
[写真]ならず者の造反・離党による民主党分裂に唇をかみしめる輿石東幹事長、2012年7月17日、民主党本部、筆者撮影。
報道によると、民主党幹事長の輿石東さんは2012年7月19日(木)、連合会館(6月に総評会館から改称)で開かれた連合の中央執行委員会(中執)に出席し、党分裂を謝罪しました。古賀伸明会長は「離党者が相次いでいることはきわめて遺憾だ。連合の組合員の支援に背を向ける行為だ」と苦言を呈しました。言うまでもなく、三位一体改革以降、教職員の給与の3分の1が国庫負担であり、地方公務員の給与(義務的経費)の多くが地方交付税に依存する現状で、日教組や自治労の働く仲間の給与の安定化のためにも、消費税増税による健全財政は不可欠。日教組、自治労という2つの産別にとっても極めて大きな消費税増税という課題のためには、連合傘下の他の産別も協力するという「連合収斂」という考え方のためには、民主党は一致団結して可決させなければいけないのに、逆に遠心分離器にかけられ大量の造反者・離党者を出してしまいました。連合収斂に参加した、旧同盟系産別にとっては、8月1日に友愛会創立100周年という記念すべきときだったのに、本当に申し訳ない気持ちでいっぱいです。

これは、第45回衆院選の結果を伝える民主党機関紙プレス民主の第216号です。ご覧のように、「308議席」ということで、私は小選挙区の数である300議席を超えた瞬間に与党は壊れるという考え方を持っているだけに嫌な感じがしました。そして、機関紙として1人選んだHEROは福田衣里子さん(当時28)でしたが、ご存じの通り、3度目の通常国会で許されない裏切りをしました。

ところで、この「プレス民主」の2面に載った鳩山由紀夫代表(直後に総理)の挨拶文が大変奇妙なことに気付きました。連合へのお礼がひと言もないのです。鳩山氏は「民主党の圧倒的な議席をいただきました」「民主党代表として、国民のみなさんに心から感謝申し上げます」「本日はまさに歴史的な一日」としながら、連合へのお礼がひと言もありません。さらには「その意味では、民主党や友党各党はもちろん、自民党、公明党に投票なさった皆さんも、誰かに頼まれたから入れるとといったしがらみの一票ではなく、真剣に日本の将来を考えて一票を投じていただいたのではないかと思います」とし、自民党、公明党投票者をも褒め称えました。いわば、民主党代表自ら、「そのつど支持」を当然のこととし、私たち長年の支持者が一生懸命働きかけて票を集めたことなどまったく念頭にない宇宙人ぶり。彼は衆議院本会議場で、第45回衆院選のことを「無血の平成維新」と演説しました。私は聞いていて変だなと思ったのですが、草稿では「無血の民衆革命」となっており、官房副長官らがひっしに直させたけど、「無血の」だけは残ってしまったようです。天皇家も、連合も、憲法も無視する恥知らず。それが鳩山由紀夫。団塊の世代が全員こうだとは言いませんが、村上春樹さんも含めて団塊の世代にはこういう人が多いような気がします。ぜひ、しっかりと根雪のように政治を鍛える役目を傍観者ではなく当事者としてやってほしい。
これからは、二大政党の時代です。とくに、今の衆議院と参議院の制度であるうちは、我が国で穏健な多党制は無理です。例えば、参議院での過半数を目指して連立工作をしたら、衆議院で8割の構成になってしまい、野党議員が1人3時間ぐらい質問することになりかねません。事実、昨年の通常国会では自民党の茂木敏充さんが一人で2時間半質問しています。あるいは、参議院では少数ながら、衆議院で3分の2の連立となれば、すべてが再議決で参議院の意味がなくなります。そのためには、わが党は、健全なる保守政党、政権交代可能な二大政党の一つとして、向こう100年間やっていくためには、組織化をすすめるべきだと考えます。
2010年5月6日、労働党は12年ぶりに下野して、5ヶ月間にわたる党首選をしました。この間、党首代行は、ハーマン副党首が務めました。そして、それまでの投票で毎回1位だった本命のミリバンド前外相を決選投票の一騎打ちで破って、ミリバンド前経産相が当選し、党首(シャドウ首相)になりました。兄弟対決で言うと、日本では岸信介・佐藤栄作をはじめとして、兄が弟に先んじますが、英国労働党は弟に将来をかけました。なぜなら、2015年5月までにある次の総選挙に勝たないと、多くの仲間が死ぬからです。自分たちのために勝てる党首を選ぶ。そうなると、外相を務めた兄よりも、将来性のある弟を決選投票で選ぶ。ダイナミズム。それが二大政党政党制の醍醐味です。
そして、こちらをご覧ください。これは、労働党の協力団体の党首選での投票結果です。

