
コメの直接支払(農業者戸別所得補償)の固定払いが1キロ1万5000円から、7500円に半減してしまう「経営所得安定対策」を法的に裏付ける農政改悪2法が2014年6月13日(金)の参議院本会議で可決し、成立してしまいました。2015年4月1日施行。
投票総数239、賛成143、反対96。
民主党、みんなの党、共産党は反対。とくに参議院農林水産委員会(野村哲郎委員長)は、みんなの党提出の「農地法改正案」を審議入りすらさせない暴挙に出ました。さらに本会議の委員長報告では、山崎正昭議長から指名される前に、登壇し、自民党農林水産族の唯我独尊ぶりを示しました。
本会議討論では、1995年新進党初当選の民主党の小川勝也(おがわ・かつや=注おかだ・かつやではない)さんが「民信なくんば立たず」と反対討論しました。
直接支払半減により、再び権力者となるJA農協が発行するメディアによると、「固定払いが半分になってしまうけれども、主食用米から飼料用米に転作すれば、様々な補助金がもらえると聞いてほっとした」という農家の声が掲載されています。実はことしも6月中旬でコメ余り(主食用米)なので、今後も、固定払いが1キロ7500円ならば、集荷業者JAに売った場合、一俵の売上高は45万円前後にとどまると考えられます。売上高が1俵45万円で儲かるわけがありません。ですから、販売農家は65歳以上でしょうから、国民年金を田んぼに補填するものと思われます。
国庫→国民年金の基礎年金部分→田んぼ
国庫→一般会計の農業者戸別所得補償→田んぼ
これでは、日本国のマネーの流れはたいして変わらない。
極論かもしれませんが、固定払いを7500円にするならば、いっそのこと、ゼロにしてもらった方が、農家は農業生産法人に貸し出して毎月賃料をもらい、農業生産法人は、農林水産省職員の食品GメンOBを派遣社員として雇って補助金申請の仕事をしてもらった方がいいのではないでしょうか。
さらに公明党マニフェスト2012、公明党マニフェスト2013は、微妙に書きぶりが違いますが、2012では「固定部分を維持しながら」「法制化を目指します」と書いてあります。「維持する」とは制度を維持するのではなく金額を維持すると解釈できます。「法制化を目指します」とは、「法制化します」という意味と考えられます。
[画像]公明党マニフェスト2012から部分的に引用、赤線は筆者が加筆。
さらに自民党の宮越光寛・衆議院農林水産委員会筆頭理事が民主党対案4法案を完全に否決したうえで、閣法に加えた次の修正。
「農業の担い手に対する経営安定のための交付金の交付に関する法律の一部を改正する法律案の一部を次のように修正する。
附則に次の一条を加える。
(収入変動に対する総合的な施策の検討)
第六条 政府は、この法律の施行後三年を目途として、農産物に係る収入の著しい変動が農業者の農業経営に及ぼす影響を緩和するための総合的な施策の在り方について、農業災害補償法(昭和二十二年法律第百八十五号)の規定による共済事業の在り方を含めて検討を加え、その結果に基づいて必要な法制上の措置を講ずるものとする」
これは、「2017年度に収入保険を創設する」という意味です。 つまり2016年に任期を迎える第46期衆議院、第22・23期参議院では、戸別保障の法制化はせず、「収入保険」を次の任期で目指すという意味です。収入保険をやるのならば、一般会計からの直接支払もいらないということでしょう。民主党4法案を完全に否定したうえで、ダメ押しをするなど、横綱・自民党がやることでしょうか。
民主党代表の海江田万里ネクスト首相は4月の記者会見で「この考え方は堅持していく」と明言。
ただ、一般会計に当初予算で計上しておいて、秋に生産価格と販売価格の差額を補てんした場合、多額の不用額が出たり、あらかじめ大目に計上しておかなければなりません。大原則に反して、特別会計の創設という方法も、財務省主計局の立場を考えれば、今後民主党は検討してもいいと考えます。
私は少し前まで、宮越光寛さんを期待していましたが、今では、「宮越は、成仏できない」と心の底から軽蔑しています。
ガリレオ・ガリレイは「それでも地球は回っている」と言いましたが、私宮崎信行は「それでも農業直接支払は必要だ」と言います。
コメ農家が、国民年金を農業事業の赤字の補てんに回しているのが、バレバレの状態なのに、なぜいまだに我慢しているのか。集落共同で組んだコンバイン購入費のローン支払いが不安なのか。それじゃあ、奴隷ですよ。土地持ちが奴隷ですか? だったら、会社員になった方が良いですよ。そんなことをやっていると、「怒りの葡萄」、「二十日鼠と人間」になります。
林農相・宮越筆頭理事を、一揆でとどめをさすべき時がきました。
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