臨時国会は4週目となり、補正予算審議、大臣所信表明に続き、法案が審議入りしました。
今国会最大の焦点となる「出入国管理法及び法務省設置法改正案」(197閣法1号)が衆議院本会議で趣旨説明と代表質問され、立憲民主党の山尾志桜里さんは法案を批判しながらも、「十分な審議時間を確保できないから今国会で答えを出すべきではない」と含みをもたせました。「解禁法案」ではなく「拡大法案」ですから、正面からの反対論は少ないとみられます。
参議院の常任委員会でも大臣所信表明がありました。今国会で法案が審議される見通しの衆参の常任委員会はすべて大臣所信を聞いたことになります。このため、「水道法改正案」(196閣法48号参先議)が成立する公算も高まりました。
平成30年度人事院勧告を実施する給与法案のうち、「自衛隊給与法改正案」(197閣法10号)が衆議院安全保障委員会での審議入りしました。この法案は、2009年の民主党政権でも最も早く成立した法律となりました。
【衆議院安全保障委員会 平成30年2018年11月13日(火)】
前回の岩屋毅・防衛大臣の所信に対して一般質疑がありました。来月改定する「2018年防衛計画の大綱」では宇宙、サイバー、電磁波の防衛が書き込まれる予定もあり、総務省の大臣政務官がこの委員会で答弁するシーンもあり、今後増えていきそうです。
無所属の会の広田一国対委員長は、「大臣は早稲田大学の先輩だし、雄弁会の先輩だ」と語り、マンガ「加治隆介の議」のモデルともされる、岩屋さんが、かつて1990年代前半、多くの若者があこがれた若手政治家だったことを惹起しました。大臣になるまで、だいぶご苦労されました。
一般質疑終了後に、岩屋大臣が、「自衛隊給与法改正案」(197閣法10号)を趣旨説明しました。次回は16日(金)午前9時からで、早ければその日にも委員会で採決されるかもしれません。
【衆議院本会議 同日】
「外国人材を拡大する、出入国管理法及び法務省設置法の改正案」(197閣法1号)が審議入りしました。
立憲の山尾志桜里さんは、連日大きく報じられている、野党の国会内ヒアリングについて、「異国の地の国会議事堂内で、過酷な労働環境を告発してくれている」と勇気をたたえ、「この国のかたちをかえるかもしれない大きな政策転換を拙速に進めると将来に禍根を残す」とくぎをさしました。
国民民主党の階猛さんは、再質疑も含めて、政府をただしました。
与党・公明党は「職種別の有効求人倍率の取り扱い」をたずね、無所属の会の黒岩宇洋・元法務政務官も「14業種の具体的基準を聞きたい」としました。黒岩さんは「質問しておいてなんだが、山下大臣は答えられないはずだ」とし、「法案は4段階の法案だ」と語りました。黒岩さんは、法案が定めるプロセスは、成立後に府省庁横断組織で閣議決定し、分野別横断方針をつくり、さらに法務省令である法律施行令などで定めることになっていると指摘。「私が知る限り、一般法で2重構造まで、基本法で3重構造まで」と法案のたてつけを批判し、「4重構造では、野党は(国会での審議・採決の)地上階まで。与党は(自民党政調法務部会は、閣議決定と省令制定の)地下2階まで降りられる」が、自民党の法務部会も、政府に無視されるのではないか」と挑発。黒岩さんは「成立後の業種を増やすことが可能だ」とし、共産党の藤野保史さんも「白紙委任法案だ」と、たてつけを批判しました。
旧民主党政権が3党合意という細かい点まで与野党修正でのぞみ、うまく説明できなくなり、自爆した経緯もありますが、今国会は国会をがらんどうにしてしまおうという政府の考えに、自民党政調も関与しきれない国会軽視どころか、政治家無視になりつつあるようです。
【衆議院法務委員会 同日】
上述の本会議よりも先に、午前9時設定。理事会が紛糾したようで、9時28分頃にスタートしました。
山下貴司法相の所信に対する一般質疑。国民の津村啓介さんは「大臣は参議院予算委員会で受け入れ上限人数を法案審議までに提出するとしていたが、まだ出ていない。午後の本会議で質問する議員は、昨日までに質問通告しなければならなかったのに」と問うと、山下法相は「思いをは変わりない」とはぐらかし、質疑は中断しました。尊厳死など骨太な議論をした、津村さんは質問の終わりに「私と大臣は、同じ岡山2区で、ライバルだ」と明かしました。津村さんの師匠格の一人、菅直人さんは質問するたびに同じ選挙区の土屋正忠さん(昨秋落選)が委員室に表れて野次を飛ばされていましたが、津村さんは淡々と後輩である山下法相に「同世代だ」と質疑しました。
本会議の法案よりも先に、人事院勧告を実施する検察官と裁判官に関する給与法案が趣旨説明されるとのみたてもありましたが、理事間の協議が難航しているようで、まだ審議入りはしていません。
吉川貴盛農相に対する一般質疑がありました。