日本では、連合は民主党の外の組織です。しかし、英国労働党は労働組合が結成した政党ですから、当然にして、労働組合は労働党の内部の組織になります。
協力団体の中には、歴史の教科書に出てくる「フェビアン協会」の名前もあり、6605人が投票権を持っています。港湾荷役労働者団体の「ユナイト・ザ・ユニオン」は105万人が選挙権を持っていますが、党首選の投票率は10%にとどまっています。労働党アイルランド人協会は83票ですが、投票率は一番高い(団結の強い)協力団体です。次に「ユダヤ人労働党運動」も投票率が高いです。
音楽家同盟は2万6957票を持っています、有名人もいるんでしょうか。アジア系黒人少数民族労働党員の会、キリスト教社会主義者運動、労働党学生部、労働党員弁護士会、労働党科学者協議会など多彩な組織があります。こういった組織に党首選の参加者になってもらうことで、労働党が国民の声を吸い上げるパイプを持つことができます。パイプの目詰まりがとれて、保守党よりも吸い上げられるようになったとき、その相対化のなかで、有権者の負託により労働党は政権に復帰し、ミリバンド内閣が誕生するでしょう。2年間の保守党キャメロン内閣では、防衛相が友人を外国出張に連れていき、防衛装備品の輸出に関するビジネスに関係した疑惑が出て辞任に追い込まれています。それは恥ずかしいことではありません。人は誰でも罪を犯すのです。それは与党という状況が防衛相の理性を打ち負かしたのです。
まかり間違っても、支持者が友人・知人に働きかけることを「しがらみ」と呼ぶ鳩山氏の認識はまったく間違っており、民主の敵です。一人一人がしっかりと日本のために必要な候補者を働きかけると、その都度支持が減り、足腰の強い政権をつくれます。あまり乗り気でないときは、友人・知人は長い付き合いだから分かります。1人あたり10票とってくるか、1人あたり5票にとどまるかどうか、という倍数が、総選挙ごとに民主党が政権をやるのか、自民党が政権をやるのかを決めるのです。
見て見ぬふりをするのは犯罪です。小沢グループ新党「国民の生活が第一」を倒して、民主党を次の次の次の総選挙までしっかりと政権の選択肢を与えることができる政党にするまで。私たちの二大政党制への取り組みはまだ始まったばかりです。
民主党の輿石幹事長は、党の最大の支持団体である連合の中央執行委員会に出席し、「国民の生活が第一」の小沢代表らが党を離れたことについて陳謝したうえで、党への継続的な支援を要請しました。
この中で、輿石幹事長は、消費税率引き上げ法案に反対し「国民の生活が第一」の小沢代表らが党を離れた経緯について説明したうえで、「こうした事態を招き、大変申し訳ない。野田総理大臣に代わっておわび申し上げたい」と述べ、陳謝しました。
そのうえで、輿石氏は「党の最大の支持団体である連合の協力と支援を引き続きお願いしたい。生まれ変わったつもりでこの難局を乗り越えたい。民主党にラストチャンスを与えてほしい」と述べ、党への継続的な支援を要請しました。
これに対して、連合の古賀会長は「離党者が相次いでいることはきわめて遺憾だ。連合の組合員の支援に背を向ける行為だ」と苦言を呈したうえで、速やかに党を立て直し政策を前に進めるよう求めました。
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