岡田幹事長、09マニフェスト「作成当時から見通しが甘かった」「国民の皆さんにお詫びする」

  • 2011-7-26
  • 岡田幹事長、09マニフェスト「作成当時から見通しが甘かった」「国民の皆さんにお詫びする」 はコメントを受け付けていません

[写真]岡田克也さん、第44回衆院選の05マニフェストの表紙から。

 民主党幹事長の岡田克也さんは、2011年7月21日(木)の定例記者会見で「マニフェストに掲げた政策の多くは実現している。しかし、実現していないものもある。実現していないものについて、なぜ実現していないのかを考えると、それはマニフェストの作成当時から、前提に置いた様々なことについて見通しが甘かった部分もある。そういったことについては、国民の皆さんにお詫びをする」と述べました。同日は、麻生太郎首相が衆議院を解散してから、ちょうど2年後で、衆院の4年任期のほぼ折り返し点でした。

 09マニフェストは、小沢一郎代表・鳩山由紀夫幹事長・直嶋正行政調会長の体制でつくられたもので、2009年5月16日に、鳩山代表・岡田幹事長の体制になり、7月29日に発表、8月30日の第45回総選挙で政権交代につながった政権公約です。

 これについて、26日付朝日新聞4面に、「民主・岡田幹事長が自公両党に渡した文書(全文)」というものが載っていました。朝日の特ダネだと思います。これは「謝罪表明」の翌日(22日)の自民党幹事長の石原伸晃さん、公明党幹事長の井上義久さんとの会談で手渡したペーパーのようです。真心込めて、キーボードを叩いて、ご紹介させていただきます。

 [引用はじめ]

 民主党マニフェスト2009において国民と約束した施策に関して、現在検証作業を行っている。概ね実現したものが多数あるなかで、残念ながら、いまだ実現できていないものがあることも事実。この点について、なぜ実現できていないのか、国民に対し説明責任を果たすことが必要である。

 実現できていない政策がある理由として、政策の必要性やその実現の見通しについて、マニフェスト作成において検討不十分なところがあったことが挙げられる。政権交代実現によって大きな政策転換を一気に実現するとの意気込みが歳出の増大につながり、他方でその裏付けとなる歳入増について、補助金の見直しなどが十分に実現していない。この点、その見通しの甘さについて国民の皆様に率直にお詫び申し上げる。

 今後、埋蔵金の活用や補助金の削減などにより、必要な財源をまず確保したうえで、マニフェストに掲げた政策の実現を図ることが重要である。その際にも、マニフェストに掲げたからというだけでその実現を目指すのではなく、再度その必要性を検討する必要がある。また、3月11日の東日本大震災によって、被災地の復旧・復興が極めて重要となったが、震災復興のため必要とされる予算措置と比べ、マニフェストに掲げた政策がより重要性が高いかどうかという視点からの検討も必要である。

 次期総選挙においては、社会保障と税の一体改革に関し確認されたように、2010年代半ばに国民に負担増をお願いすることになる。それだけに、次期総選挙におけるマニフェストの作成にあたっては、政策の優先順位についてより真剣に検討し、明確化するなど、より実現性が高く、充実したものとすることが、民主党の責任である。

[引用おわり]

 民主党マニフェスト2009は現在も有効であり、撤回したわけではありません。修正もしません。一部が具体化(予算化)できないことを謝罪したものです。第46回衆院選マニフェストはつくりますが、与党として再選をお願いするマニフェストになるので、今の任期の実績との継続性が求められることになります。あまりワクワクしたものではなく、過去→現在→未来の継続性をストーリーとして語ることが必要になるでしょう。自民党もホントウに与党になる可能性が高いので、あまり大風呂敷を広げたマニフェストもつくれないでしょう。

 09マニフェストを改めてよく読んでみました。例えば、子ども手当を全額実施するとします。マニフェストにはこれを全額国費でやるのか、自治体負担分があるのか定かではありませんが、仮に全額国費だとすると、所要額は国庫の歳出の政策的経費の15%ほどになってしまいます。そうしたら基礎年金の国庫補助部分はどこから工面するのでしょうか。

 「マニフェストの実現により、家計で使えるお金を増やし、生活不安を解消します」と書いてありますが、そのメニューとして、「子ども手当」、「農業の戸別所得補償」という国庫から見て歳出増の政策と並んで、「ガソリン税などの暫定税率の廃止・減税」、「高速道路の無料化」という国庫から見て歳入減の政策が並んで書いています。分かりにくいです。さらに「年金制度の改革」という歳出入の増減とは関係ないことが書かれ、その説明として「(消えた年金)記録問題への集中対応期間(0・2兆円)」ということが書かれています。

