大変残念な川端答弁 沖縄一括交付金(3000億円)創設へ最後のせめぎ合い

  • 2011-11-18
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[画像]公明党参院幹事長の木庭健太郎さん、2011年11月14日、参院沖縄および北方問題特別委、参議院インターネット審議中継から。

【2011年11月14日(月)参議院・沖縄及び北方問題に関する特別委員会】

 衆参には、「沖縄・北方特別委」が設置されています。政府の重視姿勢は変わりませんが、逆に法制度がしっかりできているので、このところは新しい法案が提出されず、やや開店休業の感があります。

 参院の沖縄北方特別委(委員長は自民党岸信夫さん)は14日、一般質疑を行いました。公明党参院幹事長の木庭健太郎さん(コバケン)が質問に立ちました。答弁者は、総務大臣(兼)沖縄および北方担当大臣である川端達夫さん(衆院滋賀1区)。ちなみに橋本行革後に、「総務大臣(兼)内閣府沖縄担当大臣」、橋本行革前に「自治大臣(兼)総理府沖縄担当大臣」は例がないでしょう。これは、民主党マニフェストにある「地方一括交付金」を、内閣府沖縄振興局から沖縄県庁に渡し切る制度を平成24年度(2012年度)当初予算から新しい予算コードで創設するためのシフトでしょう。

 この私の推測からすると、コバケンの冒頭の質問は私の考えに沿うモノでした。

 コバケン
 「私ども公明党も新たな沖縄振興策を検討するとき、重点になるのは、沖縄振興一括交付金の創設だと思っています。これを創設することは内閣府としても確認しているいうことで、やはり(沖縄県庁が)主体的に振興計画を策定し、その権限と責任のもとに施策をやろうとすれば、そういったもの(お金)が担保になるんだと思います。しかし、この一括交付金が沖縄(県)のみで他の地域(自治体)に先駆けてやるとなるならば、沖縄県が責任を持って使うことができるか、きちんと説明できることが必要になる。つまり、自由度の高い沖縄一括交付金となると、国の説明責任、県の説明責任はどうなるのか」。

 このコバケンの質問は、あくまでも地方一括交付金沖縄県庁で先がけてやるんだ、という意識がハッキリ出ています。これに対する川端大臣の答弁。

 「沖縄に関してより“深掘り”したかたちで一括交付金を創設したいのは、沖縄の置かれている地理的、歴史的、社会的背景のなかで、沖縄が大変厳しい状況にあるなかで、とくに沖縄をしっかりと振興させるのは国の責務です」


[写真]総務大臣(兼)沖縄・北方相の川端達夫さん。

 これでは、46都道府県は完全に分離した沖縄振興策であり、旧総理府沖縄開発庁長官時代と考えが変わっていません。沖縄の経済水準は低く、「本土並み」に引きあげるのが長年の政府の仕事でしたが、コールセンターなどの振興策で、沖縄経済は全国的にも有数の人口、生産、消費の伸びを見せています。失業率は厳しいですが、人口は伸びており、沖縄は今やトップランナーの感もあり、川端さんの考えは明らかに時代錯誤です。そして、

 「沖縄(県)が主体となって計画を立てて頂きたい、しかし、それは国と一定の協議をするなかで、国としても責任を負いたい。そして、使い道は目的に沿って使われたということが証明されなければならない」としました。これでは、政府と沖縄(県庁)との「ヒモ(紐)」をこれからも維持したいという考えであり、それなら今までの施策で十分です。

 コバケンは、内閣府沖縄振興局の積み上げた数字が2307億円だとして、沖縄県仲井眞弘多知事(や民主党岡田克也最高顧問)らが求めている「3000億円」が当初予算の見積もり(概算要求)で、予算コードの新設だけ求めて金額が空白の「事項要求」となっている理由を質しました。そのうえで、コバケンは「自由度のあるものについては、金額もある程度しっかりしたものを出すべきです。大きな枠組みを一気にやるということもあると思いますよ」と述べました。

 なんだか、コバケンの方が、民主党マニフェストに沿ったことを言っています。

 園田康博内閣府政務官民主党衆院岐阜3区)は「全国的な地方一括交付金改革のなかで、沖縄の特殊性も踏まえ、深掘りしていきたい」と半分分かっていて、半分分かっていない、いかにも「中間管理職」という答弁。

 コバケンは「川端大臣ね、その辺のところをしっかりと見ておいてもらわないと。やはり官僚の人たちは今までの流れを踏襲したい(紐付き補助金を継続したい)という考えもあるわけですよ」と示唆します。さらに「新しいものをやるんだから、例えば、沖縄(県)の要求する3000億円をボーンっとやってみろ、という考え方もあると思いますよ」

 川端大臣は、「自由度が100%で、3000億円を一気に使うとなると、どのように使われるかということで、今までの(内閣府沖縄総合事務局の)施策とのジレンマとの整合性が問われます」としました。

 川端さんは、このひも付き補助金を引っこ抜く、ついては、内閣府地域自主戦略交付金のスキをついて、内閣府の予算を一括交付金にしてしまうという「桶狭間」を理解できていないようです。これは官僚に洗脳されているからでしょう。とはいえ、冒頭の「沖縄は特殊」発言もいただけません。そうではなくて、地方分権地域主権)改革の話なんです。

 コバケンは、「内閣府の沖縄振興局の権限を沖縄県(庁)に移行していくという考えもあるようでございます」として、「沖縄県内で完結する事務については、基本的に沖縄総合事務局から県に移譲すべきだと考えている」とビミョーなところに迫ります。そのうえで、「国と県のパイプ役も必要だ」と現実的な指摘もし、園田政務官は「(国家公務員である沖縄総合事務局の)職員の雇用も含めて幅広い観点から取り組みたい」と述べました。

 先日の政府・東電統合会見で、園田政務官がバッシングにあいましたが、園田政務官はバランス良く、沖縄県庁と霞が関を調整している感じでした。一方で、川端さんは「外国人観光客は思ったより伸びていない」「コールセンターなど情報産業は伸びている」とあまり関係ない答弁が続き、残念でした。

 今の一般会計で3000億円は大きいですが、この一気にボーンと3000億円を強行突破することで、地方分権地域主権)は大きな弾みがつくと感じます。また、遅ればせながら、骨抜きにされた2009マニフェストを少しだけ、47都道府県中1県だけですが、実現することができると考えます。

 川端さんは誰のおかげで再入閣できたと思っているんですか。初入閣の文部科学大臣では長広舌とは言え安定した答弁で、マニフェスト4kのうち「高校授業料無償化」の実現に成功しました。ここは死ぬ気でやってください。どうも分かっていないようなんですが、桶狭間なんですよ。園田政務官は勘所を理解しているようですから、官僚抜きの政治家同士で話し合い、熱田神宮で整列して政府原案決定までの残り1ヶ月死ぬ気でやってください。3000億円をボーンッとやってみろ!

当ブログ内関連エントリのご紹介
【用語解説】「沖縄振興一括交付金」は“普天間”とまったく無関係

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