国税と地方税の一部改正法が成立 つなぎ切れ8日前セーフ

[写真]税の一部改正法の与野党修正協議をてがけた藤井裕久首相補佐官(プレス民主からキャプチャーのうえ、トリミングさせていただきました)

【2011年6月22日(水) 参院本会議】

 いよいよ会期末の朝となりました。しかも夏至です。第177通常国会は8月31日(水)までの70日間延長され、会期220日間となる見通しです。この間、菅直人首相は続投できる可能性が高まりました。また、世襲議員グループの「参院自民党」が提出をちらつかせていた「菅首相問責決議案」の提出は不発に終わったもようです。

 参院本会議が午前10時に開会しました。「国税の一部改正法(閣法82号)」と「地方税の一部改正法(閣法83号)」が、与野党各党(日本共産党を除く)の賛成多数で、可決・成立しました。天皇陛下の御名御璽が入り、公布され、官報に載ります。

 参院本会議の押しボタン式の投票では、

 国税の一部改正法が「投票総数236、賛成230、反対6」

 地方税の一部改正法が投票総数が「238、賛成232、反対6」

 でした。各議員の投票行動(賛成、反対)は次のホームページから見ることができます→ http://www.sangiin.go.jp/japanese/joho1/kousei/vote/177/vote_ind.htm

 なお、実際の議事日程は、藤末健三総務委員長、藤田幸久財政金融委員長の順番で行われました。

 前日(21日)の審議と採決では、総務委員会で自民党片山さつきさん、財金委員会で自民党佐藤ゆかりさんが付帯決議を提出。両案とも、日本共産党が反対討論をしたうえで、各党の賛成多数で可決していました。

 やれやれ、ホッとしました。

 この法には、住宅購入時の登録免許税の軽減、中小企業の法人税率の軽減、雇用を促進するために従業員を増やした企業への税制上の優遇措置、NPOなど寄付金税制の拡充、航空機燃料税の引き下げ、証券軽減税率の2年間延長などが入っており、多くの項目では、国税だけでなく、地方税での措置も含まれているようです。

 なお、私の認識では、相続税基礎控除額の5000万円→3000万円の引き下げと税額の50%→55%への引き上げは見送られたと思います。それと国税通則法の廃止(抜本的見直し)も見送られ、国税通則法という法律は存続することになっていると考えます。この辺は、おそらく税理士さんでも対応できていない人がいると思いますので、直接税務署や国税庁の事務センターなどに問い合わせることをおすすめします。

 これにより、6月30日までのつなぎ措置だった、国税地方税税制改正にめどがつきました。なおも、国税は閣法2号と地方税は閣法4号を内閣が修正し、議案として延長国会に残ります。しかし、歳入全体にしめる影響は、いまだに衆院委員会に残っている「特例公債法案(平成23年度の赤字国債を発行する法案)」(閣1)に比べれば軽微ですので、このまま、閣法82号と閣法83号のまま、平成23年度が進むことになりそうな気配を感じています。

 この租税特別措置などのつなぎを踏まえて、6月30日までに、自民党も賛成できる項目を閣法2号、閣法4号から抜き出して法案をつくる修正協議は、民主党首相補佐官藤井裕久さん(昭和30年大蔵省入省)、自民党は元自治大臣野田毅さん(昭和39年大蔵省入省)が担ったそうです。大蔵省の先輩・後輩で、国会議員および「自由党幹事長」としては野田さんが先輩になります。それと野田さんは、どうも「与党政治家らしさ」が強いように私には思え、こういう修正協議では国家国益を優先するタイプだと考えます。この辺は、岡田克也幹事長らの人選が良かったんだろう、と考えます。まあ、野田さんも、まさか未来予想図の「野田財務大臣」が新進党時代の1年生議員の野田佳彦さんとは思っていなかったでしょう。野田聖子さんというのは若干ケーカイしていたかもしれませんが、新進党解党後に、小沢一郎氏から離れていった当選5回生の佳彦さんが財務大臣、小沢氏についていった毅さんは当選13回生にして野党第1党で無役という悔しさを、修正協議にぶつけたのなら、報われたように思います。

 このように、以前は、税制論議には、党人派の山中貞則さんなどがいましたが、最近では、せめて通産官僚(尾見孝次さん、町村信孝さん)がいるくらいで、ほとんど財務官僚(伊吹文明さん、津島雄二さんら)でないと取り扱えない状態になっています。「代表なくして課税無し」が議会政治の発祥ですが、最近の民主党議員は、税調で、特定業界の「免税継続」を訴えたり、税と社会保障の一体改革で「消費税引き上げに反対」するなどといった木を見て森を見ず、の議論ばかりで、ていねいに、税制を体系的に勉強している議員がいないように思えます。たいへん憂慮すべき事態です。

関連エントリー衆院通過時のエントリー

ねじれ国会の難題1つ解決 6月30日つなぎ切れの税制改革法案が衆本を通過

 なお、参院本会議では、大震災のための金融機能強化・金融機関再編特措法(閣法73号)、総合特区法案(閣法27号)も可決・成立しました。

 この後、午後の衆院本会議で会期延長が決まります。

asahi.com(朝日新聞社):税制改正修正法成立 法人減税や所得・相続増税は先送り – 政治

 2011年度税制改正修正法が、22日の参院本会議で賛成多数で可決、成立した。認定NPO法人に寄付した場合の優遇税制拡大や、従業員を増やした企業を減税する雇用促進税制などを盛り込んだ。法人税減税や所得・相続増税など、当初の改正案の根幹部分は今後、改めて与野党で協議する。

 税制改正法案は、毎年3月末までに成立させるのが慣例。今年は野党の反対で成立が遅れていたが、民主党と自民、公明両党が今月8日に一部項目の修正で合意。期限が切れて増税になると企業や国民生活に影響が大きい租税特別措置を3カ月延長する「つなぎ法」の期限が6月末に迫ったため、与野党の合意項目だけ切り離して成立させた。

 修正法には、離島航路の航空機燃料税や不動産売買契約書につける印紙税の軽減など6月末で切れる租税特別措置の12年3月末までの延長や、低額年金所得者の申告不要制度の創設、11年末に期限が切れる証券優遇税制の2年延長なども盛り込まれた。

関連記事

コメントは利用できません。

アーカイブ

運営会社
宮﨑機械株式会社
©2008~

ページ上部へ戻る