
[写真]安住淳さん、安住淳公式ホームページから。
21日の岡田克也副総理の記者会見、この日は私は出席していなかったのですが、会見録をみると、朝日新聞記者との間で面白いやりとりがありました。
[岡田副総理記者会見録から引用はじめ]
記者
朝日新聞の伊藤です。岡田副総理のコラムに、「一体改革の成立の瞬間に安住大臣とお話しして、『奇跡のようなものだ』ということを話した」というくだりがあったんですけれども、実際振り返ったときに、つまり本当にもうだめじゃないかと、成立しないんじゃないかと思ったというのは、どの場面とどの場面だったんでしょうか。
岡田副総理
私は最後は必ず成立するというふうには思っていましたが、やはり三党合意、これがなかなか前に進まないと。特に公明党が慎重姿勢という中で果たして合意ができるかどうかという場面と、最後の政局的に自民党の中でですね動きが出て、本来の良識ある対応が失われかけたという、この二つじゃないですかね。しかし、私はやはり自民党も長らく政権の座にあった党として良識が必ずあろう、通るだろうというふうには思っておりましたので。
実際「奇跡」と言ったのは財務大臣のほうで、私もそれに同意はしましたけれども、割と私は最後は何とかなるという楽観主義者です。
[引用おわり]
8月10日(金)、安住さんが岡田さんに「奇跡のようなものだ」と言ったそうです。これは驚きましたね。あの政局感バツグンのアニキが「奇跡のようなものだ」なんて。私は5月8日の審議入り以来、6月8日の3党協議スタート、会期延長後の6月26日の衆議院での採決、内閣不信任案提出を経て8月10日の成立を迎えるまで、一貫して100%絶対に成立すると信じて疑わなかったんですがね(^_-)
楽観主義者である岡田さんは昨年の第177通常国会の民主党幹事長として、衆参ねじれについて何の根拠もなく「まあ、なんとかなるものだ」と語りました。その結果、当初の国会法改正による両院協議会改革は失敗しましたが、玄葉光一郎政調会長、城島光力政調会長代理、安住淳国対委員長とともに、3党合意(民主党、自民党、公明党の3党協議)体制をつくり、なんとかここまでやってきました。
その安住さんが「奇跡のようなものだ」と言ってしまうところが大蔵大臣、財務大臣としての責任の大きさなのかも知れません。それが与党の厳しさです。しかし、次からは安住さんも「まあ、なんとかなるものだ」が口癖になるでしょう。
震災後本格的な当初予算となる平成24年度予算を編成から成立まで担当。それに先立つ、戦後2度目の4次補正(平成23年度4次補正)を成立させ、超大型歳入法案である消費増税法(社会保障の安定財源の確保等を図る税制の抜本的な改革を行うための消費税法等の一部を改正する等の法律 平成24年法律68号)を成立させました。しかし、まだ画竜点睛を欠く部分が一つだけあります。歳入法案のうち、日切れ指定である「新・特例公債法案」(180国会閣法2号、内閣修正)がいまだに衆議院に残っているということです。それと年金交付国債を年金特例公債に切り替える国民年金法改正案(第180閣法26号内閣修正)と、補正予算案(未提出)が必要になってきます。
民主党代表選で代表が交代する事態になれば、9月下旬にも第181臨時国会を召集しなければなりませんが、新・特例公債法案が未成立の場合も、10月の早い段階で臨時国会を召集しなければなりません。言うまでもなく、国会開会中は内閣支持率が下がり、野党の支持率が上がるというのは、小泉劇場を除けば、セオリーです。仮に代表交代ともなり、9月下旬から、首班指名、組閣、所信表明演説と代表質問、衆参予算委員会の集中審議、各常任委員会での大臣所信聴取と一般質疑となれば、あっという間に政権の足並みは崩れ、スキャンダルも飛び出し、第45期衆議院の民主党政権は悲惨な結末を迎えます。
そのためには、新・特例公債法案は何が何でもこの会期中に成立させ、秋の臨時国会召集は11月ごろまで引き延ばし、冒頭から補正予算審議に持っていくしか、ありません。たとえ狭い道、ナローパスでも、醜いばかりに政権にしがみつき、第46回衆議院選挙で、倒れるにしても前に向かって倒れないと政権交代ある政治は一からやり直しです。
頼もしいことに、きょう8月24日(金)、民主党は衆議院財務金融委員会で、新・特例公債法案(180国会閣法2号、内閣修正)、衆議院倫選特(政治倫理の確立および公職選挙法改正特別委員会)で内閣府衆議院選挙区画画定審議会設置法改正および公職選挙法改正案(第180衆法22号)を強行採決します。これは責任与党として100%正しい。罵声を浴びせられスーツのボタンを引きちぎられても、日本を前に進めないといけません。民主党の理事・委員はまったく憂いもなく、事を進めなければいけません。第45期衆議院で、多くの国民の信頼を失いながらも、民主党が政権を担った証になる一つの歴史的な日です。これが与党なんだ。
少し話が先になりますが、9月22日をもって、輿石東幹事長の任期が切れます。いろいろ言われますが、輿石さんはなかなかの人物です。物事が対立しているときに、少しの冷却期間を置くという方法は、私も記者会見で話を聞いていて、なかなか、人間という集団において参考になる手法だと感じました。
しかし、次の任期では確実に第46回衆院選と第23回参院選を戦う執行部になります。前回の衆院選のとき、マニフェスト策定の責任者だった直嶋正行政調会長もしっかりやっていましたが、農業のFTAをめぐる記述などに関して、一部衆議院議員からは、「やはり参議院議員だと衆議院で闘っている人の気持ちが分からない面がある」との指摘があったのは事実です。直嶋さんは謹厳実直なため、マスコミで批判されることはありませんでした。ベテラン衆議院議員は、なぜか政調副会長の細野豪志さんのせいにしたりしていました。細野さんを新自由主義者だと決めつけるベテランもいましたが、細野さんは実際には農業政策に強く、新自由主義者ではないと私は思いますが、直嶋会長には文句を言いづらいので、当時30歳代だった細野副会長のせいにしてしまうという、民主党らしいイジメ体質だったと感じます。
そこで、次の幹事長ですが、民主党員のみなさんは誰がいいと思いますか?
大臣はできる限り長くやってほしいところですが、実は議会政治の先輩で国会開設750周年が迫る英国でも内閣改造はほぼ毎年行われています。エリザベス女王治世の60年間で、首相は12人しかいません。また、財務卿(財務大臣ですが、唯一呼び名が大臣でも長官でもなく「卿」を使う特別な存在)はさすがに毎年交代はせず、長期に務めます。当然のことながら、玄葉光一郎外相は引き続き務めるべきでしょう。
ただ、選挙対策、国会対策、資金対策、マスコミ対策、若手の面倒をみられる幹事長としては、安住淳幹事長で第46回衆院選・第23回参院選を迎えるのが、現実的だと考えます。当初予算を編成から成立までやりましたし、巨大歳入法につづいて、日切れの平成24年度の特例公債法を成立させれば、卒業試験は十分に合格です。さらに定年制を越えて、公明党の漆原良夫さんが第46期衆議院の候補予定者になりましたが、漆原国対委員長は「安住ちゃんはかわいい」とインタビューで答えています。
ちょっと気の早い話をしましたが、まずは区割り審設置法改正および公選法改正案と新・特例公債法案を強行採決して、参議院に送るべきです。否決できるなら否決してみろという態度で大丈夫でしょう。
まあ、なんとかなるものだ。
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