
[画像]衆・厚労委で質問する横路孝弘委員(民主党)、2013年3月22日(金)、衆議院インターネット審議中継から。
今週は月曜日にTPPに関する集中審議が入っただけで、平成25年度本予算審議はお休み。一般質疑1日目のまま、3月最終週に入ります。税制改正法案など日切れ法案の一部は2013年3月22日(金)の本会議で参院に送られましたが、まだ給与関係法案が衆院に残っています。来週は暫定予算を成立させ、衆院に本予算案が残ったまま、4月になる異例の事態です。
今週は衆参の各委員会で大臣所信に対する一般質疑があり、法案を審議できる店開きができています。
衆議院厚生労働委員会(松本純委員長)は、日切れ法案を仕上げたうえで、一般質疑も充実していました。
19日(火)、民主党の長妻昭さんが衆厚労委員会で質問に立ち、「3年半ぶりに(厚労委で)質問します」。やや自意識過剰な元番長が母校に帰ってきたような雰囲気でしたが、あくまでも2013年予算案を審査する長妻・予算筆頭理事の延長線上でした。長妻さんは予算委ですでに指摘しているとおり、「生活保護の生活扶助の基準が戦後最大の下げ幅で、ことしの8月から3年間、6・5%下がります」として、自治体の事務を中心に38制度以上に影響が出ると語りました。これについては、厚労省がすでに資料を出しています。(生活扶助基準の見直しに伴い他制度に生じる影響については、こちらをクリックすると見ることができます=厚生労働省ホームページ、PDF)。
自治体によっては、墓地管理料の減免措置、木造住宅耐震改修費の補助などが、生活保護基準をナショナル・ミニマムとしてとらえて、連動するようなシステムをつくっており、大幅削減は、むしろ、非生活保護の低所得世帯に来ると指摘。「自治体も困って調べている」と強調しました。
前回の引き下げ時には、地方税である個人住民税の課税最低限が、均等割で24万円→22万円、所得割36万円→35万円に引き下げられたそうで、これは「低の上」所得世帯が増税になる可能性があります。これを受けて、自民党の北村茂男・総務政務官は「これまでの個人住民税の課税最低限は生活保護基準を勘案してきたが、これからは与党の税制改正で対応する」と答弁しました。このような状態で8月に引き下げ実施は混乱を招きかねません。平成25年度本予算(案)はすでに引き下げを前提として「2・8兆円」を計上しています。これは増額する修正案を出したり、補正での対応も念頭にした3党の政策効果の検証の覚え書きなどを結ぶという案もあるのではないでしょうか。あるいは、医療扶助について、ジェネリック医薬品を使うようにするようですが、むしろ、医療扶助は自己負担を取り入れるなど、日本医師会系医療機関が生活保護者を他の患者と同等に扱うようにするしくみ作りも必要ではないでしょうか。
例年ならば、予算衆院通過後にやっている審議が通過前だったので、常任委員会の国政調査力を予算審査にもいかすことができ、一つの先例となりました。
22日(金)の衆院厚労委では、戦没者に国債を給与する法案と駐留軍関係の法案が審査になり、ここに横路孝弘委員が登場しました。前議長が質問するのは私は初めて見ましたが、前置きをおかずにいきなり質問に入りました。
横路さんは戦没者の遺骨収集と米軍基地で働く日本人の労働条件の2本立てで1時間質問しました。
沖縄地上戦で、「どさんこ部隊」の異名をとった部隊の遺骨が15柱、きょねん見つかったそうです。そこで、現地の民間団体とともに、DNA鑑定をお願いしに、すでに田村憲久厚労相に会いに行き、厚労省がDNA鑑定に入っていると語りました。田村厚労相は「きょうは(前)議長から質問をいただくということで恐縮しています」と語りました。横路さんはていねいに調べていて、「大臣の三重県から沖縄には3000人行きましたが、(私の地元)北海道からは1万人が行きました」と沖縄地上戦に動員された兵士の人数を挙げ、「33万柱は国家によって命を落とした人であり、できるだけ故郷に帰すべきだ」としました。横路質問を初めて聞いて、「国家のために命を落とした人を大事にすべきだ」という考え方は、私のような右寄りの人間とまったく同じなんだと驚きました。
そして、「硫黄島では1万人のご遺骨が収集され、なお1万人以上のご遺骨が未収集だ」として、「しばらくは年に50柱しか収集できない時期があったが、平成22~24年にかけて、菅内閣が特命チームをつくり、アメリカの公文書館で2カ所の埋葬所の資料を見つけたので多く収集できるようになった」と、議長として本会議の次第書きを読み上げるだけだった時代にも、議員として活動していたことをうかがわせました。そして、「米海軍がやった工事の関係者によると、5つぐらいの地下壕があるらしい」として、地下壕の調査をすれば、さらに遺骨の収集ができるのではないかと指摘しました。アリューシャン列島、ミャンマー、インドネシアなど、横路現代史の語りは流ちょう。
後半は米軍で働く日本人の労働条件について。細かい事情を噛んで含めるように説きながら、国として米軍と調整すべきだとしました。労働法や、社会保障関係制度に関して「この4月1日から施行されますから」として、この4月1日からの改正についてそらんじながら、米軍と打ち合わせるよう促しました。横路さんは20歳代から衆・予算委のスターでした。ダイナミックな歴史観、世界観を持ち、それでいて自分を支援する既得権益者とよく会い話しているにもかかわらず、それを上品に口に含んで、ていねいに調べて質問する。委員会質疑の一つのお手本で、「プリンス横路」の懐の深さと民主党の幅の広さを感じました。そして、左だろうが右だろうが、横路さんは愛国者だと分かりました。
さて、予算審議のあり方についてですが、横路質問も、平成25年度予算の実施に関する調査を、厚労委でやったということになるでしょう。
衆院予算委員50人、参院予算委員45人、政務三役70人。それ以外の国会議員は、これまで通常国会始まったばかりの2月、3月にいったい何をやっていたのでしょうか。ことしは不幸中の幸いで、本予算んの審議入りがずれ込んだので、国会の持てる力をしっかりと発揮して、良い予算を国会が中心となって仕上げて、夏にバカンスすればいいのです。
[お知らせ1 はじめ]
「国会傍聴取材支援基金」を設けました。他メディアにはない国会審議を中心とした政治の流れをこのブログで伝えていきます。質素倹約に努めていますが交通費など諸経費がかかります。
「国会傍聴取材支援基金」の創設とご協力のお願い
ご協力ください。どうぞよろしくお願いします。
[お知らせ1 おわり]
[お知らせ2 はじめ]
会員制ブログで今後の政治日程とそのポイントを解説しています。
最初の1ヶ月は無料で試し読みできます。取材資金にもなりますのでご協力下さい。
[お知らせ2 おわり]
[お知らせ3 はじめ]
このブログは次のホームページを参考にして、記事を作成しています。
最近の法律・条約(内閣法制局ホームページ)
衆議院議案(衆議院ホームページ)
今国会情報(参議院ホームページ)
予算書・決算書データベース(財務省ホームページ)
衆議院インターネット審議中継
参議院インターネット審議中継
国会会議録検索システム(国立国会図書館ホームページ)
民主党ニュース(民主党ホームページ)
goo ニュース
[お知らせ3 おわり]
コメント
トラックバックは利用できません。
コメント (0)









この記事へのコメントはありません。