
「防衛増税」という悪手な4文字が、意図せずして、政治を席巻しました。
鈴木俊一財務大臣は先週金曜日の記者会見で次のように語りました。
「昨日の政府・与党政策懇談会におきまして、総理から、防衛力強化の財源確保に向けた方針が示されました。具体的に申し上げますと、抜本的に強化された防衛力は、将来にわたり、維持・強化していく必要があり、これを安定的に支えるためのしっかりした財源措置が不可欠であって、令和9年度以降、防衛力を安定的に維持するためには、毎年度、約4兆円の追加財源の確保が必要となります。その約4分の3については、歳出改革、決算剰余金の活用、税外収入を活用した防衛力強化資金の創設など様々な工夫で補っていきます。その上で、残り約4分の1について、税制でご協力をお願いしなければならないと考えています」と語りました。
総理指示に従って、自民党税制調査会はインナー会合を開き、たばこ税と法人税の増税を検討することで一致。きょうから数日、党本部で全議員を対象にした総会を開きます。
決定した自民党税制大綱は、一字一句違わずに、政府税制大綱として当初予算案と同日に決定。財務省が所得税法など改正案を執筆し、来月の通常国会冒頭に提出されます。衆参とも自民単独過半数のためそのまま決定する見通し。
安倍晋三政権から、自民党税調会長は宮澤洋一参議院議員が務めており、岸田文雄首相と広島県の宏池会の関係。鈴木財務大臣の父の鈴木善幸内閣の宮澤喜一官房長官の政治的後継者になります。可部哲生前国税庁長官は首相の実弟になります。野田佳彦内閣以来10年ぶりに「Z会(ゼットかい)」「財務省」に乗っ取られた政権といえそうです。

[写真]宮澤洋一・自民党税調会長、きょねん2021年9月、宮崎信行撮影。
[写真]鈴木俊一財務大臣、きょねん2021年9月、宮崎信行撮影。
今週の展開としては、たばこ税・法人税のうち、法人税率の付加税の引き上げが検討され、ある程度のところで軽減したところで、たばこ税の引き上げを決定。一部の議論を先送りすると考えられます。現在は「復興特別所得税の流用」を議論していますが、議題を取り下げて世論の収束をみる展開もありそうです。
フランス財政学は「ノン・アフェクタシオン」を主張し、歳入と歳出を紐づけるべきではないことを真理としていますが、財務省は「ペイ・アズ・ユー・ゴー」という世界標準ではない理論をこねくり回したうえで国債を歳入とした特別会計から一般会計への繰り入れていることを表面化させない「財源ロンダリング」をしており、政策変更と関係ない、単なる増税を打ち上げ、矛を収めますが、やはり増税は増税という結論になるでしょう。
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