
対決でなく修正になった少数与党国会ですが、いきなりクライマックスが来ました。「米を買ったことがない」江藤拓農相の不信任決議案を、立憲・維新・国民・令和・共産の国対が一致。230議席となりました。有志、参政、日本保守のうち1会派でも賛成に回れば可決されます。先月盛り上がりにかけた党首討論。あす午後3時から野田佳彦代表は2項目目で江藤さんの「更迭」を首相に迫ります。発言次第で、野党は少なくともきょうの5党以上が集まり、あす中にも不信任決議案を提出。「自公+維、国、立」の3天秤国会は転換期を迎えます。同時に、公務員の給料が米でなく金に変わってからの150年の明治維新総決算国会ともなりそうです。
【衆議院本会議 令和7年2025年5月20日(火)】
「環境影響評価法改正案」(217閣法51号)は可決し、参に送られました。「10年後見直し規定」を5年後にする修正案を立憲が出しましたが否決され、政府原案通りになりました。
「改正風俗営業法」(217閣法47号)は可決し、成立しました。ホストやスカウトの罰金を3億円に引き上げ。審議では買春の罰則化の法務省内チームをつくるよう求められましたが、同省は拒みました。
「労働施策総合推進法改正案」(217閣法50号)は衆議院修正で可決しました。修正の文章は短いですが、フリーランスも対象にするので大きな修正となります。
「令和5年度の予備費使用総調書」の4件(216承諾1乃至4号)は賛成多数で承諾を与える物としました。開催中の参議院決算委員会で、次回にも付託され、会期内に両院承諾となる見通し。
この後、重要広範議案「年金法改正案」(217閣法59号)が福岡厚労相から趣旨説明され、首相らが答弁しました。
立憲の井坂信彦さんは、給与所得者の社会保険料の不満の高まりや玉木さんの「手取りを増やす」のブームを受けてか、世論の盛り上がりに誤りがあると指摘しました。井坂さんは「私たちが修正提案する(予定の)厚生年金等の底上げはこういう内容です。これまでも厚生年金のお金は厚生年金加入者の2階の報酬比例部分と1階の基礎年金部分の両方に投入をされていました。今後はこの1階の基礎年金部分に多めに投入するよう配分割合を変えようというのが提案であります。基礎年金部分が増えれば自動的に国庫負担分も増えます。この修正が実現すると、果たして厚生年金加入者の年金額は減るのでしょうか。実は多くの場合、増えるのです」と語りました。
これはその通りで、今次改正法案には入っていませんが、国民年金と厚生年金1階は、共通ですから、合併して厚生年金の報酬比例部分の積立保険料を基礎年金に入れても、報酬比例部分が大きく減ることはありません。むしろ、生活保護に移行した場合は、その国費負担はほとんどが現役給与所得層のその年の納税が財源となります。
が、ここで私を声を大にして言いたいのですが、基礎年金を3割かさ上げしたら、その半額はその年の消費税収が財源ですから、税率は13%になると予想されます。しかもその3%分は、枝野幸男さんの大旦那の自治労にはいかないお金です。これに関する修正案を出すことは「平成21年改正所得税法附則104条に政治生命をかけた野田佳彦首相」の二の舞になります。
平成21年改正所得税法附則104条とは次の内容です。
「政府は、基礎年金の国庫負担割合の2分の1への引上げのための財源措置並びに年金、医療及び介護の社会保障給付並びに少子化に対処するための施策に要する費用の見通しを踏まえつつ、平成20年度を含む3年以内の景気回復に向けた集中的な取組により経済状況を好転させることを前提として、遅滞なく、かつ、段階的に消費税を含む税制の抜本的な改革を行うため、平成23年度までに必要な法制上の措置を講ずるものとする。この場合において、当該改革は、2010年代(平成22年から平成31年までの期間をいう。)の半ばまでに持続可能な財政構造を確立するものとする」。
財務官僚出身である藤井裕久さんも、政権交代前の「附則104条」など新国会で廃止法案を成立させれば十分だと指南しましたが、ザイム真理教の洗脳で、野田さんは「附則104条」に政治生命をかけて、民主党が崩壊しました。これが社会保障と税の一体改革の真実です。
今回、自公立3党修正案を提出したら、立憲民主党は解党するその日まで、消費税増税政党のそしりから逃れることはできないでしょう。党存亡の危機です。それほどの重大事項です。マクロ経済スライドを即時に廃止してGPIFの250兆円を取り崩せば、ことは簡単です。
【衆・厚労委】
「年金法改正案」(217閣法59号)の趣旨説明だけ行われました。なお、本会議から付託された「医療法改正案」(217閣法21号)の趣旨説明を飛び越しました。
【参・第一種常任委員会】
まず、●文教科学委員会ですが、「給特法改正案」(217閣法9号衆議院修正)はつるされており、あすの本会議で、斎藤嘉隆・国会対策委員長自ら質問することもあり、きょうは開催されませんでした。法案審査では、古賀ちかげさんも差し替えで質疑する見通し。
●総務委は「電気通信事業法及びNTT法改正案」(217閣法54号)を可決すべきだと決めました。あす成立のはこび。
●外交防衛委は「防衛省設置法改正案」(217閣法16号)を可決すべきだと決めました。隊友会は、3年前に現職の宇都隆史さんが落選しましたが、やはり当事者が減ると政策実現能力が下がるものだと垣間見ることもありました。この後、「BBNJ条約」(217条約11号)「ILO155号条約」(12号)「1995年の漁船員訓練、資格証明及び当直基準条約(STCWーF)」(13号)が審議入りしました。
●農林水産委は「森林経営法など改正案」(217閣法31号)を可決すべきだと決めました。
●国土交通委は「マンション管理再生円滑化法及び区分所有法改正案」(217閣法34号衆議院修正)が中野洋昌国土交通大臣と、森山浩行衆議院議員から趣旨説明されました。
●法務委は「民事裁判情報活用法案」(217閣法42号)が趣旨説明されました。
●経済産業委は「GX経済移行法改正案」(217閣法28号)が趣旨説明されました。衆議院段階では、岡田克也委員から、「GX移行債20兆円を返せるのか」との質問が出て、私は衝撃を受けました。
●厚生労働委は、一般質疑のみ。
●あすの政局 午前10時から参議院本会議。午後3時からの党首討論の2項目で野田佳彦さんが農相更迭を首相に要求。仮に拒めば、農相不信任決議案をあすにも提出。上述の通り230票が固まっており、有志、参政、保守のいずれかが賛成すると可決されます。少数与党国会で最初の事例となります。
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