
野田内閣が衆議院を解散した2012年11月が景気の谷でした。
内閣府の「景気動向指数研究会」。あまりなじみのない名前でしょうが、教科書で読んだ日本の景気循環(「いざなぎ景気」など)はここが決めています。
研究会はことし初めての会合2014年5月30日に開き、「第15循環」は2012年4月が景気の山で、2012年11月が景気の谷という、きわめて短い景気循環だったと暫定的に認定しました。すでに昨年の前回会合でも同じ見解が示されていましたが、その後そろったデータも踏まえて決定しました。
55年体制以降、初めて自民党員ではない総理大臣が解散詔書をつくった野田内閣。
まず、野田佳彦の決断は100%正しい。後世、1000年経っても、絶対に正しい。
そのうえで、2012年11月14日(水)表明、2012年11月16日(金)解散は、経済対策を専権事項とする政府・与党としては、景気循環だけで見れば、最悪のタイミングだったことになります。
(景気動向指数研究会のデータは次のウェブサイトから取り出すことができます http://www.esri.cao.go.jp/jp/stat/di/di_ken.html)
ただ、上の資料を見ると、日銀短観は、12月分でも前の分からさらに悪化して、景況感はマイナスになっています。
2012年11月が「谷」だった、「底」だった、指標に、鉱工業生産指数とその出荷があります。
というのは、2012年10月ごろには、工場閉鎖にともなう大量解雇が発生していました。ところが、このころの工場閉鎖には、「今月中に廃業すればぎりぎり黒字で終わるから、悪いけど辞めてくれ」という社長が多かったそうです。リーマンショック後、震災後、看板は出しながら、実は週1回しか操業していない工場もあったようです。11月以降、「所定外労働時間」が急増していますので、既存の会社の既存の社員が急に忙しくなったようです。
TBSが2012年11月9日に「12月16日に衆院選」という大スクープを報じた当日の副総理記者会見で、私は岡田さんに解散について質問。「報道は無限にありますので、そういったことを確認する必要はないと思います。それぞれ書かれているほうがどのぐらいの根拠を持って書かれているのかは分かりませんが、そういったことについて、コメントする気持ちはございません」と述べ、否定はしませんでした。
この質問をできるような雰囲気へならすため、その前に、私は景気認識について質問しました。岡田さんは「これは個人の感想を言う話ではないというふうに思います。ただ、この場でも私は何度か申し上げておりますように、景気の先行きについては、かなり心配をしております。現実の出てくる数字も悪化をしておりますし、それからいろいろお話を聞いても、あまりいい材料はありません。少なくともヨーロッパの経済危機の影響で、中国を含めた新興国も成長が落ちていますし、したがってそれは日本の輸出にも響いてきます。 加えて、円高ということもあります。そういった輸出が日本の輸出が厳しいということは、そのほかの内需、例えば消費とか、雇用とか、そういうことにも波及しつつあるという段階で、だからこそ先般景気対策を今月中にという総理の指示が出たわけです。メディアによっては、規模が小さいとか、いろいろ御批判もいただきましたが、できることからやっていくということで、まず予備費を使った第1弾を決め、今月中に第2弾の本格的なものを打ち出すと、こういうことで、楽観は全くしておりません。しっかりとした対応が必要であるというふうに考えています」と語りました。
私はこの日は、「2013年1月解散論もあるが、そこまで行くともっと景気が悪くなると思っているな」との感想を持ちました。今読み直すと少し違うかもしれません。
ただ、平成24年度特例公債法案を自民党に半年以上吊るされたあげくに、解散と引き換えに成立させた。それにより、特例公債法施行により政府支出は11月以降増えているので、山を登りだしたので、11月が「谷」になったというとらえ方もできます。繰り返しますが、12月の短観はマイナスでした。安倍新首相の金融緩和政策で、マーケットは大いに盛り上がった面もあります。
いずれにせよ、野党第3党の公明党の山口那津男代表が「11月9日解散、12月9日投開票」と具体的過ぎる日程を提示してしまった。そして、なによりも、新進党を解党した小沢一郎に、1月1日以降、小さい子供も含めた人口1人あたり300円の政党交付金がおよそ30億円、公明党よりも多く入ってしまう。それを避け、「7億円」に落とし込む、小沢切り解散は必要でした。
そして、東日本大震災、タイ洪水被害による波立つ景気と、電力問題。繰り返しますが、特例公債法案を吊るされたのはホントウに苦しかったです。
ただ、民主党政権をまじかに見たうえでの思うのは、もう少し、会社経営者から話を聞く必要があったと考えます。民主党議員はマクロ経済学も決定的に弱い。 そして、大量解雇でクビになった人の声がより反映されやすいのが民主党政権というシステムであったのだ、と考えます。
そして、理科系大学卒業後に20年以上勤めた会社を「今月でやめれば黒字でたためる」と2012年10月にクビになり、ハローワークで民主党総支部の仕事を見つけて、11月から働いたら、民主党のビラを目の前で破られて、「ああいう人おかしいですよ」と憤慨していたXさん。その後、前議員は落選し、年内に総支部も解散になりました。「ことしは帰省できるのかな」と話していたXさんが今どうしておられるか。思いを馳せるところです。








