野田佳彦さんと輿石東さんがけん制しあう事態に 野田首相、まずは寝技で押さえ込む

  • 2011-9-15
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参院本会議 2011年9月15日(木)】

 参院本会議でも代表質問が行われましたが、この中で、輿石東さんと野田佳彦さんがけん制しあう異例の質疑応答となり、「挙党一致」「ノーサイド」への懸念がいきなり浮上しました。とりあえず野田総理・代表が、柔道の寝技でねばり強く押さえ込んだ格好となりましたが、衆参民主党議員は、しっかりと党代表だけでなく、日本国政府・行政府の代表である野田首相をしっかりと声を出しながら支えなければいけません。

 まず、輿石さんは、「会派を代表して質問します」と述べました。これは、第一会派ながら過半数に及ばない「民主党・新緑風会」をまとめ上げていることが、本人の権力源・政治的資源であることを意識した発言です。ところが、野田首相は、のっけから、「民主党を代表した輿石議員のご質問にお答えします」と述べ、両者のけん制から始まりました。

 また、輿石さんは、「国民の生活が第一。は民主党の基本理念」「マニフェストは必ず実現するというのが政権交代の原点であり、優先順位を変えてもマニフェストの理念は変わらない」として、3党合意に反する発言をしました。また、「国民の生活が第一。」という小沢一郎さんらの勢力に近いことを自ら表明するキーワードを使いました。

 これに対して、野田さんは「マニフェストの実現は国民との約束、現下の厳しい情勢の元でも、その理念は守っていかなければならない」としながら、8月26日に岡田克也幹事長が退任直前に出した「マニフェストの中間検証」に言及し、「輿石議員も民主党マニフェスト検証委員会の副委員長をされた」として、あたかも首に鈴をつけるかのような念押しをしました。

 そのうえで、「マニフェストについても、自民党公明党の3党合意」に沿った政権運営ができるよう「輿石議員にもご協力いただきたい」としました。

 野田さんは代表選で「学生時代の柔道部でも、政治家になった今でも寝技は苦手です」と語っていましたが、とりあえず寝技でねじ伏せた格好です。

 自民党時代も、福田赳夫内閣以降は、「総・幹分離」といって、総理とは別の派閥の実力者が党幹事長についていましたから、衆院本会議などで党幹事長が総理に厳しい代表質問をすることはよくありました。しかし、その内容は「最近の総理を見ていると、いささか苦言を呈さざるを得ない面がある」といった感じで、そうやって軌道修正しながら、総理、そして自民党政権を守っていた感じがします。

 それに対して、きょうの輿石さんの発言は、たんによく3党合意を理解していないのではないかと思われる面があります。そもそも輿石さんは政務三役の経験がありません。また、参院議員会長としても、その日の本会議にかかる法案名がいえず、「なんだっけ?」と会派の副会長・幹事長らに聞く姿が散見されました。おそらく半分以上、法案の名前は言えないことが多いと思います。

 これを見ていると、野田さんは代表選のときに、何らかの協力条件として「輿石幹事長」を提示されたり、提示したりしていたのではないかと推測されます。そのような報道はすでにあります。

 平成になって最初の宇野内閣の参院選以来、参議院では過半数を持つ会派はありません。自公政権時代も、自民党公明党統一会派を組んだことはありません。例えば、平成9年(1997年)ごろに「参議院天皇」と呼ばれていた村上正邦自民党参議院議員会長なんかは、ふらりとひとりで首相官邸にきて、総理と数分話して帰ることがしばしばありました。どのような内容かというと、例えば「ペルー公邸人質事件が解決していないのに、首相主催の桜を見る会をやっている場合じゃないだろ」と、前日の橋本龍太郎首相の日程に、悪態をついて、それで帰る。橋本首相は自民党総裁でも、村上さんの機嫌を損ねると、参院自民党どころか、他の参院会派もそっぽを向いて法案が通らなくなるので、首相秘書官も村上さんのアポイントは必ず入れなければならなかったようです。例えば、与党参院議員会長には以前からずっと、SPが1人以上ついていますが、そのことも衆院議員だと知らない人も多いようです。そういった参議院特有の閉鎖性を、民主党幹事長として、党全体に広げることで、幹事長である自分への権力集中をはかろうと、輿石さんがしているように、私には思えます。

 もう決まったのですからしかたないですが、とにかく、情報管理の徹底がされても、「見て見ぬふりをする」与党議員は、衆議院だろうが、参議院だろうが、バッジを外して欲しいと思います。

 とにもかくにも、3党合意への正しい理解が必要です。くどくても、こうやって幹事長が分かっていないようすが散見されるのですから、何度でもしつこく書きます。

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