【参議院本会議 2014年10月2日(木)】
代表質問2日目が行われ、自民党から2人目の野村哲郎さんが質問しました。
この夏は「デング熱」というのが東京・代々木公園の周りで伝染するという出来事がありました。
これも踏まえて、感染症対策の質問がありました。
1998年に再整備した法律、「感染症予防法(感染症の予防および感染症の患者に対する医療に関する法律)」(平成10年10月2日法律114号)で、まとまっています。
塩崎恭久・厚生労働大臣は「感染症対策の強化のために、正確な情報の収集、分析、発信のために、献体を集めることが大事です。感染症予防法の改正案を今国会に提出します」と語り、今第187回秋の臨時国会(11月30日まで)に感染症予防法改正法案を提出すると明言しました。
厚労委は、労働者派遣法改正法案(第187閣法1号)が提出されており、審議順は衆院側理事会で話し合われる見通し。
改正法案の提出については、けさ一部で報道されていました。
感染症予防法を初めて読みましたが、基本的には県知事への委任が多い法律です。基礎自治体では、改正地方自治法で、中核市と特例市が一本化されたので、人口20・1万人の新中核市(旧特例市)が保健所を運営しなければならず、「負担が重いとの声が出ている」(前国会での日本共産党の塩川鉄也・衆議院総務委員)ようです。
塩崎答弁はありませんが、報道では、「第1類感染症」と「第2類感染症」が県知事が献体を病院などから提供してもらいやすくする法改正のようです。第3類に「コレラ」、第4類に「狂犬病」があり、これはその対象外となるようです。興味深いし、危機管理もありますので、感染症予防法の第6条は、次のように分類しています。
[感染症予防法第6条の全文引用はじめ]
第六条 この法律において「感染症」とは、一類感染症、二類感染症、三類感染症、四類感染症、五類感染症、新型インフルエンザ等感染症、指定感染症及び新感染症をいう。
2 この法律において「一類感染症」とは、次に掲げる感染性の疾病をいう。
一 エボラ出血熱
二 クリミア・コンゴ出血熱
三 痘そう
四 南米出血熱
五 ペスト
六 マールブルグ病
七 ラッサ熱
3 この法律において「二類感染症」とは、次に掲げる感染性の疾病をいう。
一 急性灰白髄炎
二 結核
三 ジフテリア
四 重症急性呼吸器症候群(病原体がコロナウイルス属SARSコロナウイルスであるものに限る。)
五 鳥インフルエンザ(病原体がインフルエンザウイルスA属インフルエンザAウイルスであってその血清亜型がH五N一であるものに限る。第五項第七号において「鳥インフルエンザ(H五N一)」という。)
4 この法律において「三類感染症」とは、次に掲げる感染性の疾病をいう。
一 コレラ
二 細菌性赤痢
三 腸管出血性大腸菌感染症
四 腸チフス
五 パラチフス
5 この法律において「四類感染症」とは、次に掲げる感染性の疾病をいう。
一 E型肝炎
二 A型肝炎
三 黄熱
四 Q熱
五 狂犬病
六 炭疽
七 鳥インフルエンザ(鳥インフルエンザ(H五N一)を除く。)
八 ボツリヌス症
九 マラリア
十 野兎病
十一 前各号に掲げるもののほか、既に知られている感染性の疾病であって、動物又はその死体、飲食物、衣類、寝具その他の物件を介して人に感染し、前各号に掲げるものと同程度に国民の健康に影響を与えるおそれがあるものとして政令で定めるもの
6 この法律において「五類感染症」とは、次に掲げる感染性の疾病をいう。
一 インフルエンザ(鳥インフルエンザ及び新型インフルエンザ等感染症を除く。)
二 ウイルス性肝炎(E型肝炎及びA型肝炎を除く。)
三 クリプトスポリジウム症
四 後天性免疫不全症候群
五 性器クラミジア感染症
六 梅毒
七 麻しん
八 メチシリン耐性黄色ブドウ球菌感染症
九 前各号に掲げるもののほか、既に知られている感染性の疾病(四類感染症を除く。)であって、前各号に掲げるものと同程度に国民の健康に影響を与えるおそれがあるものとして厚生労働省令で定めるもの
[終わり]
ということで、5類感染症の最後に省令委任がありますが、ほとんど法制化されています。
また、この法律の前文は、感染症予防と国政府、県など「公」の責務を描いた名文に感じました。ちょっと全文引用してみます。
[感染症予防法前文を全文引用はじめ]
人類は、これまで、疾病、とりわけ感染症により、多大の苦難を経験してきた。ペスト、痘そう、コレラ等の感染症の流行は、時には文明を存亡の危機に追いやり、感染症を根絶することは、正に人類の悲願と言えるものである。
医学医療の進歩や衛生水準の著しい向上により、多くの感染症が克服されてきたが、新たな感染症の出現や既知の感染症の再興により、また、国際交流の進展等に伴い、感染症は、新たな形で、今なお人類に脅威を与えている。
一方、我が国においては、過去にハンセン病、後天性免疫不全症候群等の感染症の患者等に対するいわれのない差別や偏見が存在したという事実を重く受け止め、これを教訓として今後に生かすことが必要である。
このような感染症をめぐる状況の変化や感染症の患者等が置かれてきた状況を踏まえ、感染症の患者等の人権を尊重しつつ、これらの者に対する良質かつ適切な医療の提供を確保し、感染症に迅速かつ適確に対応することが求められている。
ここに、このような視点に立って、これまでの感染症の予防に関する施策を抜本的に見直し、感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する総合的な施策の推進を図るため、この法律を制定する。
[終わり]








