多数野党の参「店開き」迅速で、財金・文科・農水・経産・国交は衆より先に大臣所信を聞く

 国会は、高市早苗新内閣の閣僚から各常任委員会で「所信的あいさつ」を聞く時期となりました。7月の参院選(参政党・玉木ブーム)で「だいたい6議席ぐらい足りない」与党ですが、野党委員長らが紳士的に委員会を設定し、およそ5大臣は衆より先に参で所信的あいさつをすることになりました。

衆議院安全保障委員会 きょう令和7年2025年11月18日(火)】
 最も進行が早くなったのは、小泉進次郎防衛大臣の委員会ですが、安保委が最速なのは極めてまれです。自衛官人事院勧告は早くした方がいいという配慮は、公務員の労働組合の支持があつい旧民主党政権でもあり、その深層心理が続いているとみられます。
 3年前、立憲民主党の代表を辞めた枝野幸男さんが立ち上げた同党単独かつおよそ8割超が入会する最大の議員連盟自衛隊員応援議連」の幹部の渡辺周さん、重徳和彦さんらが質問しました。この中で、高市首相が示す対GDPあたりの防衛費の目標を達するには、補正予算案(来月中旬)で1・1兆円の追加が必要になるとしました。また、「熊(クマ)」対策の答弁も多く、自衛隊の任務が急速に新しいフェーズに入りました。沖縄のPFASをめぐって、共産のベテラン赤嶺政賢さんが「公明の金城泰邦さんが同じ質問をしている」とし、自公連立直後も、沖縄選挙区だけ全国で唯一、野党候補を共産、公明が推薦していた短期間に秋波を送りました。次回の開催は未定。

【衆・総務委】
 林芳正大臣が所信的あいさつをしました。「当面とくに力を入れて取り組みたい政策の方向性」として「緊急防災減災事業債と緊急自然災害防止対策事業債の期間を延長する」「Jアラートや住民非難など国民保護に万全を尽くす」などと語りました。閣僚経験者の堀内詔子副大臣もあいさつしました。

【衆・法務委】
 平口洋法相は所信的あいさつで、保護司法改正案の成立などを求めました。読み違いが合計3カ所あり、訂正・謝罪しました。あすは9時から質疑。とくに問題がなければ、その後、法案の趣旨説明がなされそうです。

参議院第1種常任委員会
 参議院議員は必ず一つずつ第1種常任委員会に属することになっており、実際には大臣は差し替わり続けることで委員席には座らなくていい配慮がなされています。法的根拠はありませんが、火曜日と木曜日の午前10時に始まります。総務と農林水産は衆側とかぶるので午後1時の場合もあります。外務省と防衛省の所管が合併しており、ここがボトルネックとして政局につながることがあります。

 ●財政金融委員会 総理側近の片山さつき財務大臣兼金融担当大臣が所信的あいさつをしました。「日本経済は緩やかに成長している」とし「総合経済対策を各省庁とともにとりまとめて、その裏付けとなる補正予算案を編成する」と述べました。また「日本の供給構造を強化して世界の資本が流れ込む好循環をつくる」「暗号資産を決済手段として法整備する」との語りました。2選した元北海道知事、高橋はるみさんが政務官として就任あいさつしました。

 ●文教科学委員会 衆議院より早く大臣の所信的あいさつがありました。大臣は松本洋平さんで、昭和48年度生まれで、小渕優子さんに続いて2人目の大臣となりました。私と同い年です。松本大臣がんばってください。松本さんは「誰しも最適な公教育を受けることができるよう質の向上をはかる」「次期学習指導要領の在り方について、多様なこどもを包摂するよう、中教審でていねいに議論する」とおよそ9年ぶりの改定に意欲を示しました。

 ●外交防衛委員会 野党・公明党の里見隆治委員長。茂木外相は「FOIP自由で開かれたインド太平洋を日本外交の柱とし、時代の変化にあわせる」、小泉防衛相は「例えば中国は核ミサイル戦力を含め軍事力を広範かつ急速に増強させ、東シナ海南シナ海で力による現状変更をしている」と語りました。小泉さんは「戦略3文書から3年が経ったが安全保障環境は急速に変化している」ともしました。小泉さんが安保3文書を戦略3文書と読むのが少しだけ気になりました。

 ●農林水産委員会 鈴木憲和農相の所信的あいさつでは、2項目目で「我が国の主食であるコメ(米)は一年一作であるからこそ、需要に応じた生産体制が必要だ」とし「先の見通せる農政」をめざすとしました。8月にとりまとめた令和の米騒動の価格高騰と要員と対応の検証をたたき台にして、「令和9年度以降の中長期的な対応」を今後つくっていくことに意欲を占めました。森山裕さんが自民党農政のドンになって以降では、最も米を語る大臣ということになりそうです。

 ●経済産業委員会 赤澤亮正大臣は「ガソリン税廃止での現場の混乱をできるだけ抑制する」「賃上げの原資にするため、取適法(下請法から改称)を執行する」と語りました。

 ●国土交通委員会 現職自民党議員では初の国土交通大臣となった金子恭之さん。内閣官房地方創生が弱くなったのを感じ取ってか「私はこれまでも政治家として地域の繁栄なくして国の繁栄なしと訴えてきた。国土交通行政は我が国の経済や地域、生活、生業に直結する」と語りました。また「八潮市の事故を教訓に、上下水道一体となった広域連携、官民連携を進め持続可能な上下水道システムをつくる」「複数自治体のインフラを群ととらえた地域インフラ群再生戦略マネジメントにとりくむ」とも語りました。

 ●内閣委員会も開かれました。

 ●法務委員会と厚生労働委員会 平口法相と上野賢一郎厚労大臣の所信は、衆側で先に語られており、同じ内容も参でも語りました。

 ●総務委員会と環境委員会 逆に、総務大臣環境大臣は衆側で所信を語りましたが、これに対応した参議院の委員会はきょうは開かれませんでした。

自民党政調全体会】
 「総合経済対策」の案を議論しました。金曜日に閣議決定の見通しです。仮に長期政権になると、ここに入ったかどうかは、かなり影響することになりそうです。閣議以前に、自民と維新の政策協議がどのような手続になるかは、正直、ちょっと分かりません。

[写真]聴衆の前で平然とひそひそ話をする林芳正総務大臣(撮影当時は外務大臣)、3年前、都内で、宮崎信行撮影。

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