学校給食費を児童手当から強制的に天引きできる、児童手当法などの改正法案を、平成28年2016年の通常国会(おそらく第190回ないし第191回国会)に提出したい意向を、政府と与党・自民党が持っていることが分かりました。
2015年8月18日付日経新聞3面が報じました。
この報道を見て、筆者は初めて児童手当法(昭和46年5月27日法律73号)を読んでみました。
その第22条の2で、「受給資格者が」「当該児童手当の支払いを受ける前に」「全部または一部を」「市町村」に寄付することができるとあります。そして、第22条の3は「市町村長は、受給資格者が、児童手当の支払いを受ける前に」「学校教育法に規定する学校給食費」について、「当該市町村に支払うべきものを支払いに充てる旨を申し出た場合には」「当該受給資格者に児童手当の支払いをする際に当該申出にかかる費用を徴収することができる」とあります。
このように現行児童手当法では、受給権者が市町村に申し出て「給食費の天引き」を申請することができるようです。
日経報道では「強制的に天引きする仕組み」とありますので、この辺の条項をいじくったうえで、第31条の罰則に追加するということになりそうです。
児童手当法の所管官庁は厚生労働省、学校給食法の所管官庁は文部科学省。ただ、実施主体は基礎自治体(市町村)なので、法律案の執筆はさほど難しくないように思われます。
日経記事によると、児童手当は月1人あたり1万5000円(以下)で、給食費は月5000円(以下)。このため、子どもの貧困に直面する、とくに、17人に1人の子どもが属する「ひとり親世帯」では、月1万円程度の児童手当にとどまり、 同世帯の平均年収が200万円前後ですので、可処分所得が年6万円減るピンチになります。
日経記事では、給食費未納者は子供の100人に1人程度。ちなみに、筆者は昭和50年代、1980年代の東京下町の公立小学校に通いましたが、1学年92人中未納者は1人いました。これは、教室では誰も話さないけど、親たちは全員知っていました。なぜなら、保護者面談で先生が話すから。教職員にとっては大変な負担のようですが、当時すでに山の手に経済水準で逆転されていた下町でも100人に1人程度だったわけで、時が移ろい、バブル経済はかなたに行っても、100人に1人。ですから、景気による経済格差ではなく、どのような時代にも必ず子供の貧困は存在するということです。教職員の苦労は多としますが、子どもに罪はありません。
100人に1人を扶助できないとしたら、自民党の国家観において、国家、政府、税金、自治体はなんのために存在するのでしょうか?
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