【6/2】コロナ国会終幕ムードで「アスベスト給付金法案」「ILO105号条約法案」が起草され、今国会成立へ

[写真]東京メトロ「国会議事堂前駅」の構内から見た衆議院第一議員会館、先々月撮影。

緊急事態宣言下で始まり、緊急事態宣言下で終わる通常国会となりそうです。既に大きな政治課題は成案を得ていますので、議員立法中心の審議となっています。

【参議院本会議 きょう令和3年2021年6月2日(水)】

法案の審議はなく、15分ほど。

「令和元年度予備費使用総調書その1」と「その2」は共反対、「特別会計使用総調書」は全会一致で承認され、衆参とも審議が終わりました。

「平成29年度NHK決算」「平成30年度NHK決算」「令和元年度NHK決算」が承認されました。このうち「平成29年」は衆議院では全会一致だったと思いますが、参議院では過半数。それ以外は全会一致で承認されました。

最後に、行政監視の実施状況に関する中間報告を立憲の野田国義行政監視委員長がしました。おとといの当ブログで、総務省に報告を求めると書いてしまいましたが、委員会が本会議に報告するてはずでした。

【参議院3つの調査会 同日】

中間報告をとりまとめました。来年の最終報告は、ことしの衆院選で混乱して、参議院にも余波を及ぼした場合、来年の参議院選挙が始まってから調査会報告書を出すと、それはますます誰も読まないことになります。選挙後の参議院での混乱もありえますが、とりあえず形になりました。

【衆議院厚生労働委員会 同日】

公明党の高木美智代さんが「今国会も残すところあと2週間。私の質問は最後かもしれない」と給付金などを田村大臣に直談判。与党の政調会長代理と野党の政調会長が構成する「政府・与野党コロナ対策協議会」の枠組みは、機能しなかったことについて、高木さんの胸中はいかに。

「育児・介護休業法など改正案」(204閣法42号参先議)は全会一致で可決すべきだと決まりました。あす成立。

先日のアスベスト最高裁判決を受けた「特定石綿被害建設業務労働者等に対する給付金支給法案」(204衆法 号)を委員長が起草し、全会一致で本会議に提出して可決すべきだと決しました。長妻昭元厚労相が、野党会派筆頭理事の立場で「附則第2条に、国以外の者のかかわりと屋外労働者への配慮について施行後に見直す規定が入っている」と政府に念押しをする発言をしました。

「ILO105号条約強制労働の廃止に関する条約批准のための国内実施法案」(204衆法23号)が馳浩・自民党衆議院議員から趣旨説明されました。(1)国家公務員法の政治的行為(2)船員法の業務命令無視(3)国公法のスト煽り行為の3つの違反行為の罰則を懲役刑から禁固刑に下げる改正。採決の結果、共産党反対、自公立など賛成多数で可決すべきだと決まりました。

【衆議院国土交通委員会 同日】

制定以来議員立法が続いている、「水循環基本法改正案」(204衆法 号)が全会一致で可決すべきだと決まりました。10年来議員連盟をリードしている立憲民主党の小宮山泰子さんが趣旨説明し、同党の森山浩行さんが質問しました。小宮山さんの地元埼玉県の一部地域では、村の長老を「水年寄」と呼ぶなど、水資源の配分に敏感な土地柄で知られています。小宮山さんは、法律に地下水を追加すると説明。観測や調査の必要性を強調しました。

【衆議院農林水産委員会 同日】

委員長が「鳥獣被害防止特措法改正案」(204衆法 号)を起草し、可決すべきだと決まりました。愛玩動物とジビエなどの事業者の役割を明確化し、市町村が税源不足のときに県に協力を求めたりするほか、銃刀法の特例を令和9年4月15日まで延長する規定。

【衆議院内閣委員会 同日】

「銃刀法改正案」(204閣法37号参先議)が小此木国家公安委員長から趣旨説明されました。

【衆議院文部科学委員会 同日】

「東京オリパラ特措法改正案」(204衆法21号)が馳浩さんら趣旨説明されました。馳さんは「タレント候補」と呼ばれながら選挙を戦い、当選したら、「タレント議員」と呼ばれ、衆議院に転じても「タレント議員」と呼ばれ続けたことから、議員立法に目覚めたそうです。馳さん、遠藤利明さん、河村建夫さんら文部科学族には議員立法に熱心な人が多いので、文部科学族隆盛の時代となったのかもしれません。法案は、アスリートが治療などに使う覚せい剤など薬物の輸入を、東京オリパラに限って認める特例法案。立憲民主党は医師の吉田統彦さんが差し替えで登場し、批判。なぜ閣法でなく、議員立法なのかとの批判も出ています。採決では立共反対、自公など賛成で可決すべきだと決まりました。最近の議員立法で立憲・共産が採決で反対するのは異例。

【参議院災害対策に関する特別委員会 同日】

「自然災害義援金差押え禁止恒久法案」(204衆法18号)が全会一致で可決すべきだと決まりました。

これに先立つ一般質疑は3時間コースで、自民党45分、公明党30分が割り振られましたが、与党もやり足りない感想を持つ議員もいそうです。

【参議院憲法審査会 同日】

「日本国憲法改正手続きのための国民投票法改正案」(196衆法42号衆修正)の参考人質疑と自由討論。来週採決の公算。

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