【10/8国会まとめ】岸田文雄首相30分未満の短い所信表明演説で「成長なくして分配無し」の前世紀の宏池会吉田ドクトリンを提示

[写真]陰湿な宏池会秘書軍団と警視庁本部警護課・高輪署警備係による取材妨害のため、不鮮明にしか映らなかった岸田首相、2021年9月29日、東京・グランドプリンスホテル新高輪で宮崎信行撮影。

 岸田文雄首相はけさの閣議で数十兆円規模の経済対策のとりまとめを指示。とりまとめ自体が選挙後になり、その後第1次補正予算案が編成され、第206回国会などで審議され、年内成立のはこび。それを所信の中で表明しました。

衆議院本会議第1ラウンド きょう令和3年2021年10月8日(金)】

 組閣と委員長辞任に伴う、3常任委員長の選挙。内閣委員長に上野賢一郎さん、文部科学委員長に宮内秀樹さん、安全保障委員長に長島昭久さんが選出されました。3期生から3人入閣しまししたが、宮内さんは副大臣をしていましたが、常任委員長になるのは3期では珍しいかもしれません。

 これに先立つ、維新公認転出のために辞職した自民党比例議員の繰り上がり当選として、小松裕さんが当選しました。解散までの短い任期。4月の参院長野県区補選では立憲民主党公認の羽田次郎さんに大敗しましたが、五輪メダリストを社員として抱える日本病院会長(松本市)の応援演説などを得ました。今月の衆院選では長野1区は若林健太・元参議院議員自民党公認として、立憲民主党現職の篠原孝さんに挑みます。ですから、小松さんの今後は不明。

 最後に、渡部恒三元副議長と葉梨信行さんへの弔詞が朗読されました。

衆議院特別委員会 同日】

 特別委員長互選。災害対策は小里泰弘さん、倫理選挙は川崎二郎さん、沖縄北方は西村ちなみさん、拉致は三原朝彦さん、消費者は永岡桂子さん、科学技術は田嶋要さん、復興は根本匠さん、原子力渡辺博道さん、地方創生は伊東良孝さん。

【開会式 同日】

 天皇陛下徳仁)出席のもと、来週引退する大島理森議長があいさつ。内外の諸情勢は、いったいいつまで厳しいのでしょうか。

衆議院本会議 第2ラウンド 同日】

 大島議長が「内閣総理大臣から所信について発言を求められていますので、これを許します」。

 岸田首相は「私が書き溜めてきたノートには国民の切実な声があふれています」と聞く力を強調。岸田さんは「私が目指すのは新しい資本主義の実現です」と打ち出しました。そのうえで「成長をめざすことは極めて重要であり、その実現に向けて全力で取り組みます。しかし、分配なくして成長なし。成長の果実をしっかり分配することで次の成長につながります」とし、新しい資本主義実現会議を設置するとしました。

 政府与党首相としておそらく初めて、「成長戦略」以外に「分配戦略」という単語をはじめて使用。岸田さんは「株式だけでなく従業員や取引先も恩恵を受けられる三方よしの資本主義」に向けて「労働分配率向上に向けて賃上げをした企業に対する税制優遇を導入する」としました。

 私の試算では、アベノミクスにより、東証1部上場企業の株主配当は、毎年5兆円増えています。この5兆円を労働分配率に回した場合、東証1部上場企業正社員の年収300万円アップ、就業者全員にならすと月収2万円アップになります。人種・国籍は分かりませんが、株主に回すより、従業員に回した方がGDPは間違いなく上がり、岸田さんの言うことは間違っています。日米同盟による軽武装・経済第一主義の吉田ドクトリンに基づく、宏池会伝統の「経済のパイを成長で拡大させれば、社会党の主張する社会福祉政策を、その3年後に政府・自民党が取り込んで実現させる」という自民党が結党以来38年間政権を担うことができた、宮澤喜一宏池会会長の時代まで通用した古い理論です。

 最後に「早く行きたければ一人で進め。遠くへ行きたければみんなで進め」とのことわざでしめくくりました。

 来週月曜日からの代表質問に期待します。

参議院本会議 同日】

 院の構成は終わっていますので、1ラウンドだけ。まず、衆院選転出に伴い、中西健治さんの辞表を参事が朗読し、認められました。中西参議院議員というと、小西洋之さんの安倍晋三首相に対する「憲法クイズ」の後に小西さんを小馬鹿にして「私は暫定予算案の審議をします」とした印象が、私のなかで最も強烈なままでした。というか、ねじれ解消が当たり前で、暫定予算案というものが何か知らない人も多そう。昔日の感です。

 この後、岸田首相の所信表明がありました。30分未満と短かったです。一年前の菅義偉首相の参議院での所信表明は傍聴席から見ましたが、45分前後で、全方位から野次られていました。マスク姿で苦しく見えましたが、岸田さんもマスク姿でした。蓮舫さんの野次が通っていました。

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