昨秋、鹿児島県内の定数是正で単独比例転出を迫られた、自民党の宮路拓馬さんは、質問機会を多く与えられているような気がしますが、きょうは、小里泰弘・新副大臣(鹿児島4区)から「私は宮路議員が心血をそそがれた地域も含めて、農山漁村を歩いており、条件不利地域、中山間地農業が大事だと思っている」と微妙なエールがありました。
減反廃止について、吉川農相は「生産数量目標を廃止して、政府に頼らないなか、業務用米・飼料用米は減少し、主食用米・新市場開拓米は増えている」と報告。「来年以降は、高収益米を増やす」とし、お得意の「水田フル活用をめざす」と語りました。
【衆議院総務委員会 同日】
石田真敏・新総務相が所信表明。「10月の台風24号では、通過後にもかかわらず都心の電車が混乱した。次の災害(関東大震災など)が起きたらどうなるのか、不安を覚えたのは私だけではないでしょう」と自分の言葉で語りました。「地域おこし協力隊員を6年後に8000人に増やす」とし、「地方交付税などの一般財源は前年と同水準を確保する」「地方制度調査会で圏域の議論をしている」「地方法人課税の税源の偏在性を確保する議論を進める」と述べました。次回は15日木曜日の午前9時から。
【衆議院環境委員会 同日】
1990年初当選から苦労して初入閣した1人、原田義昭・環境大臣。「来年はG20議長国として低炭素社会をリードし、パリ協定にもとづき国内のCO2排出量の大幅削減の計画を作る」と抱負を述べ、「第5次環境基本計画にもとづく、イノベーションで持続可能な社会をつくる」ことを主眼におきました。先の国会で法律ができた、海洋・マイクロプラスチックについては、「G20よりも前に行動計画をつくり、海洋漂着物とあわせて政府の方針をつくる」としました。この後、福島選出の菅家一郎・政務官も内閣府兼任で「原子力防災を担当する」などとあいさつしました。次回は、20日(火)午前9時30分。
宮越光寛・消費者相が「食品表示法改正案(197閣法11号)の今国会成立をお願いしたい」と短い所信を表明しました。また、消費者安全法に関する国会報告を、宮越大臣がしました。次回は15日(木)午後3時20分。
11府省庁を、10委員会(外交防衛委含む)で審査する、参議院第一種常任委員会。きょうは、今国会で政府提出法案が審議される見通しの6委員会すべてで、大臣の所信表明がありました。与党ペースの幕開けとなりました。
自民党の妙技だと思うのですが、「若者の使い捨てが疑われる企業、いわゆるブラック企業」の経営者だとして批判されてきた、渡辺美樹・自民党参議院議員。任期切れまで残り8か月となっています。以前は経済産業委員もしていました。が、今国会で初めて、会社とはまったく関係ないはずの、外交防衛委員長になりました。就任2週間以上、なにも批判の声は聞きませんので、自民党の人事のうまさが政権運営のうまさだと断定していいでしょう。きょうの委員会では、外相と防衛相から所信を聞きました。今国会では4議案がかかる見通しですが、波乱はないと考えられます。
根本匠大臣の所信表明があり、散会しました。厚労省は今国会に新しい法案を出しませんので、前の国会から継続となった「水道法改正案」(196閣法48号参先議)は今月中に審議入りするのは確実な公算となりました。
【参議院内閣委員会 同日】
【参議院法務委員会 同日】
【参議院文教科学委員会 同日】
各々、大臣からの所信聴取がありました。
大臣の所信聴取。この後、閉会中の委員視察について、国対で活躍している、自民党の岩井茂樹さんが「先日までの委員長在任中はお世話になりました」とあいさつして、報告しました。派遣先の自治体から「要望書」を渡されたとして、この要望書を、きょうの会議録の末尾に掲載することが全会一致で了承され、散会しました。
●参議院財政金融委員会
●参議院経済産業委員会
●参議院国土交通委員会
●参議院環境委員会
きょうは開催されませんでした。
このエントリーの本文記事は以上です。
[お知らせはじめ]
宮崎信行の今後の政治日程(有料版)を発行しています。国会傍聴取材支援基金の創設とご協力のお願いをご一読ください。
このブログは以下のウェブサイトを活用しエントリー(記事)を作成しています。
衆議院インターネット審議中継(衆議院TV) 参議院インターネット審議中継 国会会議録検索システム(国立国会図書館) 衆議院議案(衆議院事務局) 今国会情報(参議院事務局) 各省庁の国会提出法案(閣法、各府省庁リンク) 政党インターネット資料収集保存事業 「WARP」(国立国会図書館) 予算書・決算書データベース(財務省ウェブサイト) インターネット版官報
[お知らせおわり]
tags
(C)2018年、宮崎信行 Miyazaki Nobuyuki 2018






