第221回国会は事実上の通常国会ですが、およそ1ヶ月遅れながら重要広範議案の1本が衆議院を通過しました。
【衆議院本会議 きょう令和8年2026年4月23日(木)】
豚熱対策強化などの「家畜伝染予防法改正案」(221閣法35号)と改正食料農業農村基本法にあわせた「食育基本法改正案」(221衆法8号)は採決の結果、与野党の賛成多数で可決し、参議院に送られました。
「都市再生特別措置法改正案」(221閣法22号)は共産以外の賛成多数で可決し、参に送られました。
「日本とセルビア、パラグアイ、ザンビア、タジキスタンとの投資協定の承認の件」(221条約4、5、6、7号)は一括して採決され、与野党の賛成多数で承認されました。参でも審議されます。
「国家情報会議・局の設置法案」(221閣法24号)は共産以外の賛成多数で可決し、参に送られました。これに先立ち、国民民主党の橋本幹彦さんらが提出した「インテリジェンス法案」(221衆法3号)も採決され、同党のほか中道改革連合の賛成も得たものの、自民党が反対したため、否決されました。本会議で否決されるとそこで廃案になりますから、衆参とも委員会で審議したり、閉会中審査を求めたりすることはできません。
【衆議院災害対策特別委員会】
●防災減災の減災が法案にない理由
「防災庁設置法案」(221閣法13・14号)の質疑が続きました。答弁は、参院議員の牧野たかお(牧野京夫)防災庁設置準備担当相。各議員はAIを活用しているかどうか明言していませんが、片鱗を感じさせました。南関東ブロック3名中2位で議席をえた元川崎市議の山田瑛理さんは「まず初めになんですけれども、従前の立法、例えば国土強靭化法などにおきまして、防災および減災というように防災と減災を併記する。一方で、今回の本法案では、減災という用語が使われておりません」と述べました。政府参考人は「防災庁設置法案や災害対策基本法において、減災という文言はご指摘の通り用いられてございませんが、一方で災害対策基本法に定める災害対策の基本理念では、災害が発災発生した場合における被害の最小化、およびその迅速な回復を図ることという減災の考え方が規定されてございます」などと答弁しました。牧野大臣は「私は、国土強靱化担当大臣も掛け持ちしており、国土強靭化法というのは、議員立法でできた法律でございます。そのときに、減災という言葉を使われたということだと思っております。この防災庁設置法案は全て政府の閣法でございますので、そこで減災という言葉が使えずに防災という言葉を使っているんだと思います」と答弁しました。
2010年の民主党政権かつ衆参ねじれ体制で、二階俊博さんが「国土強靱化・防災減災ニューディール」を提唱し、出版やシンポジウムで野党・自民党の有志で気を吐きました。京都大学工学部の先生として知恵袋だった藤井聡さんは、今や日本を代表する経済学の論客。二階さんの地元の逸話にもとづく11月7日を津波の日とする議員立法に関しては、2011年3月11日以降、赤澤亮正さんが与党が審議や成立に協力しなかったから、菅直人内閣での被災者が増えたという趣旨にこじつけて主張しました。時は移ろい、石破茂首相が「防災庁」を目玉公約に総裁選に当選し、ついに初入閣した赤澤大臣が「準備担当」に。が、高市早苗内閣で、赤澤さんは経済産業大臣に取り込まれました。二階さん、石破さんを師と仰ぐ政界遊泳術で初入閣は遅れながらも主流にいる赤澤さんの存在を彷彿とさせた「減災」なき閣法があぶりだされました。元川崎市議でもある山田さんは「減災とは災害そのものをゼロにすることはできないという現実を受け止めた上で被害をできる限り小さくするという考え方。これは国民一人一人の日常の備えにも直結する非常に大切な概念です」と語りましたので、このような捉え方をしたのは私だけだったかもしれません。
【衆・地域・こども・デジタル特別委】
国保連などに支払事務を移せるなどの「第16次地方分権一括法案」(221閣法37号)が全会一致で可決すべきだと決まりました。
【衆・憲法審査会】
第3回で、緊急事態条項に関する集中的な討議。
●衆・議院運営の理事会・委員会と総務委理事懇談会も開かれました。
【参議院第1種常任委員会】
●日経スクープを片山大臣あっさり認めた答弁で経済安全保障に弾み
●財政金融委員会では「金融機能強化法改正案」(221閣法7号)がれいわ新選組以外の賛成多数で可決すべきだとしました。
片山財務大臣は、自民党トップバッターの質問に答えて「(アジア系ファンド)MBKによる牧野フライス製作所の株式取得に係る外為法の届け出に対して中止勧告を行ったことは事実であります。本件投資は、MBKが牧野フライス製作所を完全子会社化することが企図されていること、それから牧野フライス製作所は世界有数の工作機械を製造する企業であり、我が国防衛装備品の製造事業者にも広く利用されていること等を踏まえ、国の安全の確保等に係る生産基盤および技術基盤の維持に与える影響の程度国の安全の確保等に係る技術または情報が流出する可能性等を考慮して審査を行いました。この結果、財務省および経済産業省としては、本件投資は、国の安全を損なう事態を生ずるおそれがあると認められたことから、外為法に基づき、審議会でご議論をいただき、意見を聞いた上で、本件投資の中止を勧告することが必要不可欠であるとの判断に至ったものです。今後は、外為法に基づき、届け出者において、応諾するか否かについてご検討がなされるものと承知をしております」と答弁しました。
日経新聞1面トップ報道を、ここまであっさり大臣が認めて答弁するのは異例です。国内工作機械製造が国内防衛装備品産業に影響力があるとする国会質疑は、東芝機械ココム違反事件を除くと、14年前に、愛知の藤川政人議員が、枝野幸男経済産業大臣に対してヤマザキマザック社の中国人社員が突然退社した後に情報を流出したとして同社が告発した不正競争防止法違反事件に関する質疑があります。外為法では、きょうの日経新聞報道と片山大臣答弁は初めてのケースとなります。ちょうど、きのうから衆財金委で「外為法改正案」(221閣法27号)の審議が始まったので、論戦に弾みがつきそうです。牧野フライス製作所は、ロボット最大手「ファナック社」が発明した「NC制御装置」の初号機を買った最古参で「初号機購入60周年イベント」を共催するほどの常連客。そのためか、国内で、見えない力に守られる傾向があります。
●法務委では、「裁判所職員定員法改正案」(221閣法19号)が共以外の賛成多数で可決すべきだと決めました。参だけの日本保守党も賛成に回りました。
●外交防衛委では、「旅券法改正案」(221閣法21号)を全会一致で可決すべきだと決めました。あす成立のはこび。
●農林水産委では、「農林中央金庫法改正案」(221閣法28号)を共以外の賛成多数で、「農業近代化資金融通法改正案」(221閣法29号)は全会一致で、ともに可決すべきだと決めました。
●総務委では「海外通信・放送・郵便事業支援機構法改正案」(221閣法32号)を共以外の賛成多数で可決すべきだと決めました。
●国土交通委では、「物流効率化法改正案」(221閣法16号)が趣旨説明されました。

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