改革の党・維新の浅田均さん特区の後始末を要求「養父市」特区のままだと特区の意味ない、首相は法定化に意欲も「非・内閣府」丸投げの兆し

[写真]特区制度を使い、渋谷駅にJR・東急・メトロ3社合同出資のSPC「渋谷スカイ」で口々に「東京に出てきてよかったね」と語り合う若人たち、おととし2020年8月、宮崎信行撮影。

 立憲民主党の幹部が「生活者の党で改革の党だ」とパラダイムを設定したことがありますが、私は改革の党は日本維新の会に一日の長があると考えます。

 岸田文雄首相の「物価高と戦い構造的な賃上げをめざす」とした2年目の所信表明演説に対する各党代表質問最終日は、国政選挙2連勝で例えば東京12区で32%をとり、馬場伸幸さんが東京での飲み友達から中条きよし参議院議員を生み出した維新の「大阪市内組」の浅田均さんが質問に立ちました。

参議院本会議 きょう令和4年2022年10月7日(金)】

 浅田さんは「残念ながら、岸田政権にあって規制改革、構造改革という言葉をほとんど聞かなくなりました」と語り、2002年小泉政権の「改革なくして成長なし」の都市再生特区以降の内閣府地方創生の特区が雲散霧消しかけていることを指摘。岸田内閣の特区は、金丸恭文座長・竹中平蔵委員・夏野剛議長の退任・辞任が相次いでおり、立ち消えになりそうです。現在の議題としては、兵庫県養父市の「企業の農地所有特区」を、まるっきりやめさせようとする農林団体がたたかっているだけとなりつつあります。

 浅田さんは「例えば典型的な中山間地域である兵庫県養父市で法人の農地取得事業特区を活用して農地の取得も含めた多様な選択肢を企業に提供することとした取り組みは大きな成果を上げているにもかかわらず、政府はこれを全国に展開する結論を先延ばしにしています。これでは特区を作る意味がないのではないでしょうか」と問いました。

 筆者としては養父市で「大きな成果」があがったとは寡聞にして聞いたことがありませんが、それはさておき、浅田さんは特区は全国かつ恒久的な法律にするのがゴールだという、自民党議員ら当事者が忘れていた原点を呼び起こしました。

 岸田文雄首相は答弁で「養父市において適用されている特例について令和3年の法改正により、特例の適用期限を2年間延長いたしました。当該期限が来年8月に到来するため、本年実施した特例制度のニーズと問題点に関する調査の結果を取りまとめているところです。この結果に基づき次のステップに向けた法案を提出することとしております。今後は法案の提出に向け、現在取りまとめを進めている調査結果や養父市における取り組み状況の評価や全国各地でのニーズなどを総合的に勘案しながら引き続き検討してまいります」と語りました。調査は内閣府がするのでしょうが、政策判断は農林水産省などに丸投げしているように感じます。

 都市再生特区・構造改革特区・国家戦略特区の成れの果ては、JR東日本・東急・東京メトロ3社出資のSPC(特別目的会社)の渋谷駅構内の47階建て「渋谷スクランブルスクエア」の最上階の天国のような夜景を見ながら若者たちがヘリポートに寝そべって「東京に出てきてよかったね」と語りあう姿として煮詰まったと私は考えます。

 この20年間の「特区」をすべて棚卸して、全国恒久法にするか、それとも自民党のお友達がつくった建造物は税金だけ納めてもらって、内閣府令をすべて廃止するような、特区の後始末を岸田政権にやってもらいたいところですが、無理でしょう。

 自民党牧野京夫さんは、岡田直樹・地方創生担当大臣(前参議院自民党国会対策委員長)に対して、参議院改革協議会の報告書の政府での活用を質問しました。岡田さんは答弁で「牧野議員から地方の声を国政に反映させる重要性についてお尋ねがございました。このたびの参議院改革協議会報告書は、各会派の協議による率直かつ丁寧なご議論の末にまとめられた成果として重い意味を持つものと存じます。協議会においては、参議院のあり方、独自性を論ずると同時に参議院がよって立つ日本の国と地方の現状についても深く考察、検討がなされたものと認識しております」と前置きしました。そのうえで岡田地方創生相は「地方創生について申し上げれば、東京圏への一極集中の是正や人口減少地域の活性化は言うまでもなく、一刻を争う課題であります。政府としてはデジタルの力を活用した地方の社会課題解決魅力向上により、全国どこでも誰もが便利で快適に暮らせる社会を目指すデジタル田園都市国家構想の実現などを通じて地方への人の流れを生み出し、将来にわたって活力ある日本社会の維持に向けて手段を尽くして取り組んでまいります。人口減少で厳しい状況にある中においてこそ地方の意見をしっかりと伺いながら、地方創生を進展させることにより、地方が元気を取り戻し、その声が国政にも響くよう努めてまいりたいと存じます」と答弁しました。

 このやりとりは参議院自民党主流派の男性の選挙区(石川・静岡)選出議員が地方創生改めデジタル田園都市を正当化しているのが問題。もう一つは、前回の参改協が設置が遅く、公選法改正をはじめから棚上げしていたことを懐柔させるという参議院自民党主流派の思惑が見て取れます。基本は、世耕弘成参議院自民党幹事長の魚の目をしたような腐りっぷりによるもので、このような人物をこれ以上出世させてはならないと考えます。このような選挙制度のもと、自公の比例での得票率が46%へと2ポイント低下したのに、自民党が改選単独過半数をとってしまうのですが、故安倍晋三さんを暗殺してしまうことによって、この3か月間、久しぶりに政治が大きく動きました。民主主義に屈したのは改革の美名のもとに大山鳴動した日本人全員の責任です。

 参議院本会議は、裁判官弾劾裁判所裁判官の人事をしたあと、24年間在職者の永年在職扱いを採決。市田忠義さん、小川敏夫さん、郡司彰さん、渡辺喜美さん、増子輝彦さんの5人を永年在職扱いすることを決定しました。

参議院国家基本政策委員会 同日】
 選挙前は立憲の割当でしたが、選挙後は維新に割り当てられ、室井邦彦委員長があいさつなどをしました。

衆議院 同日】
 議長公邸(永田町2丁目)を、議運の山口俊一委員長、盛山正仁、笠浩文両筆頭理事が訪問し細田博之さんから「追加の説明書」を受け取りました。この中には、2018年の国際勝共連合50周年式典にも出席していたというとうてい看過できない内容が含まれています。自民党内からも議長辞任論が出始めそうです。


[写真]特区制度を使い、渋谷駅にJR・東急・メトロ3社合同出資のSPC「渋谷スカイ」で口々に「東京に出てきてよかったね」と語り合う若人たち、おととし2020年8月、宮崎信行撮影。

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