
「岡田・李克強会談(おかだ・りこくきょうかいだん)」が開かれ、地球温暖化(Climate Change、気候変動)に関して前進がありました。
日本の新聞はほとんど報じていませんが、同会談で、李副首相は
「(中国は)持続可能な発展(Sustainable Development)の道を歩み、資源節約と環境保護の度合いを強める」と明言しました。
人民日報の電子版サイトの「人民網」などを見ると、李さんは同様の発言を時折、国内でしているようです。とはいえ、日本の政権準備政党の副代表と膝を交えて発言したということは、それ自体、意味があります。外交ですから。
李さんの発言を記録として残す、ということは大きいと思います。
岡田克也さんのブログ(岡田かつやTALK-ABOUT)と新華社(李诗佳記者)が伝えています=中国大使館HPの「李克強副首相、岡田民主党副代表と会見」 と題した記事で日本語訳を読めます=。
◇
李克強(り・こくきょう)さんは53歳。中国共産党の政治局常務委員で国務院副総理(副首相)で、次の中国のリーダー争いのナンバー1、2につけているとされます。
胡錦涛さんの次の総書記は、2012年ないし2017年の共産党大会で就任するスケジュールになっています。胡さんは共青団の“後輩”の李さんと、太子党(共産党エリート子息グループ)の習近平(しゅう・きんぺい)国家副主席を競わせて、どちらかを後継者にすると予想されています。
ここまで書けば、賢明な方はお気づきだと思います。「岡田・李克強会談」は、近い将来、「日中首脳会談」と呼ばれる可能性があります。
地球温暖化という中長期的なテーマで両者がコンセンサスを得たことは、日中の温暖化対策にとって大きな意味があります。
◇
7月16日の中国・北京、人民大会堂での岡田・李克強会談のようすを新華社と岡田ブログから再現します。
冒頭、李副首相は「中国の汶川(ぶんせん)地震に民主党から同情と援助が寄せられたことに感謝」し、被災地の復興、中国の経済と社会の発展、気候変動(cimate change、地球温暖化)対応などの状況について説明しました。
岡田副代表が「温暖化問題をしっかり議論したい」としていくつか質問をしました。
李さんは「中国は科学的発展観を徹底させ、実行に移し、持続可能な発展の道を揺るぎなく歩み、資源節約と環境保護の度合いを強め、経済構造調整と成長パターンの転換を進め、国民経済の良好で速い発展をはかる」と表明しました。
岡田さん一行が、温暖化問題での実務者協議を希望していると聞いた李さんはすばやく支持を出し、その晩、中国環境相との会談(およそ1時間半)がセットされました。この辺の中国共産党幹部の対応はいつもながら見事です。
解振華・環境相と岡田さんの会談は昨年12月のインドネシア・バリ島でのCOP13(国連気候変動枠組み条約第13回締約国会議)以来、7ヶ月ぶりです。
岡田さんと解「環境相」の会談
解「環境相」は「中国は責任を共有しているが、差異ある責任だ」と発言。これは、先進国が2020年の中期目標を設定するよう促した発言のようです。
これは北海道洞爺湖G8サミットでの福田議長のていたらくを上手く突いて、中国の国益につなげるという巧みな発言だと思います。たしかに解さんの言う通りの面が大きいですから、なんともなりません。
民主党の地球温暖化対策本部長である岡田さんは
「民主党は2020年25%削減という目標をきちんと法律に書いて国会に提出した」と述べ、第169通常国会に提出した民主党の地球温暖化対策基本法案=審議入りせずいったん廃案=の内容を説明しました。同法案は170臨時国会にも提出する方針です。
【温暖化】排出権取引市場2010年創設 民主党、基本法案を提出
そして、具体的な手段としてキャップ&トレード方式の排出量取引制度の2010年度導入や自然エネルギーの数値目標の導入、温暖化対策税(炭素税)などを説明して、「我々はやる気であるということを反論した」そうです。
解さんは「中国も今一生懸命取り組んでいる」とし、「レジ袋の有料化を実現した」との成果を披露。解さんは「この前、市場に行ったら、まだそれが徹底されていないので改めて指示を出した」と話したようです。
“首脳会談”と“実務者協議”を同日に行った実りある訪中だったようです。
先進国である日本側が「基本法」などを先に作ってからでないと、地球温暖化対策での日中の話し合いは進まないでしょう。悠長に構えていられません。








