安倍晋三首相が辞任する意向を固めたと、午後2時過ぎから報道されています。午後5時からの記者会見で、辞任の時期や、首相臨時代理などの説明がある見通し。安倍さんは出処進退を一人で判断したとみられます。
【追記 15:20】首相側近の世耕弘成・元内閣官房副長官は、後継自民党総裁(首班候補)が決まるまでは、安倍晋三首相が続投することを明言しました。内閣法第9条に定める内閣総理大臣臨時代理はおかれないことになりそうです。【追記終わり】
【再追記 15:35】稲田朋美・自民党幹事長代行は、在京役員の臨時幹部会で、安倍総裁が二階俊博幹事長に今後の段取りを一任したことを明かしました。【再追記終わり】
安倍晋三首相は、平成26年2014年7月1日に「国の存立を全うする切れ目のない安全保障のための憲法解釈の再整理」として閣議で改憲。2015年9月に国論を二分しながら平和安全法制を強行し、日米軍が平時から共同指揮所を設ける格好となりました。森友・加計学園への「お友達特区」は与党一強の国会構成もあり責任を取らず公文書改竄で公務員が自殺。総務省人事・恩給局を内閣人事局として局長級の人事を差配したことで「忖度官僚」が跋扈し、官僚がやる気を失いました。石破茂幹事長を入閣させた「地方創生」が看板だけであることに自民党地方議員が気づきながらも、地元では認める発言ができない重苦しい同調圧力が自民党を再び支配しました。一方、民主党政権の3年3か月で浪人していた自民党小選挙区議員に月10万円程度でも講演料・客員教授月給を払っていた、パソナ、学校法人加計学園は、コスパの良い政策実現を成功させるなど「政権交代ある政治」をめざした四半世紀の政治改革の功罪も浮かびました。憲法改正の発議はありませんでした。
我が国の内外情勢は、新型コロナウイルス感染症をめぐる給付金の年末までの延長が決まり、ワクチン1・2億人分を来年前半までに確保できる見通しとなりました。東京五輪開催に向けた会議の設置、日英貿易交渉、日米関係、東アジア情勢、日本銀行の異次元の金融緩和の継続など安倍さんが辞任しても影響は当面少ないと思われます。
後継自民党総裁を首相にするためには、臨時国会の召集が必須。9月半ば以降に第202回臨時国会が召集。首班指名ののち、いきなり所信表明演説があるとみられます。総裁選の過程で、多少の「人事空手形」が出て、少し変な閣僚が数人でることも考えられます。公明党は連立を維持する見通し。
衆院選と総裁選は残り1年以内。後継首相が、麻生太郎副総理になるのか、それとも、自民党大会または両院議員総会による選挙による選出になるのか、日程は不透明。党員投票になる場合は、岸田派の岸田文雄・自民党政調会長だけでなく、麻生派も候補者を擁立するとみられ、石破派の石破茂会長、無派閥の菅義偉内閣官房長官らを、二階派が誰がおすかで構図が変わります。非世襲は菅さんだけで、麻生派の麻生会長が傀儡にできる後継首相となった場合は自民党員の失望を買う軟弱地盤があります。
潰瘍性大腸炎の有病者は16万人と指定難病では多く、1000人に1人以上がかかる病気。また、2割程度は遺伝性ではないかともされます。安倍さんがしっかりとお金をかけて最高の医療を受けることで、日本の医療の水準を上げることができるでしょう。衆議院議員の仕事は続けられるのではないでしょうか。仮に引退する場合は兄の子、弟の子が考えられます。
前回2007年の辞任時は、参院選で大躍進した民主党が小沢一郎幹事長・山岡賢次財務委員長のもと、党財政が10月20日の政党交付金振込日まですっからかんで、このことを知っていれば、一か八かの解散で、議席微減で後継首相にバトンタッチすることもできたはずです。今回も「合流新党」が9月16日(水)にできる見通しですが、コロナなど諸情勢から解散することはできなったようです。
与野党とも政局は大流動化する見通し。次期第49回衆院選では、小選挙区の3分の1で、与党前職と野党新人が拮抗すると、自民党は単独過半数を失います。
なお、当ニュースサイトは前回の安倍さんの辞任も記事にしています。最後に2本の過去記事をご紹介して、この記事は終わります。
[当ニュースサイト内過去記事の引用はじめ]
安倍晋三首相の記者会見が終わりました。本来は7月29日参院選開票日に内閣退陣を表明すべきでした。
私が日経新聞記者として総理番を担当した橋本龍太郎さんは、怒ると恐い人でした。しかし、政策に関して、よく準備して質問を投げかけると丁寧に答えてくれました。日本の民主政治の原理原則である「憲政の常道」を大事にした政治家でした。
だから、第18回参院選での自民党大敗・民主党圧勝のその当日に退陣を表明したのだと思います。後に自民党総裁選挙に再チャレンジしましたので、首相としてやりたいことは残っていたはずです。「橋本6大改革」は中央省庁再編しか実現しませんでした。公約達成率はわずか16・6% に終わったという表現も出来るでしょう。悔しかったでしょう。憲法の規定からすれば、参院選で負けても、総理大臣を続けられます。それでも守らなければいけないのが憲政の常道です。
所信表明演説を終え、代表質問を受ける前に首相が辞めたのは歴史上初めてのことだと思います。
虚心坦懐、さっぱりとするのなら、衆院解散→総選挙が一番手っ取り早いです。安倍晋三首相(52)が最後の記者会見でも口にした「戦後レジーム(体制)からの脱却」。それはすなわち、安倍さんと同い年の自民党がいったん政権から離れ、野党になることにほかならない、と私は考えます。
安倍晋三さんは馬鹿です。私は昨年、小泉政権時代の安倍官房長官の答弁を聞いて、そのことを確信しました。具体的にどの答弁かは、質問を受ければ、はっきり示します。馬鹿を首相にしたのは自民党国会議員です。任期満了に伴う党首選挙にもかかわらず、党大会を開かず、国会議員だけで決めたのです。世界の民主主義政党でこのような暴挙に出る政党を私は知りません。既に1年前から今日の結果は目に見えていたのです。
現在、今夜の晩ご飯は食べられそうだけど、明日の晩ご飯のめどはつかないなあ、という方もいらっしゃると思います。もう少し、あきらめないでください。日本の夜明けはもうすぐです、きっと。
以上です。
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