[写真]精力的に取材する筆者、左から参議院議員会館、衆議院第二議員会館、衆議院第一議員会館、首相官邸、きのう2021年8月31日。
奇妙なことがおこりました。
きのう8月31日夜、毎日新聞が、10月17日投開票の日程のまま、首相が衆議院を解散する意向だと報じました。しかし、けさ、菅首相自ら「今のような厳しい状況では解散ができる状況ではない」と全否定しました。
安倍晋三さん、小泉進次郎さんらが、解散せずに、自民党総裁選をしてから、第49回衆院選に臨むべきだと説得したようです。解散説は、31日夜の衆議院赤坂議員宿舎(港区)での首相と二階俊博さんの会合の後に出たようです。これもやや不思議な話で、首相はその前日に二階幹事長の更迭を打診し了承されているのに、なぜその翌日に二階さんと解散の日程を詰めたのでしょう。首相とキングメーカーがともに、党内で求心力を失っているようです。
「海部俊樹回顧録・政治とカネ」(新潮新書)によると、小此木彦三郎・衆議院政治改革特別委員長が小選挙区制法案を廃案するとの寝耳に水のメモを見た海部首相・自民党総裁は「脳内に花火のような火花がパチパチと散っ」て、党役員に「重大な決意でのぞむ」と発言。衆議院解散詔書を決定する閣議を招集しようとしたところ、竹下派出身の橋本龍太郎大蔵大臣から「すまんが、俺はこれから悪いことが起きる気がする」と電話があり、首相から竹下派の金丸信会長に電話を入れると「解散は駄目だ」のひとことで、首相から降ろされてしまいました。
今回の政局は、キングメーカーは金丸会長ほどの実力者ではないし、金丸会長ほど強力な降ろし役もいません。常識的に、安倍・菅政権8年弱の官房機密費総額95億円のうちいくばくかが、菅さんの首相就任の力になったはずですが、小選挙区比例代表並立制25周年の今、官邸と自民党の見えない戦争が始まりつつあるようです。
国民不在です。
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