内閣支持率は2012年11月以降最低に日経、甘利明「総裁選の総選挙後への後ろ倒し」提案

[写真]けさの日経新聞。

日本経済新聞は内閣支持率が34%になったと報じました。

2012年11月の野田佳彦内閣以来で、政権再交代後では最も低い数字。調査は2021年7月23日から25日。企業のエリアマーケティングを請け負う「日経リサーチ」が回答率47・1%、998件の回答を得たとしました。

ここ8年ほどは、内閣や自民党の支持は、若年層ほど「率」が高く、高齢層ほど「数」が多い状況が続いていますが、18歳ないし30歳が「41%」、40・50歳代が「32%」、60歳以上も「32%」となり、若年層の支持の「率」が下がってきました。シルバーデモクラシーなのに率が高かった若年層の指示が落ちたのが、ワクチン接種の遅れであることは間違いありません。

1か月前と内閣支持率が43%→34%になり、自民党支持率が43%→38%になりました。私、共同通信のクローズドな会で論説委員長(元政治部長)から聞いて知ったのですが、自民党支持率よりも内閣支持率が下回るのは、これが7年8か月で、今回を入れて4回目のはずです。利益の誘導と分配を前提とする自民党支持者には「内閣は嫌いだが石破さんが好きなので自民党を支持する人」は皆無と考えられ、内閣支持率が下がると自民党支持率も下がると考えられます。第49回衆院選の小選挙区の勝敗を左右するのは自民党支持率の方です。

このため、元気な頃の自民党ならば総裁おろしの動きがでるはず。

これを見越したうえで牽制する狙いから、甘利明さん(麻生派、神奈川県連)はきのうテレビ番組で「総裁選は若干先に延ばして9月か10月の衆院選の後に、という選択肢も十分考えられる」と語りました。菅総裁(神奈川県連、二階派・石原派主導で当選)のまま衆院選にのぞむべきだとの流れをつくろうとしました。

甘利さんはきょねん8月16日に「首相を強制的に休ませないといけない」と発言し、8月28日(金)午後3時に突然首相が体調不良を理由に辞任。菅官房長官が当日のうちに、二階幹事長(二階派)と森山国対委員長(石原派)の赤坂密談で、後継首相の流れが決まりました。但し、どんなに実力者でも2年連続で、同一人物のテレビ発言から政局の流れができると、自民党内実力者が嫉妬します。

きのうの感染状況は東京でも、全国でも過去最悪の水準となっています。また、アジア各国でも最悪の水準となっている国が多く、急回復が予想されていた景気の先行きが十分に頭をもたげてこないことも考えられます。

さて、先週2021年7月19日発売の「夕刊フジ20日号」は選挙プランナー・松田馨さんの予想として、第49回衆院選は、自民党219、公明党28とし、自民単独過半数(233)割れを予測しました。立憲民主党は150、共産党は19で、立憲2党で改憲阻止(156)を上回る見通しを示しています。妥当なところでしょう。維新32、国民7なので、自民党首相による連立政権の続投は十中八九確実ですが、来夏7月10日の第26回参院選まで流動的な政局は確実とみられます。政治記者は、ワクチン接種は当然ですが、歯を治したり、電子機器の練習をしたりしましょう。さて、今週の永田町ですが、きょうは、午後2時から野党ヒアリング4回目があり、オリンピック・バブル方式で内閣官房オリパラと厚労省が出席。自民党は文部科学の部会など会議で大学入試の英語民間テスト導入先送りも含めた検討会の最終とりまとめを聴取。立憲民主党は政調会長が青年局のとりまとめを受領します。官邸では安定的な皇位継承の有識者会議10回目。あさって水曜日は衆議院内閣委員会、しあさって木曜日は参議院内閣委員会。しあさっては男子100メートル自由形と女子200メートルバタフライの決勝とかぶるので、注目は低そうです。

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