
国会議員経験者の裏金の裁判がスタートしました。先月まで参議院議員だった大野泰正さんと、会計責任者ではない政策担当秘書だった岩田佳子さん。傍聴券には、水曜午後1時にもかかわらず暇人が大集合、かくいう私も久々にあたり、一般傍聴席で取材しました。
大野さんは、ドットが入った黒いネクタイで、上下ともグレーというより黒いいでたちで、ほっそりした印象ですが、やつれてはいませんでした。岩田さんは少し憔悴したようす。
人定では大野さんは「昭和34年5月31日生まれ」とし、福家康史裁判長の「職業は」との尋問に「仕事は無職です」と述べました。岩田さんも「昭和38年」などと語り「無職です」と語りました。
検察官は冒頭陳述で、大野さんの政治資金団体「タイシカイ」に清和会から「寄付」があったとしました。例えば、令和4年ならば、1006万円の寄付があり、それを含めて1436万円の収入があったのに、430万円と記載した政治資金規正法の虚偽記載をした疑いがあるとしました。他の年もすべてこのパターンでした。
検察官は、岐阜事務所(羽島市)、東京事務所(会館)を通じて、イシグレエミコさんが会計をしていたとしつつ、岩田さんは会計責任者ではないが、大野さんの飲食費の領収書をどの団体で処理するかの案を判断する立場にあったので起訴されたとの趣旨の説明をしました。会計責任者のオガワオサムさんは支援者に過ぎないとしました。
検察官は、清和会はパーティー券のペーパーに通し番号を振り、議員に封筒で渡し、エクセルですべて管理していたとしました。そして、ノルマ超過分のキックバックは「受取証」を議員に見せて、金額を確認したうえで、現金で渡していたとしました。大野議員は、例えば令和4年なら9月2日ごろに、松本・清和会事務局長から現金1006万円を受け取り、996万円をりそな銀行衆議院支店にある大野個人名義のクレジットカード決済用口座にいれて、クレカ決済に充てていたとしました、その翌年、松本事務局長から「今年から、大野泰正政経フォーラムの収入が多かったことにしてくれないか」との無理筋の要望があり、やがて事件化したとしました。
被告人側弁護士は「この裁判は裏金を解明する裁判ではない」としました。そして、元国税庁職員で政策担当秘書の免許を持ち立正大学教授の山下学さんが政策顧問となっており、政策秘書からの相談を受けた山下さんが大野さんに「預り金ということにしてほしい」と助言していたと弁護士は語りました。預り金とは、清和会から「返してほしい」と言われれば即時に累積額を融通し、清和会から退会する際には全額累積額を即時に返却できるようにしてほしいとし、大野さんも認識していました。このため、「タイシカイ」の繰越金は常に「預かり金」の累積総額より多い水準を保つことが事務所の共通目標だったとしました。その警戒感もあって、歳費と文通費(当時)が振り込まれる口座は、大野さんが通帳を持ち、引き出さずに時々確認するだけだったとしました。この場合、裏金の入金額より手つかずの歳費の方が多いことにもなり、所得税なども払っていたことになります。これを、被告人側弁護士自ら「大野流会計術」と名付け、「世間は裏金というが、大野さんは下っ端の議員で、巻きこまれただけだ」としました。岐阜でパー券を売っていたのは高井雅之・公設第一秘書1人だと明かし、大野伴睦・大野明・大野つや子3世代の世襲で「販売額が大きいのが悪いことではない。検察が額の大きさで起訴したのは形式的であり、政治資金規正法の違反だけというのは本質から遠い」「大野さんは政治家になる気はなかった」としました。今後は、現金を個人口座に入れる際に「清和会からの寄付」と大野、岩田両被告が認識し、共謀していたか問われることになりそうです。
公判前整理手続きにもとづき、今後の日程も発表されました。
9月25日、26日には、有罪が確定した松本元清和会事務局長が証人尋問されますから、自民党総裁選中となりました。
その後は、きょう出てきた各秘書の証人尋問が、およそ10回延べ11日程度続きます。そして、来年1月15、16両日に岩田被告、1月23日などに大野被告の陳述。3月26日に論告弁論が設定されました。どうやら、結審、判決は、通常国会末から夏にかけてということになりそうです。

自民党総務会は前倒し総裁選を、2025年9月22日(月)告示、10月4日(土)投開票とすることを決定しました。前日の野党国対の「9月」を拒みました。
これを受けて、衆議院野党全党派は、臨時国会召集要求書を額賀議長に提出しました。衆の過半数によるのは現行憲法53条でおそらく初めてかもしれません。
あすは、参議院議長に対しても、参議院野党全党派が提出する予定。会派「沖縄の風」も署名しますが、提出時に限り不在の見通し。
立憲民主党はあす午後1時から両院議員総会を開き、インターネットですべて配信されます。
以上です。
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