さあいよいよ、復旧補正の審議がスタートです。
政府は2011年4月22日(金)の閣議で決定した「平成23年度第1次補正予算(案)」、すなわち東日本大震災「復旧補正」を、4月28日(木)に国会に提出しました財務大臣の野田佳彦さんが、財政演説を衆参本会議で行いました。また、異例ですが、提出日に財政演説に対する各党代表質問もやります。衆参・与野党の良識が感じられました。
さて、このエントリーでは、1次補正のフレームについて、解説したり、感想を述べたりします。
よく出来ている、というのが感想です。現時点での日本のおかれた立場を考えれば、ほぼ百点満点に近いと、私は感じます。もちろん、被災自治体にとっては、歳出の増額補正分に関しては、「すべてにおいて足りない」という感想でしょう。
予算書というものには、組んだ人間の思想が見て取れるところがあります。「人口動態推計」では、西暦2100年の日本の人口は7800万人程度と予想しており、それまで、一貫して人口の実数は下がり続ける「右肩下がり」になります。この「右肩下がり」の時代に、逆転の発想で、「小さくてもしなやかな日本」をつくる思想が見て取れるフレームです。やはり、財務省主計局は国士だし、野田大臣、そして、岡田克也さんの国家観・先行きの見通しがよくあらわれている良い予算だと考えます。この辺のところは、なかなか理解してもらえないのですが、まっすぐに、ひたむきに、応援していきたい国家観が1次補正から感じられます。

[画像]平成23年度第1次補正予算(案)のフレーム、財務省ホームページから
まず、新聞では「4兆円の補正」となっていますが、実際には補正後の平成23年度予算(一般会計)は歳入歳出とも3051億円増えるだけです。一般会計は歳出で4兆153億円を増額しながら、3兆7102億円を減額補正しています。さっぴき、当初予算と比べて3051億円の増額。補正後の平成23年度予算の一般会計総額は92兆7167億円になります。ただし、2次補正(復興補正)後の100兆円突破は確実と思われます。減額計上となっている、「旧鉄建公団をひきついだ独立行政法人からの溜まり金の国庫返納の2・5兆円」ですが、これは根拠法が成立していないにもかかわらず、当初予算ではすでに成立している項目です。当初予算で計上済みのお金は、「基礎年金の国庫負担」に充てることになっていましたが、これを復旧財源にあてることにしました。ですから、当初予算が想定していた一般会計から繰り出し、年金特別会計へ繰り入れる出納を止めました。ですから、一般会計では2・5兆円の減額補正となるわけです。そして、それを復旧財源にあてることで、4兆円のうち2・5兆円を賄いました。そして残りの1・5兆円はどこから出てきたか。自民党の妨害による子ども手当法のつなぎ措置(4月~9月分)のため、子ども手当の計上見積もり額を減額計上したほか、高速道路の無料化社会実験の一時凍結で0・1兆円、ODA削減で500億円、そして、予備費を8100億円引き出し、さらに、「議員歳費の3割カット」で22億円を合計で4兆153億円となりました。国債(建設国債・赤字国債とも)今次補正での発行は「0」円です
このうち、基礎年金の国庫負担負担財源の転用には、公明党さんから懸念が出ました。これについて、民主党の岡田克也幹事長は、「今回は年金勘定から2兆5000億、実質的には持ってくることになります。もちろん、近い将来きちんとお返しすることが前提です」(4月14日の定例会見)と約束しています。昨日の衆・厚労委でも、公明党の元厚労相、坂口力さん細川律夫現厚労相との問答がありましたが、岡田さんの方で既に約束しています。ただし、「きちんとお返しする」という言葉の中には、「年金の支払いのため増税する」という意味合いが排除されていないことはお含みおきいただきたい。
そして、議員歳費の減額ですが、これはわずか22億円の財源ということで、ヒジョーに小さい物に見えてきますが、これは「まずは塊より始めよ」で、岡田さんや藤井裕久さんが言っている「政治家みずから身を切る」ことです。わずか22億円のお金でも、ここが川上となって、お金の流れがスムーズになってきます。これが私が申し上げている、右肩下がりの日本でのしなやかな国づくりの思想が見えてくる部分なんです。また、これは民主党政府外議員にも、よく暗誦して覚えてほしいのは、「高速道路の原則無料化社会実験の一時凍結に伴う道路交通円滑化推進費の減額」が1000億円です。「一時凍結」であって、高速道路無料化のマニフェストの予算化、肉付けを完全にあきらめた「マニフェスト撤回」ではありません。では、「一時凍結」が「恒久」になるのではないか、と思う有権者(主権者)は、今後ともよくチェックしていくべきだと考えます。もちろん、日本は「間接民主制」ですから、高速道路を行き来して働いている方々がイチイチチェックしている時間はありませんから、運送会社の総務部社員とか、運転手の奥さんとか、ブロガーとか、よくチェックしていただきたいと思います。この1次補正予算(案)を見て、「高速無料化マニフェスト撤回!」と叫ぶのは間違いです。
まず1次補正を国債発行無しにGW返上でキッチリやる。そして、2次補正では、これは10兆円規模の国債を発行して、復興をやる。そして、国債発行の償還のために、増税をお願いする。こういう運びになりそうです。
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