 「予算の全面組み替え」と称しながら、「川辺川ダム、八ッ場ダムの中止」などの歳出減と、「埋蔵金の活用」という歳入増が並立しており、さらに「租税特別措置(粗特)の見直し」という歳入の増加と減税が入り交じる政策まで同じ表に並んでいて、そもそも予算の組み方への理解が足りないように感じます。

 実現性以前に、マニフェストの作り方に「与党らしさ」がなかったのは否めません。これは今見ると、かなりチグハグしていておかしい。マニフェストを肉付けした予算を組めない代物で、これでは真の意味では、政権公約とは言えない。

 07マニフェスト-09マニフェストは、小沢一郎さん、鳩山由紀夫さん、松本剛明さん、直嶋正行さん、長妻昭さん、福山哲郎さん、細野豪志さん、大塚耕平さんらが作成を担ったと、私は認識しています。そこで、その期間、副代表だった岡田さんが党を代表して謝罪したことになります。それなのに、鳩山グループ小沢グループから批判が出ています。

 それに思いを馳せると、以前読んだ本のこの画像を思い出しました。

 
[画像]岡田屋が戦後初めて新聞に出したチラシ、『岡田卓也 私の履歴書』(日本経済新聞社)36ページから。赤線は当ブログ筆者が引いたもの。

 これは1946年(昭和21年)7月2日朝から、三重県四日市の「岡田屋」が戦後初めての「大売り出し」のために、新聞に挟み込んだチラシです。「焦土に開く」というキャッチコピーの下、冒頭2行目に「戦災者優先販売」と書いてあります。そして、おそらく活字原稿を組んだ後に、岡田屋の若き社長、岡田卓也さんが思いを抑えきれずに、左隅に「天下分け目の大売り出し」と手書きで書き込んだであろうようすがうかがえます。当時のようすを、岡田卓也さんは次のように書いています。

[引用はじめ]

 一人の婦人がチラシを手に涙して私に話しかけてきた。「やっと平和が来ましたね」。小売業は平和の象徴だ!小売業のフィロソフィー(哲学)は平和であることを感じた。私の運命は決まった。小売業を一生涯の仕事にしよう。

[引用終わり]

 岡田克也さんが生まれたのはこの7年後になります。ただ、「偉大すぎる父」はあまり遊んでくれなかったようで反発していたようですが、仕事が公益に直結しているというDNAは引き継がれています。それに比べると、世襲グループは、「政治は私物だ」という意識が潜在的にあるような気がしてなりません。

 
[写真]被災地を訪れた輿石東参院議員会長と岡田克也幹事長、宮城・東松島市内、民主党ホームページから(一部トリミング)。

 この写真は、被災地である東松島市を訪れた岡田さんと輿石さんの真剣なまなざしです。マニフェストの一部の実現(予算化)ができないことを謝罪し、被災者の予算にオカネを回そうとする岡田さん、輿石さん。岡田屋には「大黒柱に車をつけよ」という家訓があり、「お客の変化に柔軟に対応すべし」という意味だそうです。だから、イオンショッピングセンターの再編が多い傾向があるのはこの家訓のためのようです。それは、お父さんに反発して、公の仕事に転じた岡田克也さんにも引き継がれていて、国民の税金(歳入)と国の歳出という国家予算という大黒柱に車をつけて、お客(国民)の変化に柔軟に対応すべしということのようです。イオンという会社も敵が多いのですが、岡田幹事長にも党内外に敵がいます。だからこそ、旺盛に働けるのだと思います。

 菅直人首相も、22日の参院予算委員会公明党に対して、「岡田幹事長から一定の方向性が示された。岡田幹事長の言うとおり、歳入面で検討が不十分だった。岡田幹事長と私の考えは一致している」と答弁しました。安住淳国対委員長も24日のNHK日曜討論で「私も同意見だ」としており、非世襲グループでつくる民主党7首脳の意見は一致しています。

 まずは3次補正をしっかり組み上げられるかどうかが試金石となりそうです。

関連記事

コメントは利用できません。

アーカイブ

運営会社
宮﨑機械株式会社
©2008~

ページ上部へ戻る