寒すぎて熱狂なき「サナ活」5000人に首相「杉並区役所の期日前投票所は8時までやっている」女性初首相・壺隠し解散は争点が変わらぬままあす投開票へ

 高市早苗首相は選挙戦最終日のきょう(2026年2月7日)、接戦の東京8区自民党公認候補を応援するため、阿佐ヶ谷駅南口バスロータリーで演説し「ひろこさん(門ひろ子候補)のこどもさんが大きくなるころ、私たち日本人はインド太平洋の輝く灯台として、自由と民主主義の国として、多くの国から頼りにされ、仰ぎ見られる、名誉ある誇りある国である、そういう日本である」「杉並区役所の期日前投票所、きょう8時までやっています」と語りました。

[写真]阿佐ヶ谷駅南口駅前バスロータリーで演説する高市早苗首相、きょう2026年2月7日(土)、宮崎信行撮影。

[写真]演説する高市早苗首相と自民党の東京8区公認候補。

 筆者がきょねん11月18日発売の週刊ポスト小学館)で「1月壺隠し解散」の予言通りに、36年ぶりの「2月投票日」となりました。12日間で、「サナ活」は実は初めてで、歴史の証人になろうという意思でした。私にとっては阿佐ヶ谷駅南口は青春の思い出で、文化祭の打ち上げで終電間際まで先輩後輩たちと過ごした場所です。中央線立川方面の通学定期だから荻窪駅まで歩くという女性の同級生を、他の2人の女性同級生たちにも促され私がアテンドすることになったのに拒まれました。ところが、あろうことか彼女は道を間違え、高円寺方面に歩き始めましたが数歩目で背中越しに私がとがめました。それからはスムーズに会話しながら夏の残り香が残る薄暗い杉並の住宅街や暗渠の上を15歳男女2人っきりで荻窪駅まで歩きました。終電1つ前でした。きょうはパールセンターのアーケード街まですし詰め。聴衆は5000名だったでしょう。休日出勤のおまわりさん同士が「よう」と挨拶し合う五輪開催都市らしいスムーズな警備がなされました。但し、自民党が誇る街宣車「あさかぜ」の3台のうちの1台がありながらも、音が割れてしまって、ほとんどの人が高市さんの話を理解できなかったようです。不思議なことに、向かって正面に立つと聞こえず右側のJR中央線のホーム方面に数歩ずれると聞こえるという感じで、バスやビルにあたって音が分散していたようです。

 パールセンターアーケード下まですし詰めの「サナ活」でしたが、そもそも寒いことも相まって、「熱狂なき熱狂」という感じ。2001年の4月総裁選及び7月参院選小泉純一郎ブームの熱狂とはほど違い寒景色でした。

 第51回衆院選は、高市女性首相の継続と責任ある積極財政の信を問う構図がまったく変わらないまま、あすの投票開票日を迎えることになります。野党・中道改革連合などは最後に「高市政権が続くと戦争になる」という趣旨の発信に転換し、自民支持者の「中道の政権になると中国に攻められて日本が戦争になる」との反論もややむなしい形で論争が起きています。前回の参院選では、「X」(旧ツイッター)で、参政党の演説を街頭や中継で見ていなかったと思われるインテリ・インフルエンサーたちが排外主義にもつながる外国人共生政策について「ハッシュタグ差別に投票しない」としましたが、中盤より1議席勢いを増して伸びました。神谷宗幣さんは今回はあまり本人の熱量を感じませんでした。このため、今回はインフルエンサーの影響力は限定的となりましたが、YouTubeでの首相の動画が1本で1億回を超えました。

 「女性初の首相による解散総選挙」は日本史上今回が最初で最後になりますが、選挙戦を通じてジェンダー・セックスに関する失言などはありませんでした。民間人で、上野千鶴子・元東大副総長が、「家父長制におけるトップが高市さんに変わっただけだ」という名誉男性論を発信して炎上した程度でした。

 一方、岡田克也さんは、狭い事務所に引っ越して初めての選挙となりましたが、苦戦しており、最終日のきょうも、小島ともこ参議院議員とともに候補者タスキをして辻立ちしました。

[写真]候補者タスキをして辻立ちする岡田克也候補と小島ともこ参議院議員、きょう2026年2月7日、三重県四日市で、岡田克也陣営撮影。

 一貫して岡田さんを支援する、稲垣昭義・前三重県会議長は、「この選挙期間、岡田かつや候補に対して、媚中、中国のスパイ、反日議員、売国奴国賊などとSNSで執拗な攻撃を浴びました。岡田さんの政治姿勢を知る私達は、本当に悔しい思いです。
三重3区の皆さんにお願いします。本人の声を聞いて投票に行って欲しい」とXに書き込みました。

 帰宅して、改めて、女性左翼詩人の茨城のり子さんの詩集(岩波文庫)をひもとくと、「わたしが一番きれいだったとき わたしの国は戦争で負けた そんな馬鹿なことってあるものか ブラウスの腕をまくり卑屈な町をのし歩いた」という、戦争は男の顔も女の顔もしていない、老いも若きもないという現実と、寒すぎて熱狂なき5000人の姿を重ね合わせています。

 阿佐ヶ谷駅の北口では、第39回衆院選で、高校1年生の私が自宅で愛読していた産経新聞(安いものをとっているという同業者向けアピール)の情勢で落選危機と伝えられた、公明党書記長の大久保直彦候補が創価学会員とみられる運動員10名ほどと、横一列という威圧的な陣形で、あいさつをしていて落選しました。ひょっとすると、私はそのときに公明党幹部の落選を目の当たりにすることに快感を覚えてしまい、太田昭宏北側一雄石井啓一各幹部の落選を近くで見ることが増えたのかもしれません。無産階級幹部人間たちの苦しむ顔に機械販売資本家人間の私が快感を覚えてしまったようです。

 阿佐ヶ谷駅南口は、前々回の第49回衆院選で、枝野幸男代表の公示日午後の東京での第一声を取材し、吉田はるみ新人候補とともに共産、れいわとの候補者調整の混乱で頭を下げました。その後、「社会新報」の記者と、居酒屋で2時間近く、裏方の話で盛り上がりました。その後、社民党立憲民主党の合併のときに、私にしろ、永田町一有名なフォトジャーナリスト(カメラマン)の堀田喬さんにしろ初めて知ったのですが、社会新報編集部は全員がもともと有期契約の非正規社員なので、どちらの党にもいかずに、全員クビになってしまったそうです。まさに左翼の二枚舌というところです。様々な怨念が、寒すぎて表面に露出されないまま投票日を迎える印象です。

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