令和3年人事院勧告では、期末手当の支給月数が、きょねんの「0・05か月分引き下げ」に続き、ことしも「0・1か月分」前後の引き下げとなる公算が高まりました。きょねんは異例の「2段階勧告」として「据え置き」だった月例給。コロナ禍でも雇用は意外と堅調。しかし日本労働組合連合会が先月15日「賃上げ獲得水準は、全体として昨年を下回った」と春闘をまとめていることから、全規模別では「若干のマイナス」の調査結果になることも否めません。
過去には、平成23年人事院勧告が「7・8%マイナス」となったことがあります。しかし、この際は、もともと自衛隊は外すよう政治的配慮がなされていました。
令和3年は、秋の臨時国会シーズンに前後して、衆議院が解散、総選挙。新首相を選んで、国会審議はあまり残っていません。このため、人勧実施に必要な給与法改正案は提出されても、成立は来年にずれ込むことも予想されます。
平成23年のマイナス人勧の給与法改正案は、政権内に見えない力が働いて、成立が年を越し、12月のボーナスが逆に増えるという現象が起きました。
今回は、人事院事務総長が初めての女性・私大出身者となりましたが、きょねんの通常国会最大の焦点だった「検察庁法改正案」の答弁で手を汚したことによる菅内閣の論功行賞だといううがった見方も出ています。
平成23年のマイナスは初めから政府が自衛隊を外すよう指示していたので、今回も何らかの政治的配慮による立法措置が浮上するかもしれません。
きょねんは異例の「2段階」となりましたが、民間給与実態調査のまとめと勧告そのものはシンプルに透明にやってほしいところです。
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