、農業共済・医療共済が生き物として回っていますから、廃止するわけにはいきませんが、今のままで良いというわけではありません。ユニバーサル・サービスのゆうちょ銀行が農業融資に参入するなどの競争、すなわち機会の均等、すなわち自由が必要です。
規制・制度改革委員会の事務局は、副総理室がある首相官邸ではなく、行政刷新大臣室がある内閣府別館に設置しました。行政刷新会議事務局と自らの大臣室に隣接したフロアに規制・制度改革委員会の事務局室を設けました。機能の集約で、心を一つにスピードアップし、残り1年となった衆院任期中に規制改革を進める考え。
内閣府は部署ごとに建物が分かれており「たこの八ちゃん」と揶揄されてきました。2000年の橋本行革で内閣府が発足して以来、政治家本人の命令で、事務局と庁舎の模様替えが実施されたのは初めての可能性が高く、真の政治主導が始まった可能性があります。
岡田さんは5月22日(火)の記者会見で「この新たな委員会の事務局について、行政刷新会議事務局と現在離れた場所にありますので、同じ庁舎内に集約をするということを決め、昨日から新たな執務室で業務を開始したところでございます。その関係で、皆さんにはこちらに会見の場所を変わっていただいたということでございます」と述べました。
TPP(トランス・パシフィック・パートナーシップ)との関係については「TPPに直接関係はありません」と断言。そのうえで、「しかし、今、日本の農業について、より生産性を高める。あるいは競争条件を整備すると、そういった問題意識で取り組んでいるところでございます」と答えました。
岡田さんは昨年8月4日の記者会見で当ブログの「パナソニックがサンヨーの白物家電部門をハイアールに売却するとか、トヨタが関東自動車工場を完全子会社化するといった話があります。わが国ではそれぞれの業種で有力企業の数が他国に比べて多いとされており、事業再編・企業再編が必要だとされているが、どのようにお考えでしょうか」との質問に次のように答えています。
「それは企業の話ですので、あまり政治のレベルでどうこう言うことではないと思います。ただ、国際的に見れば、やはり企業の数はそういった自動車・電機はじめ多いのは事実で、ある程度の集約化は避けられないのではないかと思います。見通しの問題としてですね。そういうときに、ただ単に足し合わせるだけではなくて、一定の集約化がなされなければ、これは厳しい国際競争を勝ち抜くための再編の意味がありませんから、「1+1」が2になるのではなくて、「1+1」が1.5とか1.7になることによって競争力がかえって増すと、そういう再編・集約が望ましいのではないかと思います。サンヨーの件も、そういう観点で私はよく理解できるところであります」
「1+1」が1.5や1.7になるというのは、固定費の圧縮を意味しており、固定費の主要な部分は人件費です。このやりとりでも明らかなように岡田さんは新自由主義的な経済観を強く持っていると考えられます。しかし、「あまり政治のレベルでどうこう言うことではない」とも述べており、企業の戦略そのものに政府があまりタッチすべきではないという岡田流新しい自由主義にも思えます。岡田さんは政治キャリアを衆院厚生委員から振り出しにしたことから明らかなように、、年金を初めとする社会保障の最低保障機能の強化に取り組んでおり、現在、社会保障と税の一体改革法成立に全力を尽くしているのはご存じの通りです。いわば、社会的公正を重視する「社会自由主義」に近いのかもしれません。まあ、学術的なことは私、分かりませんので、「岡田流やさしい自由主義」「あたらしい自由主義」で日本再生、という表現にさせていただきます。
信なくば立たず。自民党政権での規制改革委員長を務めたオリックスの宮内義彦社長・会長は、電力自由化を実現すると同時に、自らの会社が応札するという暴挙を犯しました。第166通常国会の2007年3月5日の参院予算委員会で渡辺喜美・内閣府規制改革担当大臣(当時は自民党)は、次のように答弁し、宮内義彦さんを批判しています。
「これは規制改革というのは一体だれのためにやるのかと、それは国民のためにやるんですよ。規制改革が一部業界のためとか、そんなことで行われるわけじゃないんです。したがって、委員の方々はそれだけ高い公共心をお持ちのはずなんです。これだけ、これだけ国会で批判を受けて、自分の会社のために、自分の業界のために提案をするような、そんな委員は今はいませんよ。(発言する者あり)前の、先ほど、先ほど御指摘の委員の方、お二人とも今は委員ではございません、ついでながら」。

[写真]小池百合子環境大臣(自民党)主催のクールビズ・ファッションショーで気取る自民党政権の規制緩和委員長、宮内義彦オリックス会長。
このように規制改革を経営者に頼むと、その人が会社の利益に動く可能性があります。岡田さんは住友商事会長の岡素之さんを委員長に選びました。果たして、岡さんは公益のためにやってくれるのでしょうか。私は岡さんという人物をまったく知りません。ただ、岡田さんが選んだんだから、大丈夫かな、という気はしております。

[写真]岡田克也さんの指名で民主党政権で内閣府規制制度改革委員長を務める岡素之・住友商事会長(同社ホームページ)。
日本のこの19年間の経済低迷は、デフレではありません。国力が落ちているのです。そんなこと、分かってるんでしょ、みなさん?
規制とは既得権益者のためにあるのではありません。規制とは、公務員の仕事を増やすためにあるのです。仮に震災前に規制改革が出来ていれば、がれきの処理率が1年間で6%ということはなかったでしょう。私たちは自分の脚で立ち上がって、未来をつくらねばならないのです。
例えば、下の2枚の写真。ともに金子洋一・候補(現参院議員)を応援する岡田さんの姿です。しかし、この写真には大きな違いがあります。左の写真は衆院三重5区の民主党公認法補としての金子さん。右の写真は参院神奈川選挙区の民主党公認候補としての金子さんです。自らが定めた「2回ルール」すなわち小選挙区で2回連続で落選した候補者は次の衆院選で民主党公認候補としないという原理原則を適用して、政治家への道をいったん閉ざされた金子さんが、自ら神奈川県連の公募に応募して、勝ち得た2度目のチャンス。岡田さんはしっかりとその背中を押しています。それが岡田流やさしい自由主義です。
[写真]左は金子洋一さんのブログから、右は筆者撮影。
日本をあきらめない。そのためには、走れる人は走りましょう。走れない人は大丈夫。生活保護や最低保障機能を強化した年金があります。僕らを見守ってください。80年前、日本は関東大震災と大恐慌でじり貧がどか貧になりました。今、私たちはリーマンショックと東日本大震災でじり貧がどか貧になりました。80年前、私たちは国際連盟を脱退し、大東亜共栄圏建設に邁進する暴挙に出て、一度滅びました。今、私たちは国際連合の一員として日米同盟を維持し、TPPの事前交渉に参加しています。
日本をあきらめない。そのためには思い切って国を開かなければいけない。なぜ開かなければならないか。理由は簡単です。開かないと国がつぶれるからです。それだけ。じり貧から抜け出すには、徹底した自由貿易論者である野田佳彦総理、岡田克也副総理を先頭に世界に打って出なければいけません。私たちにはそれができる人材が一定以上そろっています。やさしさ(社会保障と税の一体改革)と新自由主義(規制改革による自由な日本)の両立が必要です。
さあいよいよ、そのときが来ました。さあ勇気を出して。みんな一緒なら、ほら、きっと飛べるよ。攻撃は最大の防御。日本をあきらめない。そのためには、まっすぐに、ひたむきに、思い切って外に出る。日本を前に進めましょう。日本は再生します。絶対に大丈夫です。安心してください。
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