[訃報]本岡昭次・第24代参議院副議長 マクロ経済スライド改正年金法で天下の奇策、岡田民主党の改選第1党につながる

  • 2017-4-13
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[写真]本岡昭次さんが、国会議員要覧(平成16年2月版、国政情報センター刊行)から一部キャプチャ。

 本岡昭次(もとおか・しょうじ)第24代参議院副議長が、さる平成29年2017年4月10日(月)亡くなったそうです。朝日新聞などが報じました。享年86。

 昭和55年1980年から平成16年2004年まで、参議院議員を4期つとめました。日教組出身で、兵庫選挙区選出。

 副議長在任中の第159回通常国会最終盤の、平成16年2004年6月5日(土)の午前4時過ぎに、議長不信任案の採決にあたり、副議長が議長席に座ったとたんに「散会」を宣言する奇策で、マクロ経済スライド導入の改正国民年金法成立に抵抗しました=議事録後掲=。

 その1か月前に急きょ登板した、岡田克也民主党代表(ネクスト首相)は、「選対も国対も連合任せ」(毎日新聞)などと揶揄されました。この参議院の奇策には賛否両論ありながらも、会期後の第20回参院選岡田克也代表は親友である笹森清会長率いる連合と連携し、折からの第1次岡田ブームもあり、大躍進し、改選第1党に。この選挙で当選した蓮舫議員らの任期は2010年まででしたから、2009年の衆参両院での民主党国民新党などでの過半数政権交代につながりました。

 この2004年通常国会では、民主党山本孝史参議院厚生労働委員会筆頭理事、森裕子議員らが反対一辺倒で奮闘。その後、2012年通常国会で、岡田克也副総理が法律の内容を一部評価し、3党合意につながりました。2015年、塩崎厚労相が初めて年金マクロ経済スライドを発動すると、年金受給者から「何事が起きたのか」と不安の声が出て、主導した公明党議員ですら「名前を変えられないか」と意見しました。 

 天下の奇策の議事録は以下の通りです。

参議院会議録から抜粋引用はじめ]

第159回国会 本会議 第28号
平成十六年六月五日(土曜日)
   午前零時十一分開議
(略)

議長(倉田寛之君) これより会議を開きます。

(略)
議長(倉田寛之君) これにて休憩いたします。
   午前一時四十四分休憩
   午前四時二十一分開議
○副議長(本岡昭次君) 休憩前に引き続き、会議を開きます。
 これにて本日は散会いたします。
   〔副議長退席〕
   〔議長着席〕
○議長(倉田寛之君) 先ほど副議長が散会を宣告いたしましたが、これは本院規則第八十二条の規定に反し、無効でありますので、会議を続けます。
 藁科滿治君外十二名から、議長不信任決議が提出されております。
 本決議案は、直ちに審議を要するものでありますが、私の身上に関するものであり、また、本岡副議長にも事故があるものと認めざるを得ないので、議事を進めるためには、まず仮議長を選挙することになります。
 その準備のため、これにて休憩いたします。
   午前四時三十三分休憩

(略)

参議院会議録から抜粋引用おわり] 

 奇策にもかかわらず、法律は成立。この混乱にもかかわらず、会期末の6月16日、副議長及び議員勇退にあたって、議長のねぎらいの言葉や、本岡さんのあいさつが残っています。

参議院会議録から抜粋引用はじめ]

第159回国会 本会議 第31号

平成十六年六月十六日(水曜日)
   午前十一時三十一分開議
(略)

○議長(倉田寛之君) これより会議を開きます。

(略)

○議長(倉田寛之君) 今期国会の議事を終了するに当たり、一言ごあいさつを申し上げます。
 去る一月十九日に召集されました今常会は、会期終盤に各会派間で緊張が高まる局面もありましたが、本日、百五十日間にわたる会期を終了する運びとなりました。
(略)
 さて、本年は本院議員の改選期に当たり、皆様の半数の方々は来る七月二十五日をもって任期を満了されるわけであります。とりわけ、今回の改選を機に勇退される皆様には、長年にわたる議員生活の御労苦を多とするものであります。

 本岡副議長におかれましては、三年間副議長をお務めになられ、また、二十四年の長きにわたる参議院議員としての任期を全うされ、今期限りで御勇退なされます。(略)
 ありがとうございました。
   〔拍手〕
 副議長本岡昭次君から発言を求められております。発言を許します。本岡昭次君。

本岡昭次君 副議長を退任するに当たりまして、お礼のごあいさつを申し上げます

 先ほどは、議長から御丁寧なごあいさつを賜り、ありがとうございました。


 平成十三年八月、私にとって望外のことでありましたが、副議長に選任され、この三年間、井上、倉田両議長の下で何とかその大任を果たすことができました。これもひとえに、議長を始め議員各位の温かい御友情と御支援のたまものでございます。高いところからではございますが、心より感謝を申し上げます。


 副議長の三年間に、世界各国要人の表敬を参議院として議長とともに百三十五回受けました。国の数では三十九か国にも及びます。倉田議長と機会を見ては、世界に誇れる被爆国日本の平和主義の問題や、アジアの発展と平和を求めてアジア上院議長会議開催の問題など、参議院の二十一世紀における議会外交の重要性について熱っぽく語り合ったことが忘れられません。

 私事でございますが、私は今期をもって引退いたします。政権交代を可能にする民主主義を目指し、政界再編の戦国時代を生き抜いた四期二十四年間であったと思っています。その志道半ばでございますが、悔いはございません

 また、消費税廃止法案、阪神・淡路大震災の被災者生活再建支援法案、三十人学級法案等、野党の立場から参議院より議員立法を提出し、参議院の存在と権威を高める政策活動として展開してまいったことも思い出深いことでございます。

 先輩、同僚議員の皆さんとは、時として民主主義の発展を願い立法府の権威と国民の信頼を高めていこうとする政党人として激突する場合がございました。この間、皆様方から賜りました幾多の御厚情を顧みるとき、感慨ひとしおでございます。ここに謹んでお礼を申し上げる次第でございます。


 今、国内外の情勢は誠に多難であり、参議院に対する国民の期待はますます高まっております。どうか皆様方におかれましては、御自愛の上、参議院の権威高揚と参議院改革により、二院制の下で議会政治発展のため更に御尽力くださいますようお願い申し上げまして、私のお礼のごあいさつとさせていただきます。

 ありがとうございました。

(後略)

参議院会議録から抜粋引用おわり] 

このエントリーの本文記事は以上です。

(C)2017年、宮崎信行。

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