
[写真]菅直人さん、参議院インターネット審議中継からキャプチャ。
複数の報道によると、東京電力福島第一原子力発電所の深刻な事故に関する業務上過失致傷などの容疑を念頭にした刑事事件について、法務省の東京地方検察庁の任意での事情聴取の求めを、菅直人さんが拒否したようです。
しかし、私は菅さんは任意での事情聴取に応じた方がよいと考えます。
たびたび引用していますが、2・26事件のときの首相官邸(現・首相公邸)をめぐる治安の混乱に関する調査。
これについて、一命をとりとめた岡田啓介首相は総選挙勝利直後なのに、内閣総辞職しました。
この後、任意の取り調べに、2月26日、身代わりになった松尾伝蔵・政務秘書官(心得)の遺体のそばで、電燈を消したまま、紋付き袴に着替えたところ、「玄関の方角から人の音がどやどやと近づいてきたので、寝室から出て、廊下に出て、洗面所の壁のところに立っていた」と証言しています。
一方、反乱軍の一等兵・坪井容疑者は「寝室に近づいていくと、暗闇の中に一人の老人が見えたので、誰か?と叫ぶと、その老人は音もなく天井に消えた。それでてっきり、首相の幽霊が出たと思って急に恐ろしくなって逃げた」と陸軍省の軍法会議で話しています。
この陸軍省の軍法会議から回ってきた調書を読んだ、司法省の東京地方検察庁の検察官は、岡田首相の任意の事情聴取の調書と、坪井容疑者の調書が一致しているので、面白がったそうです。(参考文献・岡田啓介回顧録、163~164ページ)。
閉鎖的環境の職場で、2・26事件という永田町の秩序が崩壊した事件を扱うという緊張感のなかで、検察官が大喜びしたというのは、気持ちはわかりますが、ただ、少しかかわりたくない職種だという気もします。
しかし、実は、その生き延びた岡田啓介こそ、同級生の鈴木貫太郎首相のもと、終戦を実現した最大の功労者になったのは、内閣総辞職、任意での事情聴取があったからでしょう。
こういった機能が検察にもあります。だから、菅さんが不気味な検察官の聴取を受けても、最終的に、官邸の人と東電の人の調書の一致や食い違いを丹念に調べていけば、最終的には、東電の勝俣容疑者や清水容疑者、武藤容疑者らの実刑という方向性になるでしょう。

こちらは、1999年9月末日に、地域住民に土下座するJCO社長の姿。このあと、3人の社員が大量被ばくでなくなり、我が国初の原子力発電をめぐる労災死亡者になりました。ちなみに、この日は、参院選補欠選挙の告示日で、羽田雄一郎候補が届け出て、野党の補選では異例の圧勝で初当選した民主党にとって記念すべきスタートの日です。
東電の勝俣会長、清水社長、武藤副社長は土下座をしたでしょうか。既存の原発の安全な再稼働で、日本の産業、民生の安定、秩序回復を図ったうえで、2030年代後半には確実な低コストで自律的なエネルギー供給体制に切り替えていくうえで、勝俣会長、清水社長、武藤副社長を裁判で真相を明らかにしたうえで、刑務所に叩き込む。それが、日本のすべてのスタートです。
2011年3月11日からの、日本でイチバン長い1週間を経験した首相として菅直人さんが任意の事情聴取ですべての体験を話すことは宿命であり、菅さんのこれからの政治人生にかかわることです。
菅さんという男は、総理を辞めた後、どういうわけか、私を見ると、にらむのですが、多少の嘘が混じるのは生まれついての性癖だからしかたないとしても、歴史に対して臆病になるなら、誰のおかげで総理になれたと思っているんだと問いただしたいところです。岡田首相は「反乱軍が500人ほど来ました(実際は2000人)」との部下の第一報を官邸で聞いたときに、「そんなに来てしまったらもうどうにもならないじゃないか」と運命を受け入れました。
菅元首相、原発事故で地検聴取応じず…告発否認(読売新聞) – goo ニュース
東京電力福島第一原発事故の対応を巡り、業務上過失致傷などの容疑で刑事告発されている事故当時の首相で民主党の菅直人・衆院議員(66)に対し、東京地検が12日に任意の事情聴取を要請したことが関係者への取材でわかった。
菅氏側は聴取に応じず、週内にも「事故対応に問題はなかった」などと告発容疑を否認する意見書を提出する意向を伝えた。
関係者によると、聴取に応じない理由は、政府首脳としての災害対応で捜査機関の聴取に応じる前例を作れば、今後の危機対応に悪影響を及ぼす恐れがあるためだという。
地検は、同様の容疑で告発されている元経済産業相の海江田万里・民主党代表(64)と元官房長官の枝野幸男・衆院議員(49)にも同日までに聴取を要請した。2人も容疑を否認するとみられる。
同事故では、原子炉建屋で水素爆発が起こり、建屋周辺で作業にあたっていた東電社員や自衛隊員ら10人以上が重軽傷を負ったほか、周辺住民も 被曝 ( ひばく ) した。告発では、2011年3月11日の東日本大震災直後から、事故対応の指揮を執った菅氏ら3人が対応を誤ったことが事故を招いたと指摘。特に、菅氏が事故翌日に同原発を視察したことが、放射性物質を含む蒸気を放出する「ベント」の作業の遅れにつながった疑いがあるとしている。検察当局は、当時の官邸内部の状況や3人の認識について確認するため、聴取を要請した。
菅氏は自著で、視察前に東電がベントを行うことを了承しており、視察の際もベントを急ぐよう指示したと主張している。意見書でも同様の説明をするとみられる。
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