立憲民主党「決算」に黒田東彦・日銀総裁を9年目で初めて呼ぶ、財務省「欠損・債務超過は日銀法がそもそも規定していない」黒田さんは「物価安定目標2%」を強調し逃げ切り有力

[写真]日本銀行本店、東京・中央区日本橋本石町、6年前の2016年6月、宮崎信行撮影。

 ウクライナ侵略と、米・欧の金融緩和終了とバランスシート圧縮・利上げによって、円安が進行。黒田東彦日本銀行総裁の10年間の任期が残り1年で切れることもあり、衆議院での「決算承認案の審査」に初めて日銀が呼ばれました。

衆議院決算行政監視委員会 きょう令和4年2022年4月18日(月)】
 原口一博さんが委員長。「平成30年度決算承認案」「令和元年度決算承認案」の総括質疑となりました。

 立憲民主党金城湯池「神奈川県連」の篠原豪さん、青柳陽一郎さんコンビが登場。この後、藤岡隆雄さん(栃木4区比例)が登場。この方はだいぶ前から名前を知っている印象ですが、意外にも初当選の1期生。たしか、みんなの党・栃木の渡辺喜美元金融相とともに売り出していた気がしますが、あくまでも立憲民主党公認で初当選したフレッシュな議員。

 藤岡さんは金融庁出身も含めてか、黒田東彦日銀総裁参考人に呼びました。藤岡さんは「日本だけ量的拡大を続けて、利上げできないのは積み上げた金融政策のジレンマだ」と強調。鈴木俊一財務大臣が先週金曜日の会見で「悪い円安」と表現したことについて藤岡さんは審議時点で1ドル126円台と過去50年間で最も安くなっていると指摘すると、黒田さんはセクターごとで違うが、「過度の変化は、企業の事業計画の策定が難しくなる」との弊害があるとし、国民生活には言及しませんでした。

 藤岡さんは財務省の岡本三成副大臣に質問し「日銀法は剰余金が出た期はその5%を基金に積むことを義務付けているが、損失が出た期に繰延ができるかどうかについては規定がそもそもない」との答弁を得ました。鈴木大臣は「日銀の(バランスシートの)債務超過を禁じる日銀法の規定はない。そのときの金利や為替に左右されるので、財務省は念頭においていない」と応じました。

 そのうえで、藤岡さんが(量的緩和をやめるという)出口戦略がないのではないかと指摘すると、黒田さんは「いわゆる出口戦略うんぬんですが、2%の物価安定目標が達成されれば、議論する」とし「現状そういう状況はありませんので、現在の金融総動員を続けていく」と述べました。

 黒田さんは残り1年逃げ切れそうです。日米での為替と金利の差による影響が拡大しても、緩和マネーが余っているので、政府がさらに国債を追加発行してお金を調達して、国民に給付する余地はまだかなりあります。例えば日本人による運行の特約付きで新幹線を海外ファンドに売って現金を得る必要などまったくなく、政府はまだ数百兆円の国債を歳入にできるわけで、円安がさらに進む可能性はありますが、給付金で生活を底支えする余地はかなりあります。財務省と日銀で、五百兆円玉を発行してしまうなど方法論は多様です。

 しかし、黒田さんが衆議院決算行政監視委員会に呼ばれたのは合計2回目。前回は予備費使用総調書の審議時で、「決算承認案」の審議に日銀が出てきたのは、アベノミクス10年で初めて。

 財務省の執行残、巨大予備費など、量的緩和とコロナで財政民主主義は大きく変質しました。今後は、日銀の「政府の子会社化」がより進みますので、こういう機会も増えそうです。

 次回のこの委員会の日程は未定ですが、テレビ入りになると思います。

参議院決算委員会 同日】
 「令和2年度決算承認案」の省庁別審査4日目となりました。ところで、予備費使用総調書が衆議院から送られましたが、まだこちらの審議入りは無いようです。

 省庁別審査は外務省、防衛省など。

 羽田次郎さんが、4月13日の憲法審査会、14日の外交防衛委員会に続き、きょう16日の当委員会にも登板。5日間で3回目の発言となります。第一委員会室ではありませんでした。

 羽田さんは「Tー4練習機の救命無線機の寸法が合わず、返品。その後に、翌年度も同じものを納入され、また返品したのではないか」と指摘し、岸信夫大臣は「情けないことです」との一言から答弁しました。他の委員からもつい先日、空自小松基地のFー15の主力パイロットら2名が離陸直後に機体がバラバラになった事故との兼ね合いから責任感が不足しているとの指摘が出ました。

 次回は1週間後。

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