時事通信の速報メールによると、民間営利企業である「スタンダード&プアーズ社(S&P)」が日本国債を「安定的」から「ネガティブ」に引き下げたそうです。けっして客観的なものとは思えませんが、新聞記者の経験からすると、「例え誤った情報であっても、声の大きい人間・組織の情報で人は動いてしまう」のは世の習い。
【追記 2011年4月27日午前11時50分】
スンダード&プアーズの発表はアウトルックを「安定的」から「ネガティブ」に変えたというもので、現段階で格下げではなく、今後、格下げする可能性があると指摘したものだとのことです。
【追記おわり】
さて、第1次補正予算(案)がすでに先週の金曜日に閣議決定していますので、読み込みをすすめており、また、いろいろ楽しみながら調べていたら、日本国憲法の埋もれた条文を見つけました。憲法第7章(第83条から91条)は「財政」編です。そして、憲法第86条は「内閣は、毎会計年度の予算を作成し、国会に提出して、その審議を受け議決を経なければならない」となっています。これにより、予算(案)は内閣が出さなければいけないことになっています。国会の議案(法案、予算案、条約の承認案)などの中で、内閣に提出する権利が限られているものは珍しいですね。だから野党の自民党、みんなの党は「組み替え動議(撤回のうえ編成替えを求める動議)」しかだせず、独自の予算案を議員立法で提出することはできません。後段の「その審議を受け議決を経なければならない」については、明治憲法では、「協賛を受けなければならない」でしたので、格段に、戦後の「国会」は進歩したことになります。
それはそうと、急いで書かなきゃ。第83条の条文があることにハッと気付いたんです。で、私が使っている判例六法だと、この条文がなにか行政訴訟とかで、取り上げられたことはなく、「忘れられた条文」のようにも思えるけど、今こそ、この条文が大事だと思います。
日本国憲法第83条
【財政処理の基本原則】 国の財政を処理する権限は、国会の議決に基いて、これを行使しなければならない。
とあります。
別段、菅直人内閣の延命のために、内閣の責任を軽くしようとして、この条文を強調しているのではありません。
国難の今、日本国政府の財政は、国会の議決、それが最高責任を負うんだという意識を衆参・与野党問わず国会議員全員に持って欲しいです。
例えば、本来は特別会計はスリム化していくことが、各党の考え方ですが、復興特別会計をつくり、その特会の中で、復興再生債を発行して、償還財源には、税金(増税)を必ず充てることを担保する。
あるいは、時事放談で藤井裕久さんが「明治37年を思い出せ」と言っていましたが同感。外貨建て日本復興債をつくる。売りに行く平成の高橋是清は、榊原元財務官とか、IMFの専務理事だった杉崎さんなんかどうでしょうか。長期金利のリスク管理を、財務省理財局に押しつけるのは負担です。国会全体が責任を負い、内閣に任せるようにしたらどうでしょうか。
さらに私が言いいたいのは、まあ、日経新聞をはじめ連日新聞1面で東京電力に関するスキームを載せている記者と編集幹部は恥を知れと言いたいところですが、東京電力の5兆円を越える既発社債ですが、これはこのままにしておくと、将来的に国民負担(税金)で償還するということになりかねません。デフォルトしろとまでは言いませんが、かなり手荒い特別立法ですが、社債を普通株に転換させてしますということも、すぐにキャッシュは出て来ないにしても、将来的な財源になるのではないでしょうか。
例えば、20兆円とか国債を発行して財源を調達すること自体は、私はかなり楽観的にみています。日銀引き受けなど必要ないでしょう、反対です。とはいえ、長期金利が上がると、言葉は悪いですが「サドンデス・リスク」が上がります。また、そのために、国債整理特別会計の積立金を財務省が持ちたがるのは、「危機管理」「安全保障」としては当然のことだと、私は考えます。ただし、もう少し情報公開ディスクロージャーはしてほしいと思いますが。ですから、やはり、国会全体で責任を負う、ことによって、なるべく効率的にお金を回すように心がけたい。おそらく施行以来、一度も注目されたことがないでしょう。『芦辺憲法』をひもといたら「財政民主主義」という小見出し入れて全部7行だけです。憲法83条の説明。
ぜひ、国会が法律で責任を取る。そういう姿勢を持って欲しいと思います。いまこそ、憲法83条を見直せ! それが緊急アピールです。
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