- 2021-9-30
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[写真]岸田文雄次期首相、今月2021年9月13日、都内で撮影。
3年に1度の自民党総裁選が都内で開かれ、意外にも1回目投票と決選投票とも岸田文雄さんが一位となり総裁に当選。来週月曜日の第205回臨時国会初日に第100代首相に任命されます。60日以内に絶対ある第49回衆院選の自民党の顔になります。
立候補者のうち2年連続で出馬したのは岸田さんだけ。宏池会は実はたったの45名しかいませんが、身内が結束して、100万人しかいない党員名簿の整理などが万全を期したと思われます。
岸田さんは「聞き上手」をアピールしましたが、話下手な首相は菅さんに続き2代連続。地味なのは福田康夫さん以来12年ぶり。良くも悪くも自民党のリソースを総合的に引き出す能力は、小渕恵三首相以来21年ぶりか。宏池会会長は麻生太郎首相以来12年ぶりとなります。
総裁選では「高等教育」と「高等学校」を取り違えたり、記者会見で「30分は短い」と指摘されました。首相側近として4期の木原誠二さん、平和安全法制(戦争法)でコンビを組んだ中谷元防衛相、根本匠さん、途中入社組の上川陽子法相、遠藤利明議員らがメーンストリームとして岸田首相の言い間違いを指摘できそうな気はします。この派閥は、優秀な人が中途入社組に多い傾向がありますが、45名しかいませんので、安倍・菅政権同様の首相との距離が近い者が中心に行く構造は変わらないように思われます。
ちなみに、レガシーメディアでは、総裁候補番記者が史上最長ともいえる1か月1日張り付いたかっこうになるので、政治部長らも指摘できませんが、選挙で負ければ、わずか100日以内に内閣総辞職です。
さて、きょうの自民党大会は、2年連続で、フリーランス及びインターネット報道協会加盟社が全排除されました。自民党はニコニコ動画(ドワンゴ)はネット配信を委託しており、別枠との公式見解を示しています。
私は、岸田さんが当選した後の、陣営の報告集会の取材に行きました。
[写真]岸田文雄自民党総裁、きょう令和3年2021年9月29日、宮崎信行撮影。
このように総裁当選後に、陣営秘書団に愛想を振りまきながら、報告集会に入る岸田総裁です。
ところが少人数の宏池会秘書団の取りまとめ役の派閥職員ないしベテラン議員秘書が、警視庁警護課の要請を受けて、横田一さん、田中龍作さん、宮崎信行らの排除を開始。私は「岸田新首相の顔写真を所有していないので撮りたいだけだ」と趣旨を言いましたが、本館から別館まで、警視庁警護課SPにつけられるなど、SP付きという人生の夢が少しかなってよかったです。
他のジャーナリストが会場内に入った前後、警視庁高輪警察署警備係職員から「議員、秘書、報道関係者しか入れません」と言われ、私が仕切り役の派閥職員に対して「レガシーメディアの番記者にクローズだと聞いたが、報道関係者は入れるのか」と聞いたところ、その職員が「総裁番候補から聞きました。ならそうでしょう」という反応。その後、他のジャーナリストが入場を拒まれかかったときに「SPの言うことを聞く必要がないが、この人は派閥の人だから従おう」という趣旨のことを言いました。これをきっかけに、この新首相派閥職員が増長。SPが新首相派閥職員に、私たちを排除するよう要求したため、秘書団に「やぐらを組むよう」要請。秘書団が岸田さんが地元媒体のインタビューを受けている控室の外を囲みました。
[写真]岸田次期首相が地元媒体のインタビューを受けている控室(奥)を宏池会職員の指示で、やぐらを囲むように幟で埋める秘書団(右)と、岸田さんんの出入りを確認する報道陣。
[写真]ホラン千秋さん。
この場には、TBSテレビの夕方のニュース番組のキャスターでタレントのホラン千秋さんも登場。同局報道局社員の女性記者ないしディレクターが、SPさんが協力してホランさんが直撃をできそうな気配だが、番組のスタートの時間が近いので、柔軟に現場で対応したいとの連絡をしているのが、聞き漏れてきました。
この後、木原誠二さんらが部屋から出てきて引き上げました。
そして、仕切り役の男性が、秘書団に「実は、岸田氏は既に他の部屋から旅立たれました。ここで、小野寺五典氏にご挨拶いただきます」とし、陣営の小野寺幹部が、秘書団にねぎらいのあいさつをしました。
派閥職員男性1人だけが、SPの要請を受けて、岸田さんが出てくるカモフラージュするために秘書団を並ばせたわけです。1か月間の間に生まれた陣営の団結力を使って、味方をも欺きながら、横田一さんの直撃や私から岸田さんを逃したわけです。ホランさんまで巻き込んだことになります。だいたい、横田さんは立憲民主党代表の公式記者会見で質問しているじゃないですか。排除するから、質問しなければならなくなるわけで、ホランさんに加えて、午後6時からの平河クラブの記者会見でも「なぜ30分」との質問が出ました。
[写真]岸田新総裁が地元媒体インタビューを受けている部屋から出てきた、中谷元衆議院議員に対して、秘書団が拍手をするよう促す、黒いマスクをした仕切り役の男性(右)、きょう2021年9月29日、宮崎信行撮影。
立憲民主党の記者会見では重鎮扱いの私が「顔写真を撮りたいため」になんでこんな目に合わないのかと思いますが、それだけ宏池会・自民党が、自分たちの現金収入を守るために必死なんだろうと考えます。自民党関係者お前ら全員より、私一人の方がアベノミクスの恩恵に浴したぞ、と言いたいところでしたが、心にとどめました。20代女性でも50代男性でも秘書が失業したら、意外にも新規求人数は増えていますがコロナ禍でのサービス業の転職は山が高いし、統一地方選は再来年です。こうやって、選挙に勝ったにもかかわらず、秘書団に徒労をさせているようでは、団結力の大きい少数精鋭の宏池会の内部や、河野太郎さんに投票した熱心な党員らの心に冷や水が浴びせられ、意外と選挙に負けるかもしれません。大石吉彦・新警視総監率いるSPのみなさんも徒労だったと考えます。
どこが「大衆に開かれた国民政党」なんでしょうか。田舎の支持者も考え直した方がいいですよ。
政策面では、宏池会伝統の「成長のパイを、社会保障に分配する」とした「成長と分配」を掲げました。立憲民主党が「分配なくして成長なし」を掲げましたので、21世紀の企業株主に配慮した配当性向重視の労働分配率低下経済に対応できるのかどうか、岸田・枝野論争が注目されます。
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